注目のスタートアップ

AR現場支援ソリューション「Dive」を開発・提供する「エピソテック」が3,000万円調達

company

2023年11月8日、エピソテック株式会社は、3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

引受先は、福井コンピュータホールディングス株式会社のコーポレートベンチャーキャピタルであるIFAC合同会社です。

エピソテックは、AR現場支援ソリューション「Dive(ダイブ)」を開発・提供しています。

属人化した現場作業のSOP(標準作業手順書)の作成・運用に課題を抱える事業者向けのソリューションです。

VPS(ビジュアル・ポジショニング・システム)を活用し、現場の空間そのものをSOPの表現場所とし、音声・動画・画像・テキスト・ブラウザ・ナビゲーションを3DのARオブジェクトとして現場空間上に設置することで、リッチで直感的なSOPを効率的に作成することを可能とします。

スマートフォンアプリのみで簡単にSOP作成・運用が可能という特徴も有しています。

今回の資金は、適切なカスタマーサクセス提供を目的とした組織強化や人材採用に充当します。


SOP(標準作業手順書)は、確立した製品仕様や、製造手順などの基準を文書などとしてまとめたものです。製造業・医療・農業などで利用されています。

SOPと似たものにマニュアルがありますが、マニュアルは業務プロセスや関連情報を総合的にまとめたものであるのに対し、SOPは業務単体の手順を詳しく示したものとなります。

SOPは、手順に無駄を生じさせず、安全かつ効率的な作業を実施させるために重要です。SOPがあることで作業が標準化され、業務品質を均一に保つことができます。

一方、SOPの作成・運用には、作成・更新に手間がかかる、写真や動画などで詳細を補足したいが手間がかかるため難しい、SOPに沿って作業が進められているのか追うことができないといった課題があります。

エピソテックは、このSOPの作成・運用の課題をARによって解決することを目指しています。

AR(拡張現実)とは、現実空間とデジタルデータを重ね合わせ、現実空間での体験を拡張する技術です。

たとえば、眼鏡型のデバイスであるARグラスを利用することで、作業時に情報を視界に表示したり、オペレーターからの指示をリアルタイムに受け取り確認することが可能です。

エピソテックの「Dive」は、スマートフォンやタブレットのカメラで現場の状況を表示し、そこにテキスト・写真・音声などのデータを配置することで、直感的なSOPの作成と運用を可能とします。

通常のSOPはテキストが主体であるためわかりづらい部分も多く生じるのですが、「Dive」は実際の現場にリアルタイムで情報が表示されるため、よりわかりやすく手順を作業者に示すことが可能です。

エピソテック株式会社のコメント

このニュースを受けまして、エピソテック株式会社 代表取締役 内藤 優太氏よりコメントが届きました。

内藤 優太
エピソテック株式会社 代表取締役
前職は横河電機株式会社にて、VRを使った現場教育ソリューションの新規ビジネス開発のリードを担当。
エピソテック株式会社創業・代表取締役就任後、ビジョン「多様な人材が活躍する基盤を作りたい」・ミッション「人々の直観理解を促進する」を達成するためにAR/MR現場支援ソリューションの開発・提供。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

導入事業者は増え続けており、お客様の業種も建設業や物流業など多種多様になってきています。

導入してくださった既存/新規のお客様1社1社への適切なカスタマーサクセス提供の重要度が増してきた事を背景に、組織強化・人材投資を行う必要があり、今回の資金調達を実施しました。

・今後の展望を教えてください。

2024年4月の「働き方改革関連法」適用によりDXニーズが高まっている建設業界へ効果的にアクセスするために、建設業界向けCADソフトの国内大手である福井コンピュータホールディングスとシナジー創出を開始します。

同社の既存/新規プロダクトとのソリューション連携や、弊社AR技術を活用したプロダクト共同開発するなど、幅広い領域においての協業を検討していきます。

・読者へのメッセージをお願いします。

創業以降は、希望と不安が入り混じった状態がずっと続くと思います。

短期では悲観的に、長期的には楽観的に取り組み、自分の目指した道を是非楽しんで歩み続けてください。

事業の成長には戦略的な資金調達や、シナジーの見込める企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AR BtoB Dive SOP Standard Operating Procedure ソリューション ダイブ マニュアル 支援 株式会社 標準作業手順書 現場 空間 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
起業の仕方サムネイル
起業の仕方を大解剖!初めての素人でも失敗しない起業の6つのステップと手順とは?
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

「H.I.S. Impact Finance」が「あおぞら銀行」と上限50億円の融資コミットメント契約を締結
2020年1月7日、​H.I.S. Impact Finance株式会社は、株式会社あおぞら銀行と、50億円を上限とする融資コミットメントライン契約を締結したことを発表しました。 H.I.S. Imp…
インバウンド商談SaaSを提供する「immedio」が3.5億円調達
2024年7月17日、株式会社immedioは、総額3億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 immedioは、インバウンド商談SaaS「immedio(イメディオ)」を提供していま…
浄水炭サブスク「SUMITCH」が環境アクションプラットフォーム「change」と提携
2022年2月22日、株式会社クジラテラスは、株式会社チェンジ・ザ・ワールドが提供するサービス「change」と提携したことを発表しました。 クジラテラスは、浄水炭サブスクリプションサービス「SUMI…
D2Cコンタクトブランド「OvE」など展開の「BSMO」がフィリピンの農業系大手「AgriNurture」と農産品の輸出入などで業務提携
2021年11月11日、株式会社BSMOは、AgriNurture, Inc.(本社:フィリピン・マニラ)と、業務提携契約を締結したことを発表しました。 今回の提携は、輸出入等中心とした包括的な事業の…
外観検査自動化AIサービス「メキキバイト」を提供する「フツパー」が4.2億円調達
2022年8月1日、株式会社フツパーは、総額4億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 フツパーは、外観検査自動化AIサービス「メキキバイト」を提供しています。 クライアント企業の環境…

大久保の視点

日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集