注目のスタートアップ

酪農産業のDXを推進する「ファームノートホールディングス」が「明治ホールディングス」から資金調達

company

2023年8月2日、株式会社ファームノートホールディングスは、資金調達を実施したことを発表しました。

引受先は、明治ホールディングス株式会社です。

ファームノートホールディングスは、傘下に酪農IoTソリューション事業を展開する株式会社ファームノート、自社牧場による酪農事業を展開する株式会社ファームノートデーリィプラットフォームを有する持ち株会社です。

ファームノートでは、クラウド牛群管理システム「Farmnote Cloud」、Internet of Animalsを実現する牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」、乳牛の遺伝子情報(ゲノム)を解析、育種改良におけるゲノムの実践的活用を目的とした「Farmnote Gene」などを提供しています。

ファームノートデーリィプラットフォームでは、酪農DXの実践牧場として、牛舎設計やロボット搾乳といったリアル技術と、Farmnote製品のデジタル技術を統合し、牛と人が快適に働ける牧場づくりを通じて持続可能な酪農経営を展開しています。

明治ホールディングスとの資本業務提携により、牛個体のGHG排出量をリアルに測定、変化を分析できるソリューションを開発します。


牛乳、バター、ヨーグルト、チーズなどの乳製品は私たちの食卓にとって重要な食品です。

さらに、乳製品はタンパク質やカルシウムなどを豊富に含んでいることから、健康面においても重要な食品とされています。

酪農はこうした乳製品のもととなる生乳の生産を担っています。乳牛は暑さに弱いことから、寒冷地や高地で飼育されることが多く、日本では北海道の酪農家が生乳生産量の5割以上を生産しています。

北海道以外の酪農は小規模な経営が多く、収益性が悪いことが課題となっています。そのため、酪農家は年々減少傾向にあります。

また、酪農家が減少する一方で、1戸あたりの飼育頭数は増加傾向にあり、日本では酪農の大規模化が進んでいるという状況にあります。

現在の酪農が直面している課題としては、飼料価格の高騰、環境負荷、糞尿の処理などが挙げられます。

日本の酪農は飼料を海外からの輸入に頼っている割合が高いことから、海外の情勢の影響を大きく受け、飼料価格の上下によって収益が左右されてしまうという課題があります。

また、ウシは温室効果ガス(GHG)のひとつであるメタンをげっぷによって排出することが知られており、現在この削減が求められています。アメリカでは、メタン排出量の26%がウシによるものであると試算されています。

ほかにも、糞尿は農業などで利用できる肥料のもととなります。こうした堆肥化にはコストがかかることから、できあがった肥料の販路を確保できないケースもあります。また、労働力不足などによって適切に処理できていない酪農家もあり、こうしたケースでは、糞尿が環境に及ぼす影響が問題視されています。

ファームノートホールディングスは、こうした酪農が抱えるさまざまな課題を解決するため、酪農のデジタル化・DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいます。

ビジネスのさらなる成長には戦略的な資金調達やシナジーが見込める企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ DX GHG IoT ウェアラブルデバイス ウシ ゲノム ソリューション ファーム ファームノート ファームノートデーリィプラットフォーム ファームノートホールディングス プラットフォーム 乳牛 改良 明治ホールディングス 株式会社 産業 管理システム 育種 解析 資金調達 遺伝子 酪農
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
NPO法人設立サムネイル
【2025年最新】NPO法人の設立ガイド|費用・条件・手順を徹底解説
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

「西松建設」がメタン発酵バイオガス発電の「アーキアエナジー」に出資
2022年8月31日、西松建設株式会社は、アーキアエナジー株式会社に出資したことを発表しました。 アーキアエナジーは、メタン発酵バイオガス発電事業の企画・開発・運営を行っています。 食品廃棄物や産業廃…
便失禁・尿失禁の治療を目的とした細胞治療の研究開発を行う「イノバセル」が「HiJoJo Partners」などから5.5億円調達
2022年6月2日、イノバセル株式会社は、総額5億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、HiJoJo Partners株式会社によって組成された「Innovacellファン…
「三菱UFJキャピタル」がダイヤモンド半導体デバイスを研究開発する「Power Diamond Systems」に出資
2023年6月15日、三菱UFJキャピタル株式会社は、同社が運営するファンド(三菱UFJキャピタル9号投資事業有限責任組合)より、株式会社Power Diamond Systemsに対し、2023年6…
医師とショコラティエが共同開発した低GIチョコレート「メディカレート」を展開する「セディカル」が6,200万円調達
2022年8月11日、セディカル株式会社は、総額6,200万円の資金調達を実施したことを発表しました。 セディカルは、“食べた方が良いチョコレート”をコンセプトに、医師とショコラティエが共同開発した低…
BtoC事業者向けマーケティング支援を展開する「プラススイッチ」が融資により1億円調達
2024年8月30日、株式会社プラススイッチは、1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 この資金調達は、西武信用金庫、日本政策金融公庫などからの融資によるものです。 プラススイッチは、toC向…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集