注目のスタートアップ

スマートゴミ箱「SmaGO」を手がける「フォーステック」と「BIPROGY」が業務提携 BIPROGYグループの「Emellience Partners」から資金調達

company

2023年7月12日、株式会社フォーステックは、BIPROGY株式会社と業務提携契約を締結したことを発表しました。

また、それに先立ち、BIPROGYグループのEmellience Partners株式会社が2023年5月16日に第三者割当増資を引き受け、資本提携を行っています。

フォーステックは、米・BigBelly Solar社が開発したスマートゴミ箱を活用したソリューション「SmaGO(スマゴ)」を手がけています。

IoT化されたスマートゴミ箱の街中や施設への設置を通じ、ゴミ回収の効率化、費用削減を実現し、街の美化を促進しています。

ソーラーで発電し、溜まったゴミは自動圧縮することで、ゴミが溢れないゴミ箱を実現しています。また、4G通信によってゴミの堆積を管理し、ゴミ回収をマネジメント・効率化しています。

さらに、「SmaGO」をアウトドア広告メディアとしても提供することで、企業ブランドイメージの醸成もサポートしています。

BIPROGYは、クラウドやアウトソーシングなどのサービスビジネス、コンピュータシステムやネットワークシステムの販売・賃貸、ソフトウェアの開発・販売などを手がけています。2022年4月1日に日本ユニシス株式会社から社名を変更しています。

今回の提携により、「SmaGO」の販売をBPROGYが担うほか、取得したゴミ堆積などのデータをBPROGYグループのデジタル技術で分析し、ゴミ容量の予測・最適なゴミ回収のルートプランニング・ゴミ箱の配置など、環境貢献と持続可能な街づくりを推進します。


日本では1995年の地下鉄サリン事件以降、駅でのゴミ箱の設置が減少・撤去されていき、それ以降街中のゴミ箱も急速に減少していきました。

こうしたゴミ箱の少なさから、日本では外で発生したゴミであっても家に持ち帰って捨てるという習慣が根づいてきています。これによって街ではポイ捨てが減ったほか、ゴミ箱周辺にゴミが散乱するといったことも減少しました。

一方、訪日観光客を対象に旅行中に困ったことを調査したアンケートでは、ゴミ箱の少なさが1位として挙げられています。つまり、ゴミ箱の少なさ・街の美観は、街の使いやすさとトレードオフの関係にあるということです。

スマートゴミ箱は、こうしたゴミ箱の問題を解決することを目的としたソリューションです。

ゴミ箱にIoTなどを搭載することで、ゴミ回収の効率化を実現します。たとえば、スペイン・バルセロナでは、街に設置されている巨大なゴミ箱に溜まったゴミの定期回収に大型トラックが出動するのですが、回収作業中に道路を塞ぐこと、人の多いエリアほどゴミ箱が多いことにより、回収業務の負担向上と渋滞の発生が課題となっていました。スマートゴミ箱を導入した結果、回収タイミングをゴミが溜まったタイミングにすることで、回収の効率化を実現し、負担低減と渋滞発生の緩和が実現されています。

フォーステックの「SmaGO」はこうしたスマートゴミ箱のひとつであり、ゴミのモニタリング機能のほかに、ソーラー発電によって環境負荷が低いこと、ゴミを自動圧縮すること、ゴミ箱を広告メディアとして運用していることを特徴としています。

すでに世界中の都市・大学に導入され、その効果が実証されており、日本においても2020年10月から表参道・原宿エリアで設置され、その後全国の自治体や、商業施設などへの設置が進められています。

ビジネスの大きな成長のためには戦略的な資金調達や、シナジーの見込める企業との提携が必要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるための方法など、資金調達のノウハウについて詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BigBelly Solar BIPROGY Emellience Partners IoT SmaGO ゴミ箱 スマートゴミ箱 スマートシティ スマゴ フォーステック 株式会社 業務提携 美化 資本提携 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

Web3関連コンサルティングなどWeb3事業を展開する「HashPort」が9億円調達
2023年1月20日、株式会社HashPortは、総額約9億円の資金調達を実施したことを発表しました。 HashPortは、ブロックチェーンプロダクト・暗号資産の信頼性についてのシステム監査・新規取扱…
ネット不動産投資サービスブランド「RENOSY」を手がける「GA technologies」が4億円の融資契約を締結
2024年6月26日、株式会社GA technologiesは、株式会社千葉銀行が提供する「ちばぎんSDGsリーダーズローン(サステナビリティ・リンク・ローン型)」において4億円の融資契約(無担保・無…
企業・自治体・大学などと連携してコワーキングスペースを展開する「ATOMica」が6.5億円調達
2024年4月5日、株式会社ATOMicaは、総額6億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ATOMicaは、「ソーシャルコワーキング」の企画・開発・運営や、「knotPLACE」の…
片麻痺者向け歩行リハビリ用着るロボットを開発する「INOMER」が4500万円調達
2024年9月5日、株式会社INOMERは、4500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、ライトアップベンチャーズ株式会社を無限責任組合員とするライトアップベンチャーズ1号投資事業有…
「LeadX」が6,000万円調達 中小部品メーカー向け見積支援システム「匠フォース」を正式リリース
2022年9月6日、株式会社LeadXは、総額6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、中小部品メーカー向け見積支援システム「匠フォース」を正式リリースしたことも併せて発表していま…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集