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ものづくりの価値向上を目的に「在庫戦略モデル」の実用化に挑戦する「FACTORY X」が4,000万円調達

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2023年4月26日、株式会社FACTORY Xは、4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

引受先は、ANRIです。

FACTORY Xは、事業方針や製造工程の生産性・収益性を考慮し、最適な在庫を算出する工場経営の新たな戦略活動を「在庫戦略」と定義し、どこの工程でいくつの在庫を持つことが最適なのかを決める「在庫戦略モデル」の実用化に取り組んでいます。

今回の資金調達により、業界分析の解像度向上、在庫分析のPoC、プロダクトの試作開発などに取り組みます。


製造業は、国内GDPの約2割を占める重要な産業です。しかし、人口減少や高齢化による人材不足、国際的な競争の激化とそれに伴う競争力の低下などの課題を抱えています。

この課題を解決し、再び競争力のある産業として製造業を復活させるには、製造業のデジタル化・DXが必要不可欠です。

こうした背景から、製造業向けのプロダクトやサービスを手がけるスタートアップが多数登場しています。

そのプロダクト・サービスには、IoTによる工場の可視化、AIを活用した生産計画の自動作成、小型・高機能のロボットアーム、機械の故障・不具合の予知など多岐にわたります。

こうした背景のもと、FACTORY Xは、在庫管理の領域において、製造業の生産性・収益性を向上させる「在庫戦略モデル」の実現を目指しています。

製造業における在庫管理の主な目的は、必要なものを必要な時に供給できるように「適正在庫を維持」することです。

製造業では製品をつくるためにはいくつもの部品が必要となりますが、その部品が足りないと完成品をつくることができません。そのため機会損失による売上の低下を防ぐため、適正在庫を維持することが重要です。

しかし機会損失のリスクを恐れて在庫を持ちすぎてしまうと、倉庫の圧迫、在庫の劣化、管理の複雑性の向上といったデメリットが生じてしまうため、在庫は多すぎても少なすぎてもいけないといわれます。

株式会社FACTORY Xのコメント

このニュースを受けまして、株式会社FACTORY X 代表取締役 神谷喜穂氏よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

今回はプレシードラウンドということで、在庫戦略モデルの可能性を検証していきます。

具体的には、業界分析の解像度向上・在庫分析のPoC・プロダクトの試作開発に取組みます。

これらの検証結果により、在庫に関する課題の解像度向上・将来の方針を確立し、次ラウンドやIPOまでの地盤を固める予定です。

・今後の展望を教えてください。

製造業の組立部品・在庫管理の価値観の強い東海地区でモデルを確立し、国内・海外展開を目指していきます。

私たちは収益性を考慮した適正在庫の算出はもちろん、工場経営の新しい戦略活動となる汎用的なシステムを確立します。

そして、不安的な時代でも現場がモノづくりに集中できるような世界をつくります。

・読者へのメッセージをお願いします。

私にとって創業はわからないことだらけで、自分にできる気もしないものでした。

今回の記事にも登場している「在庫戦略モデル」は10年以上前の学生時代の研究が基礎となっていて、去年の5月末にスタートアップ型であれば実現できることを知りました。

そこから必要な情報を集め、多くの人に出会っていくうちに、わからなかったことはわかるようになり、少しずつ自信をつけていきました。

創業手帳を読まれている方は当時の私のような悩みを抱えていることも多いと思います。

希望や不安は数えきれないほどあると思いますが、自分の気持ちに実直に、迅速さと丁寧さを持って行動することで前に進めると思います。

創業を目指すみなさんの勇気となりますように、私たちも引続きがんばります。

デジタル化は、以前は非効率的だった業務を大幅に効率化する可能性があります。企業が利益を最大化するためには、最適なソリューションを見つける必要があります。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」では、創業期の社内システムの整備ノウハウを詳しく解説しています。ICTの専門家にインタビューを行い、創業期のシステム整備のメリットや注意点なども伺っていますので、こちらも参考にしてください。

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