注目のスタートアップ

脂肪組織由来の多機能血小板であるASCL-PLCの事業化に取り組む「AdipoSeeds」が16億円調達

company

2022年12月12日、株式会社AdipoSeedsは、総額16億円の資金調達を実施したことを発表しました。

AdipoSeedsは、脂肪組織由来の多機能血小板であるASCL-PLCの再生医療等製品としての事業化に取り組む、慶應義塾大学発ベンチャーです。

主に廃棄予定の脂肪から安全で医療応用可能な血小板製剤を低コストで供給することを目指しています。

さらに、脂肪組織由来の血小板を用いた再生医療の実現により、献血に依存しない輸血用血小板製剤の実用化なども目指しています。

今回の資金は、ASCL-PLCの難治性皮膚潰瘍・血小板輸血を対象とした企業治験準備の一層の加速、新規事業であるPRP(Platelet Rich Plasma、多血小板血漿)療法に関連する受託事業(2023年7月事業開始)などの研究開発などに充当します。

輸血用血液製剤などの多くは高齢者の医療に利用されています。たとえば輸血用血液製剤の約85%は50歳以上の患者に使用されています。

一方で献血として血液を提供する人びとのうち60%以上は50歳未満となっています。

少子高齢化の進展により、輸血を必要とする患者の数の増加と、血液を提供する若年層人口の減少により、27年には年間89万人分の輸血用血液製剤が不足すると試算されています

さらに短期間の間に大量の輸血用血液を必要とする大規模災害などのケースに対処するためにも、人工血液など輸血用血液に代わるものが求められています。

血小板を主成分とした血小板製剤は、血小板の量的・質的異常があった場合などに輸血する輸血用血液製剤です。

一方で血小板製剤の保存期間は採血後4日以内と非常に短く、さらに20〜24度の温度に保ち常時動かす振盪保存を行わなくてはならないため、専用の保存装置を必要とするという保存の課題を抱えています。

AdipoSeedsは、皮下脂肪組織由来の間葉系幹細胞から血小板を人工的に創製する独自技術を保有しています。この技術は血小板製剤の不足や保存にかかる課題の解決につながると期待されているほか、応用できる医療範囲も多岐にわたるため、同社は実用化のため事業を進めています。

医療分野など研究開発が重要な位置を占めるビジネスでは資金調達が事業の成功を握っています。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ ASCL-PLC 人工血液 再生医療 医療 大学発ベンチャー 慶應義塾大学 株式会社 血小板 血小板製剤 血液 資金調達 輸血 輸血用血液製剤
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

次世代の本人認証技術によるゼロトラスト型セキュリティサービスの実現を目指す「イニシャル・ポイント」が1.2億円調達
2022年12月15日、イニシャル・ポイント株式会社は、1億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、モバイル・インターネットキャピタル株式会社が運営する「MICイノベーション…
新卒ダイレクトリクルーティングサービスを提供する「ABABA」が2.5億円調達
2024年1月29日、株式会社ABABAは、総額2億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ABABAは、新卒ダイレクトリクルーティングサービス「ABABA」を提供しています。 最終面…
商用EV車両の製造・販売を行う「EVモーターズ・ジャパン」が6億円調達
2022年8月31日、株式会社EVモーターズ・ジャパンは、総額6億円の資金調達を実施したことを発表しました。 EVモーターズ・ジャパンは、商用EV車両(バス・トライク・物流車)を製造・販売しています。…
TikTokアカウント運用事業やクリエイターコミュニティ事業を展開する「OASIZ」が2億円調達
2023年7月25日、株式会社OASIZは、約2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、SBIインベストメント株式会社です。 OASIZは、TikTokアカウント運用事業や、TikTo…
ISMS・Pマークオートメーションツール「SecureNavi」などを提供する「SecureNavi」が4.6億円調達
2023年11月15日、SecureNavi株式会社は、総額4億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 SecureNaviは、ISMS・Pマークオートメーションツール「SecureN…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集