注目のスタートアップ

ブロックチェーンを使った情報流通プラットフォームを手掛ける「オケイオス」と「シミックソリューションズ」が資本業務提携

company

2022年10月6日、シミックホールディングス株式会社のグループ会社であるシミックソリューションズ株式会社と、株式会社オケイオスは、資本業務提携に関する基本合意書を締結したことを発表しました。

オケイオスは、ブロックチェーンを使った情報流通プラットフォームの構築と、このプラットフォームを活用したサービスの提供を行っています。

この情報流通プラットフォーム上には、個人が情報を管理できるPDS(Personal Data Store)があり、そこに保存される情報の真正性と流通履歴をブロックチェーンで担保しています。

また、このプラットフォームを利用し、個人向けアプリ(例:ヘルスケアアプリやPHRアプリ)、情報共有アプリ(例:医療機関や自治体との情報共有や介入支援)、コミュニケーション管理アプリ(例:情報利活用を行う組織向けの個人向けアプリとのチャットや情報相互やりとり)がサービスとして提供されています。

また、サービスを提供する事業者に向けSDKやAPIを提供し、PDSを介した情報流通を可能にしています。

シミックソリューションズは、個人・自治体などにヘルスケアの新たなエコシステムを用いたソリューションを提供しています。

今回のシミックソリューションズとの提携により、オケイオスが持つブロックチェーン技術、秘密分散ストレージ技術、自己主権型アイデンティティ技術を組み合わせたPDSプラットフォーム「Personal health data bank(仮)」を活用したソリューションの提供に着手します。

このプラットフォームは、個人の情報管理としてブロックチェーンを利用することで、情報の真正性・機密性・追尾性を担保し、さらに二次利用における同意形成を実現するものです。

ブロックチェーンとは、暗号資産(仮想通貨)の基盤技術として開発された新たなデータベース技術です。

ネットワーク上で発生した取引の記録をブロックという単位で格納し、そのブロックに取引の記録と同時に、1つ前に生成されたブロックの内容を表すハッシュ値と呼ばれる情報を記録します。

ハッシュ値とは、元データをハッシュ関数という関数に入れることで出力される、規則性がなく長さが固定の16進数の文字列のことです。

元データが少しでも違えばまったく異なるハッシュ値が出力されることから、データが破損していないか、改竄されていないか、といった同一性の確認のために用いられています。

ブロックチェーンでは、ブロックを1本の鎖(チェーン)のようにつなぎ、ハッシュ値によって同一性を確認するという仕組みです。もしブロックを改竄してしまうと、その後のブロックのすべてのハッシュ値と整合性がとれなくなるため、事実上改竄が不可能であり、高い改竄耐性がある技術として知られています。

また、ブロックチェーンはすべての取引が記録され、さらにその取引は誰であっても削除することができません。そのため、そのデータがいつどのように誰の手によって記録されたのか、というのが正確にわかります。

この仕組みは、製造業・物流・食品管理におけるトレーサビリティシステムで活用でき、実装に向けた取り組みが進められています。

トレーサビリティシステムとは、商品などがどの場所で作られ、運ばれ、販売されたのかを把握するための仕組みです。

不備の発見やその後の改善などに役立つシステムですが、これまでは、トレーサビリティシステムを誰が管理するのか、どのように情報を統一するのか、どのように情報の正確性を担保するのか、といったコストや技術の問題で実現が困難でした。

しかしブロックチェーンはこの問題を解決できる技術であり、今後世界的にさまざまなシステムで活用されていくことになると考えられています。

オケイオスの情報流通プラットフォームは、このブロックチェーンを活用し、主に医療領域における情報の流通・管理・利活用を促進するものです。

医療の領域では、コロナ禍により各医療機関や自治体間での情報連携において大きな課題があることがわかりました。

また、今後効率的な医療を提供するため、大病院と地域の小規模な医療機関との間で、患者を紹介し合う体制を構築することが求められており、医療における情報共有の重要性が一層高まっています。

ビジネスのさらなる成長には戦略的な資金調達や他企業との提携が重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ API SDK オケイオス コミュニケーション プラットフォーム ブロックチェーン 医療機関 情報 株式会社 流通 組織 自治体 資本業務提携
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
法人成りとは?個人事業主が「法人化」をするメリット・デメリットや手続きなどを解説!
【2025年版】会社設立の流れ・手順・やることリストをわかりやすく解説
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
普通の人が起業するには。起業の成功に大切な5ステップを創業手帳・代表の大久保が解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

広島大学発のVRゲームスタートアップ「Gino」が1,500万円調達
2022年10月24日、株式会社Ginoは、1,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Ginoは、広島大学の学生が中心となって設立したスタートアップです。VRゲームを開発しています。 現…
D2C事業開発の「ALPACA」が「Unreact」と共同で飲食店専門のEC化戦略総合パッケージ「NEW DREAM」を立ち上げ
株式会社ALPACAは、株式会社Unreactと共同で、「NEW DREAM」を開始したことを発表しました。 「NEW DREAM」は、飲食店専門のEC化戦略総合パッケージです。 飲食店のこだわりのE…
企業向けシェフ・サービス「Green Dining」においてシェフ会員のための情報サイト「Green Dining Chef」がオープン
2021年2月3日、グラアティア株式会社は、「Green Dining Chef」を2021年2月から開始したことを発表しました。 グラアティアは、企業や個人のイベントと出張シェフをマッチングするサー…
建設用3Dプリンターメーカーの「Polyuse」が7.1億円調達
2023年2月15日、株式会社Polyuseは、総額7億1,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Polyuseは、建設用3Dプリンターを中心とした建設業界特化型のハードウェア、ソフトウ…
生成AIを軸に企業の課題に応じたカスタマイズ型ソリューションを提供する「カサナレ」が資金調達
2024年11月27日、カサナレ株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 今回の資金調達により、累計調達額は2.25億円となりました。 カサナレは、生成AI基盤モデルの性能を最大限に引き出し…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集