注目のスタートアップ

消費電力を削減する半導体技術「NanoBridge」を保有する「ナノブリッジ・セミコンダクター」が1.3億円調達

company

2022年7月21日、ナノブリッジ・セミコンダクター株式会社は、総額約1億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

ナノブリッジ・セミコンダクターは、2019年9月にNECの研究者が設立したベンチャー企業で、半導体技術である「NanoBridge」を保有しています。

「NanoBridge」は、電子機器の放射線耐性向上や消費電力削減を実現する半導体技術です。

製造後に回路の再構成が可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)やメモリへの活用を見込んでいます。

今回の資金は、航空宇宙や通信インフラなど耐放射線性が求められる領域での「NanoBridge FPGA」向け設計ツールを整備し、IoTデバイスや自動車など国内外の製造業向けに幅広く「NanoBridge」事業を展開するために充当します。

電子機器の中枢部品として幅広く使用されているIC(集積回路)やLSI(大規模集積回路)は、通常製造時に形成した論理回路を後から変更することはできません。

そのためPCなどの電子機器の試作の際には、それぞれ動作が異なる膨大な数のICを用意する必要がありました。

これを解決したのが、現場でその都度論理回路をプログラミングできる半導体チップFPGA(Field Programmable Gate Array)です。

1985年に米・ザイリンクス社が発売したものが最初のFPGAであり、それから電子機器の試作開発を低コスト化・高速化するものとして広く利用されています。

このFPGAのグローバルシェアは、米・ザイリンクス社と米・アルテラ社の2社が市場の80%を占めています。

ナノブリッジ・セミコンダクターは、この米国企業が市場を占めているFPGA市場において、とくに高い放射線耐性が必要とされる航空宇宙や通信インフラ領域でFPGAを提供するため事業を進めています。

ナノブリッジ・セミコンダクター株式会社のコメント

このニュースを受けまして、ナノブリッジ・セミコンダクター株式会社 代表取締役 杉林直彦氏よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

設計ツールの整備等には資金が必要なためです。(リリースの通りです)

・今後の展望を教えてください。

国内で事業実績を積み、それを基に海外進出したいと考えております。

・読者へのメッセージをお願いします。

今後も適切な時期に、目的にあわせた、資金調達を進めていく所存です。

研究開発型のビジネスでは資金調達が非常に重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ FPGA IC NanoBridge ナノブリッジ・セミコンダクター 半導体 宇宙ビジネス 技術 株式会社 資金調達 通信インフラ
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」の設立方法完全ガイド|流れ・費用・必要書類など解説
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

和牛受精卵の⽣産・販売・移植・技術開発を手掛ける「ノースブル」が資金調達
2022年7月29日、株式会社ノースブルは、資金調達を実施したことを発表しました。 ノースブルは、和牛受精卵の⽣産・販売・移植・技術開発を展開しています。 和⽜の受精卵の買い取り・生産、乳牛への移植・…
田んぼの自動抑草ロボット「アイガモロボ」を開発する「有機米デザイン」が2億円調達
2023年2月17日、有機米デザイン株式会社は、総額2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 有機米デザインは、田んぼの自動抑草ロボット「アイガモロボ」の開発や、有機米の生産支援・流通・販売を手…
「SOCIAL COMMON CAPITAL」が1.7億円調達 融資型クラウドファンディング事業「CAMPFIRE Owners」のMBOを実施
2022年8月24日、株式会社SOCIAL COMMON CAPITALは、総額約1億7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、株式会社CAMPFIREが運営する融資型クラウドファ…
卵子凍結サービス「Grace Bank」などを提供する「グレイスグループ」が2.8億円調達
2022年4月1日、株式会社グレイスグループは、総額約2億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 グレイスグループは、卵子凍結サービス「Grace Bank(グレイスバンク)」や、女性…
構造解析をベースとした創薬事業を展開する「キュライオ」がAI創薬の「iSiP」と戦略的業務提携に関する契約を締結
2022年8月5日、株式会社キュライオは、iSiP株式会社との間で、戦略的業務提携に関する契約を締結したことを発表しました。 キュライオは、クライオ電子顕微鏡による構造解析をベースとした自社創薬事業と…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集