注目のスタートアップ

「太陽グループ」が小型ロケット専用の打ち上げサービスを展開する「スペースワン」に出資

company

2022年6月30日、太陽工業株式会社とTSP太陽株式会社は共同で、スペースワン株式会社に出資したことを発表しました。

スペースワンは、2018年に、キヤノン電子、IHIエアロスペース、清水建設、日本政策投資銀行の4社によって設立された企業です。

超小型衛星を小型ロケットに搭載して打ち上げる“宇宙宅配便”の事業化を目的としています。

2021年度には、和歌山県串本町の射場「スペースポート紀伊」が完工しています。

2022年度は打ち上げ事業の本格化を目指しています。また、将来的には年間20機の小型ロケット打ち上げを目指しています。

太陽工業は、大型膜面構造物(テント構造物)のメーカーです。2019年に作製した宇宙の居住空間を検証する「スペースコロニーデモンストレーションモジュール」をきっかけに、宇宙関連事業の検証を開始しています。

2021年からは「宇宙開発利用加速化戦略プログラム」(スターダストプログラム)の一環である「宇宙無人建設革新技術開発推進事業」(国交省及び文科省連携)の技術研究開発に参画しています。また、2022年には「月面インフレータブル居住モジュールの地上実証モデル構築」にも携わっています。

今回の出資により、宇宙産業市場への参入を目指します。地上における射場周辺の施設建設支援なども含め、宇宙関連ビジネスで積極的に太陽工業の膜技術を紹介していく計画です。

また、TSP太陽は、イベント制作や空間プロデュース・防災・アート事業を展開しています。今後の協業の予定として、「スペースポート紀伊」のある串本町や周辺地域と連携したプロモーション活動や、射場を活かした空間プロデュース活動などを検討しています。

世界の宇宙ビジネスの市場規模は、2010年に約27兆円だったものが、2019年には約40兆円にまで成長しています。また、2040年代には100兆円以上の市場規模へと成長することが予測されており、大きく注目されている市場です。

宇宙ビジネス市場でもっとも大きな割合を占めているのが、衛星の打ち上げや衛星から得られたデータを活用する衛星サービスです。

衛星開発の進展により超小型衛星が実現されました。従来の中大型人工衛星は、数百キログラムから数トン程度の重量があったのですが、現在は1キログラムから数十キログラムといった小型なものが実現されています。

衛星の小型化のメリットには、一度により多くの衛星を打ち上げられることによる低コスト化、衛星を打ち上げるためのロケットの小型化・低コスト化が挙げられます。

現在は主に大型ロケットに複数の小型衛星を同時に搭載して打ち上げることで低コスト化を図っていますが、スケジュールに柔軟性がないことなどの課題があるため、将来的には小型ロケットによる打ち上げのニーズが高まっていくと考えられています。

スペースワンは、自前の射場(ロケットの発射場)を建設し、契約から衛星打ち上げの迅速化と、高頻度な打ち上げの実現を目指しています。

スケールの大きなビジネスには、多くの資金が必要となります。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、ベンチャーキャピタルから出資を受けるためのノウハウについて詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ TSP太陽 サービス スペースポート紀伊 スペースワン ロケット 出資 太陽グループ 太陽工業 宇宙 宇宙ビジネス 小型 株式会社 衛星 超小型衛星
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

ものづくり特化のオンライン・ショップ「CRAFT STORE」運営の「ニューワールド」が資金調達
2020年5月7日、ニューワールド株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、クラウドファンディング・プラットフォーム「Makuake(マクアケ)」を運営する株式会社マクアケと、山口…
飲食店の業務をAIで効率化するクラウドサービス「HANZO」シリーズを展開する「Goals」が15.5億円調達
2022年6月29日、株式会社Goalsは、総額15億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Goalsは、AIによる需要予測型自動発注クラウドサービス「HANZO 自動発注」と、飲食…
アバター接客サービス「AVACOM」などを開発・提供する「AVITA」が13.7億円調達
2024年8月23日、AVITA株式会社は、総額13億7000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 AVITAは、アバター接客サービス「AVACOM」や、アバターAIロープレ支援サービス「アバ…
独自の免疫測定技術を活用した免疫センサー・デバイス開発の「イムノセンス」が1.3億円調達
2021年4月5日、株式会社イムノセンスは、総額1億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 大阪大学産業科学研究所・民谷特任教授が開発したGLEIA法という免疫反応と電気化学反応を組み…
電気運搬船開発の「パワーエックス」が国内最大手の造船メーカー「今治造船」と資本業務提携
2021年12月3日、株式会社パワーエックスは、今治造船株式会社と資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 パワーエックスは、沖合にある洋上風力発電所でつくられた電力を船で陸に運ぶため、電気運搬…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集