注目のスタートアップ

シェア買いアプリ「KAUCHE」展開の「カウシェ」が22億円調達

company

2022年6月28日、株式会社カウシェは、総額約22億円の資金調達を実施したことを発表しました。

カウシェは、シェア買いアプリ「KAUCHE(カウシェ)」を開発・運営しています。

商品を選び、割引価格での購入を決定したあとSNSでシェアし、友人・家族などひとり以上が購入を決定すると「シェア買い」が成立し、定価の最大70%引きの値段で商品を手に入れることができるソーシャルコマースサービスです。

今回の資金は、ソーシャル要素の強化に向けた、エンジニアを中心とした人材採用に充当する予定です。

具体的には、ユーザー同士や、事業者とユーザーの相互交流といったアプリ内でのソーシャル要素の強化を目指します。

「カウシェ」のシステムのもととなった“共同購入”システムは、一時期流行していましたがほどなくして衰退してしまいました。

共同購入の仕組みはフラッシュマーケティングとも呼ばれ、たとえば「X時間以内にXX人が購入すれば半額になる」というようなものです。

米国大手のグルーポンが日本に参入したことで注目され、そこから多くのサービスが乱立し群雄割拠の市場となりました。

共同購入システムは、どれだけの人数が購入するのかが見えるため、顧客に対して売れている感を演出し盛り上がっているECをつくれます。

しかし、価格に見合わない商品があることや、相場から高い金額からスタートして安くなったと演出する商品が増えたことによって廃れていきました。

2010~2011年のクーポンサイトの隆盛から4年後の2015年、中国のPinduoduoは、この共同購入の仕組みとSNSを組み合わせたECサイト「拼多多(Pinduoduo)」を開始しました。さらに2018年にはNASDAQ証券取引所に上場し、16億ドルの資金調達に成功しています。

このPinduoduoの仕組みはソーシャルコマースと呼ばれ、新たなECの形としてPinduoduoの成功と合わせ大きな注目を集めています。

SNSが広く利用されている現在では、共同購入によって安く買いたいユーザーが積極的にSNSで宣伝をしてくれます。つまり、小売事業者は広告を出すことなく商品をPRできるのです。

また、ソーシャルコマースは友達・家族とのコミュニケーションを促し、買い物そのものの楽しみを創出するものでもあります。

EC事業にソーシャル性とエンターテインメント性という新たな価値をつけるソーシャルコマースが今後どのように成長していくのか注目が必要です。

共同購入のように廃れてしまった仕組みでも、時代の変化によって新たなビジネスアイデアとなることもあります。「冊子版創業手帳」では、自社の強み・弱み、市場機会・驚異を分析するためのフレームワークを掲載しています。新たなアイデアを創出するために活用できます。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ EC KAUCHE SNS アプリ カウシェ シェア買い ソーシャル・コマース ソーシャルEC 株式会社 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」設立ガイド|手続きの流れ・必要書類・メリット・費用など
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

日本のモノづくりブランドをテクノロジーを活用して世界に提供する「MOON-X」が10億円超調達
2020年2月4日、MOON-X株式会社は、総額10億円超の資金調達を実施したことを発表しました。 日本のモノづくりを体現するブランド群を、テクノロジーを活用して世界中に提供しています。 ブランド第1…
オンライン学習コミュニティの「Schoo」が資金調達 KDDIと業務提携
2019年9月18日、株式会社Schooは、資金調達を実施したことを発表しました。 また、KDDI株式会社との業務提携契約を締結したことも併せて発表しました。 Schooは、大人たちがずっと学び続ける…
AI時代のITエンジニア育成サービス「amoibe OJT」を運営する「amoibe」が1億円調達
2025年6月26日、株式会社amoibeは、総額1億円の資金調達を発表しました。 amoibeは、法人向けITエンジニア育成サービス「amoibe OJT」を提供しています。 はじめての業務工程や技…
オンライン・コミュニケーションの質を高める動画解析AIサービス提供の「I’mbesideyou」が1.15億円調達
2021年1月4日、株式会社I'mbesideyouは、総額1億1,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 オンライン・コミュニケーションに特化したマルチ・モーダルAIを提供しています。 …
インフルエンサーマッチングサービスと余剰在庫販売サイトを運営する「KOLテクノロジーズ」が2億円調達
2022年8月4日、株式会社KOLテクノロジーズは、総額約2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 KOLテクノロジーズは、インフルエンサーマッチングサービス「Beee(ビー)」と、余剰在庫を販…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集