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2022年5月16日量子コンピューター向けアルゴリズム・ソフトウェアを開発する「QunaSys」が資金調達

2022年5月10日は、株式会社QunaSysは、資金調達を実施したことを発表しました。
QunaSysは、量子コンピューター向けアルゴリズムやソフトウェアの研究開発、量子化学計算クラウドサービス「Qamuy」の提供などを行っています。
2020年7月からは、量子コンピューターの応用検討コミュニティ「QPARC」を運営し、国内企業50社とともに実用化に向けたユースケースの探索を行なっています。
今回の資金は、海外での事業展開、量子コンピュータ上での化学計算用ソフトウェアの開発のさらなる加速に充当します。
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量子コンピューターには、組み合わせ最適化問題の計算に特化した量子アニーリング方式と、汎用的な量子ゲート方式という2つのメジャーな方式があります。
量子アニーリング方式はすでに実用化・商用化が進んでいますが、汎用的な量子ゲート方式はまだ研究段階にあり、実用化は2030年以降になるといわれています。
量子アニーリング方式の量子コンピューターは組み合わせ最適化問題といった特定の用途にしか活用できないのですが、それでも古典的なコンピューターとは比べものにならないほどのスピードで計算することが可能です。
組み合わせ最適化問題の説明として、よく巡回セールス問題が取り上げられます。これはひとりのセールスマンが複数の都市を回るとき、どのルートなら効率的にすべての都市を回ることができるか、という最適解を計算するものです。
古典的なコンピューターでは総当たりで都市を回る経路を探していくのですが、都市の数が30になると、その計算にはなんと25京年以上かかるというのです。
しかし量子アニーリングではこの計算を瞬時に行うことができます。これにより、たとえば完全自動運転車のリアルタイムの最適なルート構築などが可能になります。
一方で、QunaSysはこの量子アニーリング方式の量子コンピューターではなく、汎用的に利用できるゲート方式の量子コンピューターに取り組んでいます。
ゲート方式の量子コンピューターはIBMやGoogleが開発しており、日本では2021年7月からゲート型商用量子コンピューター「IBM Quantum System One」が稼働しています。
とはいえ、実用的な量子コンピュータティングには、万単位の量子ビットが必要とされており、2022年5月現在で実現されているのは127量子ビットが最大となっています。
量子ビット数が増加するにつれて、ゲート方式量子コンピューターの実装が進んでいくと予測されています。QunaSysは将来的な社会実装を見据え、ソフトウェアやアルゴリズムの開発を行っています。
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