注目のスタートアップ

iPS細胞を利用した水疱性角膜症に対する再生医療等製品開発の「セルージョン」が11億円調達

company

2022年1月7日、株式会社セルージョンは、総額11億円の資金調達を実施したことを発表しました。

「増殖性に優れるiPS細胞から角膜内皮代替細胞を効率的に作り出す技術」と「簡便な手技で属人的技術を不要とする細胞移植法」を組み合わせ、角膜移植適用症例の半数以上を占める水疱性角膜症に対する再生医療等製品「CLS001」の開発を行っています。

「CLS001」は、2021年7月にヒトでの安全性を評価する医師主導臨床研究の実施承認を得ています。準備が整い次第、慶應義塾大学病院において臨床が開始される予定です。

今回の資金は、「CLS001」の国内・海外の臨床試験の準備や、研究・組織体制の強化、後続パイプラインの研究開発に充当されます。

2006年に山中伸弥教授率いる京都大学の研究グループがiPS細胞を発表してから、16年が経過しました。

iPS細胞は万能細胞ともいわれ、患者から採取した体細胞からiPS細胞を作れば、拒絶反応のない移植用組織や臓器の作成が可能となるため、移植を希望する待機患者を救うことができると期待されています。

しかし実用化に向けた計画は想定よりも遅れており、2022年1月現在においても実用化に至ったiPS細胞関連の再生医療はありません。

もちろん研究が進んでいないわけではなく、2020年11月時点で、全国の8施設でiPS細胞を用いた臨床試験が行われています。

臨床試験はヒトでの有効性と安全性を検証するステップであるため、順調に進めば近いうちに治療法として実用化されることでしょう。

今回資金調達を行ったセルージョンは、iPS細胞を用いた水疱性角膜症の治療法を開発しています。

水疱性角膜症とは、角膜の移植以外では失明を防ぐことができない疾患であり、全世界で1,300万人以上の待機患者が存在しています。

しかしながら、角膜提供ドナーが少ないこと、角膜移植手術に高度なスキルが必要とされることなどにより、角膜移植はわずか年間約18万件しか実施されていません。

セルージョンの治療法が実用化されれば、全世界1,300万人の患者が救われることとなります。

研究開発を伴うビジネスには多くの資金が必要となります。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなどを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ iPS細胞 セルージョン 再生医療 医療 株式会社 角膜移植 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

ライブ配信オンラインスイッチングサービス「WRIDGE」を開発する「TOMODY」とカーナビソフトなどのソフトウェアを提供する「ミックウェア」が資本業務提携
2023年8月8日、株式会社TOMODYは、株式会社ミックウェアと、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 TOMODYは、2023年中の正式リリースを目指し、ライブ配信オンラインスイッチング…
末梢性神経障害性疼痛を対象した治療薬を開発する「AlphaNavi Pharma」が6.1億円調達
2023年3月1日、AlphaNavi Pharma株式会社は、総額約6億1,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 AlphaNavi Pharmaは、治療抵抗性の疼痛疾患に対する非オピ…
ストレス可視化サービス「マインドスケール」提供の「Yume Cloud Japan」が資金調達
2022年7月7日、株式会社Yume Cloud Japanは、資金調達を実施したことを発表しました。 ストレス可視化サービス「マインドスケール」を開発・提供しています。 問診形式により得られる自覚デ…
コンテンツプロデュース事業などを展開する「Minto」が資金調達
2022年5月10日、株式会社Mintoは、総額約6億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、株式会社カカオピッコマと資本業務提携契約を締結したことも併せて発表しました。 Min…
エレベーター向けメディア開発の「株式会社東京」が3.6億円調達
2021年2月16日、株式会社東京は、総額3億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 エレベーター・ホールに設置するデジタル・サイネージ「東京エレビGO」を開発・展開しています。 完全…

大久保の視点

「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催
2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH…
(2024/3/19)
明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」
2024年3月13日(木)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第2回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2024/3/13)
Coral Capitalが虎ノ門ヒルズで「Startup Aquarium 2024」を開催。VCが大規模キャリアイベント
ベンチャーキャピタルのCoral Capitalが主催する「Startup Aquarium 2024」が2024年3月2日(土)に虎ノ門ヒルズで開催されま…
(2024/3/2)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】