注目のスタートアップ

植物由来のバイオマスプラスチック「PlaX」を製造・販売する「Bioworks」が資金調達

company

2021年10月11日、Bioworks株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。

生分解性とCO2排出削減効果の2つの特性を持つポリ乳酸を使用したバイオプラスチック「PlaX」を製造・販売しています。

また「PlaX」を活用した繊維「PlaX Fiber」の開発にも成功しており、提供を開始しています。

「PlaX Fiber」は、ポリ乳酸に独自の植物由来の添加物を加えることで、染色性や耐久性を向上させた、ほぼ100%植物由来の合成繊維です。

ポリ乳酸自体が抗菌・消毒・弱酸性などの機能性を持っています。単独での利用だけでなく、異なる素材と組み合わせて利用することもできます。

今回の資金は「PlaX Fiber」のさらなる研究開発や、設備の拡充、人材の獲得、製品・販路の拡大に充当されます。

現在、プラスチックの多くは石油由来の原料を使用しています。

この石油由来プラスチックは環境負荷が大きく、また資源にも限りがあるため、持続可能な植物由来プラスチックへの代替が進められています。

石油由来プラスチックの問題としては、微生物の働きによって分解されないことが挙げられます。

プラスチックのうちリサイクルされるものは約10%弱しかなく、約80%が埋め立てや自然界に投棄されており、2050年には海洋中のプラスチックが魚の総重量を上回るともいわれています。

そのため植物由来プラスチックには、微生物によって分解される「生分解性」という特性も求められています。

しかし生分解性という特性は、材料の耐久性・安定性とトレードオフの関係にあります。

石油由来プラスチックを完全に代替するためには、この耐久性・安定性の問題を解決しなくてはなりません。

また、石油由来製品としては、合成繊維を多く利用するアパレル業界のことも考える必要があります。

アパレル業界は、非常に多くの水と、多くのプラスチック素材を利用・海洋投棄しているため、環境汚染産業ランキングで2位であると指摘されています。

特にファストファッションは、安価に大量生産を行うため、ポリエステルやナイロンなどの石油由来の化学繊維を利用しています。

品質の低い化学繊維の服を洗濯する際、細かい繊維が下水に放出されているという報告もあり、ただリサイクルするだけではいけないということもわかっています。

この問題を解決するためには、麻や綿などの天然素材を利用すればいいのですが、価格や機能性の問題が生じてしまいます。

そのためアパレル業界では、化学繊維を完全に代替するような、機能性がありながら生分解性を持つ合成繊維が求められています。

研究開発系のビジネスでは、資金調達が成長に直結してきます。「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資してもらうためのノウハウや、クラウドファンディングの使い方など、創業期の資金調達について詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Bioworks PlaX PlaX Fiber バイオプラスチック プラスチック ポリ乳酸 合成繊維 株式会社 植物由来 素材 繊維 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」設立ガイド|手続きの流れ・必要書類・メリット・費用など
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
【初心者向け】事業計画書の書き方18ステップ|起業・融資対応テンプレート付
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

日本円ステーブルコインを取り扱う「JPYC」が資金調達
2024年2月13日、JPYC株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 JPYCは、日本円ステーブルコイン「JPYC」を開発・運営しています。 「JPYC」は、資金決済法に準拠し、第三者型前…
クラウド郵便サービスを展開する「atena」が「日本郵政キャピタル」と資本提携
2022年12月14日、atena株式会社は、日本郵政キャピタル株式会社と資本提携を行ったことを発表しました。 atenaは、クラウド郵便サービス「atena」や、エンタープライズ向けクラウド郵便サー…
施工現場の労務管理システム提供の「SHO-CASE」が2,000万円調達
2022年7月15日、株式会社SHO-CASEは、総額2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 SHO-CASEは、施工現場の労務管理システム「SHO-CASE」のβ版を2022年7月1…
独自冷凍技術により地域のパン屋と消費者をつなぐ「パンフォーユー」が6億円調達
2022年6月1日、株式会社パンフォーユーは、総額約6億円の資金調達を実施したことを発表しました。 パンフォーユーは、独自の冷凍技術とテクノロジーを活用し、個人向けパン宅配サービス「パンスク」や、法人…
中野晴啓氏による新たな資産運用会社「なかのアセットマネジメント」が6億円調達
なかのアセットマネジメント株式会社は、6億円の資本調達を実施することを発表しました。 引受先は、スパークス・グループ株式会社と、第一生命ホールディングス株式会社です。 また、これまで個人投資家等から約…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集