注目のスタートアップ

電子機器の放熱性の課題を解決する新素材「Thermalnite」を開発した「U-MAP」が3億円調達

company

2020年6月19日、株式会社U-MAPは、総額約3億円の資金調達を実施したことを発表しました。

名古屋大学 宇治原研究室(未来材料・システム研究所)の研究成果である繊維状窒化アルミニウム単結晶(「Thermalnite」)の社会実装により、電子機器の放熱性の問題の解決を目指す革新的材料ベンチャーです。

「Thermalnite」は、セラミックスや、樹脂・ゴムに添加することで、新しい機能を発現させられる革新的なフィラー材料です。

セラミックス複合素材は、産業用のパワー・モジュールや、光通信モジュール基盤に使用されています。放熱性を向上させるためには、セラミックス基盤の熱伝導率と機械特性のふたつの特性が必要となります。

「Thermalnite」を添加することで、既存のセラミックス基板よりも、このふたつの特性において同時に高い水準を実現することができます。

樹脂・ゴム複合材料は、スマートフォンや、PC、EV、5G基地局など、多くの機器に使用されています。

従来の樹脂・ゴム複合材料は、熱伝導率を向上させるために、軽さ・柔軟性といった特性が失われていました。「Thermalnite」を添加することで、樹脂・ゴム特性を保持したまま、さらに熱伝導率を向上させられます。

これにより、新たな成形方法での部品製造や、機能性材料のニーズの強い5Gなど次世代通信やEVなどに展開が可能となります。

今回の資金は、「Thermalnite」の量産化を見据えたパイロットラインの設計・稼働や、究開発(製造条件の最適化、構造制御等)、アライアンスの構築などに充当されます。

これまで新素材は製造業において革新をもたらしてきましたが、持続可能な社会の実現のため新素材の開発はより一層重要な要素となっています。

さらに、従来の新素材の開発プロセスは複雑で時間がかかっていましたが、AIや機械学習により、開発期間を短くすることが可能となったことも、新素材開発が活発になっている要因のひとつです。

研究開発系のビジネスでは、資金調達が成長に直結してきます。「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資してもらうためのノウハウや、クラウドファンディングの使い方など、創業期の資金調達について詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Thermalnite 材料 株式会社 研究 研究開発型ベンチャー 素材 繊維状窒化アルミニウム単結晶 資金調達 電子機器
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説
【2025年版】会社設立のやること・流れ・費用をチェックリストで完全解説
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

縦スクロール型デジタルコミックを制作する「トゥーンクラッカー」が4億円調達
2023年1月16日、株式会社トゥーンクラッカーは、総額4億円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、楽天グループ株式会社のCVC・楽天キャピタルなどです。 トゥーンクラッカーは、縦スクロ…
空き家所有者・地域・事業者・自治体をつなぐマッチングプラットフォームなどを手がける「空き家活用株式会社」が「オリエントコーポレーション」と資本業務提携
2023年7月27日、空き家活用株式会社は、株式会社オリエントコーポレーション(オリコ)と、資本業務提携に合意したことを発表しました。 空き家活用は、空き家活用データシステム「AKIDAS(アキダス)…
「Acompany」がデータ連携の課題を解決するプライバシーテックサービス「AutoPrivacy」をリリース
2022年4月13日、株式会社Acompanyは、「AutoPrivacy」をリリースしたことを発表しました。 Acompanyが提供する「AutoPrivacy」は、データコラボレーションの課題を一…
宇宙旅行の「PDエアロスペース」が5.6億円からさらに2.2億円調達。開発の行方は!?創業手帳・代表がさくっと解説。応援方法も紹介
必要資金も困難も、そして夢も桁外れな宇宙ビジネス。そんな宇宙ビジネスに挑戦するのが日本のPDFエアロスペース。今回の資金調達を、創業手帳がさくっと解説しました。 追加の資金調達! 2018年12月25…
NFT発行を中心にコミュニティ運営や演出を行う「Apas Port」が設立 2,350万円調達
2023年7月20日、株式会社Apas Portは、会社の設立と、2,350万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Apas Portは、NFT発行を中心にコミュニティ運営や演出を行う、Web3…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集