【2024年最新】ネットショップ開業の基礎知識!始め方から失敗を避けるポイントまで
ネットショップ開業を成功させるために手続きなど準備をしよう
ネットショップは、パソコンやタブレットを使って開業できます。実店舗を構えるよりも初期費用は少なく、遠方のお客様に商品を届けられる方法です。
しかし、開業準備の手順は意外と多く、知識がなければ難しいことは否めません。必要な許認可の確認をはじめ、開業までの手順を把握しておいてください。
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この記事の目次
ネットショップ開業の基礎知識
自分のお店を開業することに対して、店舗を契約したり人を雇ったりするなど、大がかりなイメージを持つ人は多いかもしれません。
しかし、ネットの発達によってネットショッピングが一般化したため、費用や負担を減らしてお店を開業できるようになりました。実店舗でかかるような家賃や光熱費をかけず、個人で小規模からスタートできる開業方法です。
ここでは、インターネットショップ開業を目指す人に知っていて欲しい基礎知識をまとめました。
ネットショップ開業のための費用
ネットショップの開業にはさまざまな費用がかかりますが、工夫次第でコストを抑えることができます。
主にどのような費用がかかるのか、種類ごとにみていきましょう。
出店やサービス利用にかかる費用
インターネット上にバーチャル店舗を構えるための費用です。既存の出店サービスを利用するケースが多く、大型のECモールであれば10万円ほどかかるサービスもあります。
同じサービスでも、プランによって価格が異なる点に注意しましょう。無料プランもありますが、制約がある点を理解して選ばなくてはなりません。
出店サービスを使わずにネットショップを用意する場合、サーバー利用料やWeb構築、ドメイン料などが必要です。これらには数十万から100万円ほどかかるケースもあるため、慎重に検討してください。
設備や備品にかかる費用
ネットショップを開業するのであれば、ネット環境の設備は大前提です。安定した回線の準備、パソコンやスマホといった機器が必要となります。
パソコンは安いものであれば数万円から手に入り、10万円以下でも選ぶことが可能です。すでに所有している機器を使うなら、開業費用を抑えることができるでしょう。
ネット環境以外にも、プリンターや在庫の保管スペース、梱包資材などさまざまな費用がかかります。
仕入れにかかる費用
販売用の商品を仕入れる費用も、開業にかかるコストとして見込んでおかなくてはなりません。何をどの程度の規模で売るのかで大きく変わりますが、基本は販売個数×原価で算出できます。
原価1,000円の商品を1カ月に100個売るのであれば、ひと月分で10万円です。自身の状況に合わせて計算し、用意しておきましょう。
モール型とASP型の違い
個人でネットショップをスタートする場合、既存の出店サービスを利用するのが一般的です。出店サービスは、モール型とASP型(アプリケーションサービスプロバイダ)に分けられます。
モール型とはショッピングモールに出店する要領で、大型通販サイトに自身のショップを構える形態です。代表的なモール型サービスには、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどが挙げられます。
一方でASP型は、ネットショップを開くための仕組みを提供するレンタルサービスです。基本的には独立した自社サイトを持つ形になるので、自由度が高く個人販売に向いています。
モール型は出店料が高くなるものの集客力に優れ、ASP型は価格競争を避けられるといった特徴があります。以下にそれぞれの違いを表でまとめているので、扱う商品や戦略によって適した方法を選んでください。
モール型 | ASP型 | |
特徴 | 大型通販サイトの中に出店する方法 | ECサービスをレンタルして通販サイトを構築する方法 |
月額利用料の相場 | 10万円ほど | 0~1万円ほど |
独自ドメイン | 利用できない | 利用できる |
デザイン | 制約が多い | 自由に設計できる |
集客 | しやすい | しにくい |
代表的なサービス | Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング | BASE、Shopify、Square、STORES |
ネットショップ開業のステップ6つ
ネットショップを開業するまでに、様々な手続きや用意しなければならないものがあります。ネットショップを開業するまでの基本的な流れを紹介します。
ネットショップ開業ステップ①商品やサービスの決定
ネットショップを開業する時、どのような商品、サービスを売るかが決まらなければ何も始められません。すでに店舗販売をしているのであれば決める必要はないかもしれませんが、まだ決まっていない場合には何を売るかを決めて事業計画を立ててください。
何を売るかを決めたら、次はどのようなコンセプトでショップを運営するか、ターゲットは誰なのかを決めていきます。コンセプトや他社と差別化できるポイントが定まっていない場合、ネットショップ開業計画自体がぶれてしまいます。
コンセプトを決めたら事業計画に落とし込みましょう。
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ネットショップ開業ステップ②販売できるかどうかの確認
商品やサービスが販売できるかどうか、法律やサービスの規約と照らし合わせて確認してください。法に触れてペナルティを受ける可能性もあります。
ネットショップで販売が禁止されているのは、薬物のように法律で販売に規制があるもの以外に、犯罪に利用される恐れがある銃や刀剣類、誰かの利権を侵害する模倣品などです。
ネットショップ作成サービスでは、利用規約に販売できない商品の記載があるので、開業前にチェックしてください。
ネットショップ開業ステップ③仕入先の選定
商品やコンセプトが決定したら、仕入先を選定します。ハンドメイドアイテムを販売するのであれば材料の仕入れについて決めておきます。
仕入先としてよく使われているのが仕入れサイトです。仕入れサイトは、問屋や卸、メーカーとの取引の仲介をしてくれるサービスです。工場やメーカーと直接契約する方法や、海外から仕入れる方法もあります。
在庫は最小限にして売れ残りを減らしたい、できるだけ安く仕入れて利益を取りたいなど事業者によって仕入先へのニーズは違います。
ネットショップの運営方針や雰囲気、コンセプトに合わせて最適な仕入れ方法を探してください。
ネットショップ開業ステップ④必要な届出や許可を確認する
ネットショップを事業として始める時には、開業届を提出します。また、開業届とともに青色申告承認申請書を提出しましょう。青色申告承認申請書を出しておけば、節税につながる大きな控除の恩恵を得られます。
取り扱う商品やサービスによっても、販売前に許可や届け出が必要です。
例えば、食品を販売するのであれば、食品衛生法に基づく営業許可を取得します。それ以外にも、事業として中古品を販売する場合は古物商許可証を取得しなければいけません。
以下では、届出が必要になる代表的な商材をまとめています。
食品を扱う場合
食品を扱う場合には、食品衛生責任免許や食品衛生法に基づく営業許可証が必要です。
必ず所轄の保健所に申請してください。輸入食品を扱う場合には、食品等輸入届出書を最寄りの検疫所に提出します。
酒類を扱う場合
ネットショップで酒類を扱う時には通信販売酒類小売業免許を取得します。ネットショップで販売できる酒類は限定されているので注意してください。
中古品を扱う場合
中古品を扱う場合には、古物商許可証が必要です。必要書類と手数料を用意して所轄の警察署で申請してください。
化粧品を扱う場合
化粧品は自社製造する場合と海外から輸入する場合で必要な手続きが異なります。
国内販売の場合は、化粧品製造業届出書と化粧品製造販売届出書を都道府県の保健所、または薬務課・薬事課に提出します。
海外から輸入する場合には、化粧品製造販売届出書とともに化粧品外国製造販売業者(外国製造業者)届出書が必要です。
ネットショップ開業ステップ⑤出店方法を決定
出店方法も開業するまでに決めなければならない項目です。モール型とASP型にはそれぞれメリット・デメリットがあります。
自分が提供する商品にどちらが合っているか、どのような方法であれば自分の商品を訴求できるかを考えて選びましょう。事業規模や費用対効果から考えるのも一手です。
以下では、ネットショップの出店方法についてそれぞれまとめています。
モール型ECサイトへ出店する
モール型ECサイトを使うメリットは、すでに知名度があるモール内に出店するため、集客しなくても多くのお客様に向けて商品やショップの魅力をPRできる点です。
しかし、モール型ECでネットショッピングするお客様は、自分のショップ以外もチェックしています。商品を訴求したとしても、他の似た商品や安い商品に流れてしまうかもしれません。
モール型であるためショップのデザインが似てしまい、他社との違いやブランドの個性をアピールしにくい点もモール型ECのデメリットです。
モール型ECサイトへ出店する場合には、どのような競合商品があるのか、自分が強みにできるポイントは何なのかまで戦略的に考えておきましょう。
ASP型ショップを構築する
ASP型と呼ばれるネットショップ作成サービスは、既存のモールに出店するのではなく、新規で自分のお店を構築できるサービスです。
オリジナルのショップを作成できるので、モール型ECサイトに出店するよりもお店のコンセプトを表現しやすくなります。モールのルールに影響を受けることもありません。
ASP型ショップを開く場合のポイントは、集客に対する施策です。基本的に自分で考えなければならず、モール型よりもハードルが高くなります。
無名の個人がネットショップを開業してもなかなか認知されないため、SNSなども活用してプロモーションする必要があります。
自社の専用システムを構築する
モール型やASP型といった既存のシステムを利用せずに、自社専用のシステムで構築する方法も選択できます。
自社専用のシステムを使うメリットは、デザインや機能面での自由度が高いことです。ただし、自社でシステムを構築できない場合は外注しなければならないため、コストは大きくなってしまいます。
初期費用だけでなくシステムを運用するランニングコストも発生するので、ある程度規模が大きい企業に適した方法です。
ネットショップ開業ステップ⑥必要な機材や体制を構築する
商品が準備できたら、ネットショップに必要な機材や運営体制を整えます。商品を届けるための宅配業者や決済サービスの契約などが例です。宅配業者や決済サービスは、モール型やASP型のネットショップ作成サービスを利用すると、契約に含まれていることもあるので確認してください。
お客様が希望する決済手段が用意されていないと購入を取りやめるケースもあるので、豊富な決済手段を用意することをおすすめします。
ネットショップの運営体制も開業までに決めておきましょう。適切な運営体制を敷くために、業務の範囲や種類を把握しておかなくてはなりません。ネットショップの業務は、商品開発やマーケティング、プロモーションといったフロント業務と、顧客対応や梱包、発送といったバックエンド業務に分けられます。
小規模であればひとりでも運営可能ですが、ショップが大きく成長したら各工程の業務を洗い出して、仕事を任せるスタッフを確保する必要があります。
ネットショップを開業するために必要なもの
ネットショップでは、商品以外にも必要な準備があります。忘れがちな各種機材や資材をまとめました。
パソコン・スマートフォン
ネットショップを運営するために、インターネット環境とパソコンやスマートフォンは必須です。顧客管理や注文処理には、必ずパソコンかスマートフォンを使います。
個人情報を扱う機会もあるので、各端末のセキュリティ対策は徹底してください。
撮影機材
ネットショップで成功するためには、掲載する商品写真が重要です。商品を撮影するためのカメラと、撮影するスペースを用意します。
商品を撮影するために照明や背景を整えた撮影スペースを作っておくと便利です。
プリンター
プリンターは、お客様に同梱する納品書や販促チラシを印刷するのに使います。宅配業者の送り状もプリンターで印刷可能です。
どういった場面で必要になるのかをイメージして必要なスペックを満たしたプリンターを選んでください。
梱包資材
商品を発送するためには、梱包資材が必要です。段ボールや解消材、ガムテープや紐取といったアイテムを用意します。
販促品
商品に同梱するチラシやお礼状といった販促ツールも、販売開始までに用意します。
ネットショップは対面ではなくオンラインでのやり取りがメインなので、販促ツールを使って新商品の情報や商品への想いを伝えてください。
ネットショップ開業で失敗しないためのポイント
比較的チャレンジしやすいネットショップでの開業ですが、継続して利益を出し続けるのは困難なことです。思わぬ失敗をしてしまい、利益の損失を招く恐れもあるでしょう。
損失のリスクを下げるのに役立つ、ネットショップで失敗しないためのポイントをまとめました。
助成金や補助金を活用する
ネットショップの開業後に資金面で厳しい場合には、利用できる助成金や補助金がないか調べてみてください。
例えば、ITツールを導入した時に使えるIT導入補助金や、販路拡大や業務効率化の取り組みに対して支払われる小規模事業者持続化補助金があります。
自治体によって独自の補助金を用意していることもあるのでチェックしてみてください。
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収支管理は正確にする
ネットショップ運営に必要な広告費やキャンペーン費用、仕入れ費用を確保するために収支管理は正確に行います。
収支管理のなかでも、売り上げの入金タイミングには気をつけておきましょう。ネットショップで売れた商品は、代金が入金されて手元に入るまでタイムラグがあります。
入金のタイミングによっては資金が不足してしまうので、正確な資金管理が必要です。
顧客に安心感と満足感を提供する
ネットショップは、直接お客様と顔を合わせることはありません。対面の接客以上に気を配らなければ、安心感や満足感を与えられない可能性があります。
お客様に安心感や満足感を得てもらえるように、商品の品質だけでなく、梱包や発送タイミング、問い合わせへの対応まで丁寧に接するようにしてください。問い合わせにはなるべく早く返信する、破損がないよう緩衝材をしっかりと使うといった対策が一例です。
在庫を増やし過ぎない
在庫を過剰に持っていると、商品が売れ残った時に経営を圧迫する原因となります。
赤字を避けるためにも商品が安定して売れるようになるまでは、受注生産や仕入れを最小にすることをおすすめします。
固定費を抑える
ネットショップの運営には、ECモールやASPの利用に伴う費用が発生します。基本となる月額利用料のほか、システム手数料や決済手数料などの細かい費用も想定されるため、正しく把握して固定費を抑えなくてはなりません。
ネットショップサービスそのもの以外にも、商品を保管する倉庫の賃料、配送に伴う配送料、商品を包む梱包資材代なども固定費の一部です。
固定費を抑えることは、無駄な支出を減らして利益率を上げるために重要な対策となります。ネットショップ運営にかかる固定費を洗い出し、厳選することで固定費を抑えておきましょう。
集客や離脱予防の対策を行う
ネットショップに人を集めるには、集客への施策を行う必要があります。SNSなどの無料で使える集客方法から始めると、リスクが低いのでおすすめです。利益が出始めたら、広告に投資するのも有効でしょう。
売り上げアップには離脱予防の対策も不可欠です。アクセス解析ツールを使えば、どのタイミングでお客様が離脱しているのかを調べられます。解析を行うことで離脱の原因を発見し、適切な対応を取ることが可能です。
お客様は画面遷移がわかりにくかったり、必要な情報が記載されていなかったりすると、離脱しやすくなります。購入ボタンや問い合わせボタンを見やすい位置に配置する、商品説明を細かく記載するなどし、離脱を防いで売り上げにつなげましょう。
スムーズにお買い物を楽しめるように離脱対策を行ってください。
炎上リスクに注意する
ネットショップはWeb広告やSNSと連携することが多く、その表現はネットユーザーの目にもとまりやすくなります。集客を目的に過激な表現や誇張し過ぎた言葉を使うと、炎上リスクが高まるため、十分な注意が必要です。
一度炎上すれば、ネットショップのイメージに大打撃となることは免れません。安定した運営に悪影響を及ぼすため、炎上につながるような発言や表現は避けるようにしましょう。
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まとめ・個人でもできるネットショップ開業!資金や届出などの準備を万端に
ネットショップを開業するまでには、商品の用意以外にも許認可の申請やショップの準備など多くの手順があります。
モール型やASP型といったネットショップ作成サービスの登場で、事業経験がなく知識や費用面での心配があっても開業しやすくなりました。
個人のフットワークの軽さを活かして出店準備を進めてください。
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(編集:創業手帳編集部)