ECサイト運営の仕事内容とは?必要な準備からスキル・費用を徹底解説!

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ECサイト成功への鍵!ユーザー目線でのマーケティングとサイト運営で顧客満足を最大化する作り方とは!

ECサイト運営は、消費者のニーズに応えるビジネスを展開し、競争力を高めるために欠かせません。この記事では、ECサイト運営の仕事内容とユーザビリティの高いサイト構築をメインに解説します。

ある程度の規模のあるECサイトの構築及び運営にフォーカスしていますが、個人事業主としてECサイトを立ち上げる場合でも、取り組むべきポイントは同じですので参考として下さい。

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この記事の目次

ECサイト運営の基本と仕事内容

ECサイト運営には、Amazonや楽天市場、ヤフーショッピングといった大手の既存ECサイトを利用する方法と、独自にECサイトを立ち上げる方法があります。

ここでは独自ECサイトの作り方と運営における一般的な方法を解説しますが、既存のECサイトにおいても参考できる内容となっています。

ECサイト運営の目的とは

ECサイト運営の目的は、オンライン上で商品やサービスを販売し、顧客に便利で迅速なショッピング体験を提供することです。

オンラインでの商品販売

オンラインでの商品販売により、企業は物理的な店舗に制約されず、24時間、広範囲の顧客にアクセスし、売上や利益を向上させることができます。
また、デジタル技術を活用し、効率的な在庫管理やプロモーション活動が可能になります。

顧客にとっては、自宅や職場から検索機能を利用して、簡単に目的の商品を見つけることができるため、ショッピングにおける利便性が向上します。

新規顧客獲得・既存顧客との関係強化

ECサイト運営では、既存顧客と新規顧客の関係強化が重要です。

新規顧客に対しては、SNSや検索エンジンによるオンライン広告の活用でターゲットへアピールし、クチコミやレビューを活用して信頼性を向上させることが有効です。

既存顧客にいては、定期的にニュースレターやプロモーション情報をメール配信し、コミュニケーションを維持します。その際には、顧客の購入履歴や興味にもとづいて、商品推奨や情報提供を行うと効果的です。

このような新規顧客獲得と、既存顧客との関係強化の両方をバランスよく行うことで、ECサイトの成長と持続的な成功が期待できます。

売上向上とビジネス拡大

オンライン販売の普及に伴い、競合他社との差別化が求められるため、独自のブランド戦略や特徴のある商品の創出が重要です。

また、使いやすいサイトデザインにより、快適なユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)を提供することが、顧客満足度を高めてリピーターの獲得につながります。

ECサイト運営における継続的な改善と革新により、企業はオンライン市場での地位を確立し、成長を続けることが可能です。

ECサイト運営の仕事内容

ECサイト運営の仕事内容は細かい作業も含めると多岐にわたりますので、ここでは4つの重要項目に絞って解説します。

マーケティング戦略の立案と実行

マーケティング戦略はECサイト運営の根幹をなすものであり、集客と売上に直接的な影響を及ぼすので、下記項目が重要なポイントです。

・ターゲット顧客の特定
売りたい商品やサービスに対して、最も関心が高いと思われる顧客層を特定し、そのニーズや購買行動を理解します。

・コンテンツマーケティング
魅力的なコンテンツを作成し、商品やサービスの価値を伝えることでターゲット顧客の関心を引きます。集客にあたってはブログ記事やSNS投稿、メールマーケティングなどの活用が有効です。

・広告運用
FacebookなどのSNSの広告プラットフォームを活用し、ターゲット顧客に効果的にアプローチします。その際、適切な広告予算配分やターゲティング設定が重要です。

・SEO対策
検索エンジン最適化を行い、自然検索での商品ページの表示順位を向上させ、流入を増やします。キーワード選定やコンテンツ改善がポイントです。

・データ分析
アクセス解析や広告効果測定を行い、効果的な施策の見極めや改善点の把握により、PDCAサイクルを回すことで効果があがります。

商品管理と在庫管理

ECサイト運営において、商品管理と在庫管理は重要な要素です。

商品管理では、商品情報の正確かつ魅力的な説明に基づく登録、顧客ニーズに応じた商品ラインナップの選定が求められます。
一方、在庫管理では、在庫状況のリアルタイム把握、需要予測に基づく発注、在庫効率の最適化により健全な収益の維持を図るのが一般的です。

これらを効果的に行うことで、顧客満足度向上やコスト削減、売上拡大が可能となり収益のアップにつながります。

ECサイトの在庫保管場所について、詳しくはこちらの記事を>>
ECサイトの在庫保管場所はどこにするべき?問題を解消する便利なサービスとは

サイトの構築や運営とカスタマーサポート

サイトの構築や運営とカスタマーサポートは、顧客満足度やリピート購入の向上のために重要な要素です。

サイトの構築や運営では、ユーザーフレンドリーなデザイン、高速なページロード、セキュリティ対策が求められます。

一方、カスタマーサポートでは、問い合わせ対応、クレーム対応、返品・交換手続き、アフターサービスをスムーズに行うことで、顧客ロイヤルティを上げリピーターの獲得に繋がります。

法務とコンプライアンスの確保

法務とコンプライアンスの確保は、企業の信頼性維持やリスク回避において重要です。

主要な法規制には、個人情報保護法や消費者保護法、電子商取引法、著作権法、輸出入規制、プラットフォームポリシーなどがあります。

これらを遵守することで、企業の信用力向上や長期的なビジネス発展に寄与し、法的リスクや罰則の回避が可能となります。

ECサイト運営のための準備

ECサイト運営の基本や仕事内容を理解したところで、この章ではECサイトを作り方と運営するための準備について説明します。

売れるための商品開発設計を行う

商品開発設計は、商品アイデアを設計と技術にもとづき、実際の製品に仕上げていく製造工程です。

競争力のある商品ラインナップを構築し、売上拡大に繋げるためには、製造前段階での周到な準備が必要ですので、そのポイントを解説していきます。

商品企画と売上目標設定

ECサイト運営における商品企画と売上目標設定は、オンラインショップの成功に不可欠な要素であり、下記の手順で行います。

  • 1.市場調査:ターゲット市場や競合他社を分析し、ニーズを把握
  • 2.商品選定:市場調査を基に売れ筋やユニークな商品の選別・企画
  • 3.商品企画:特徴(機能)、デザイン、価格、プロモーション戦略の決定
  • 4.売上目標:過去のデータや市場規模を考慮し、短期・長期目標を設定

上記に基づいて開発した商品の販売をECサイトで行い、プロモーション活動や在庫管理などの運営を行います。

定期的に売上データを分析し、目標達成の進捗を確認しながら、改善点や新たな販売機会を見つけるために、継続的に戦略を見直すことが大切です。

ターゲット市場の選定

ターゲット市場選定は、ECサイト運営の成功への重要なステップです。

選定においては、市場規模調査、市場成長率分析、競合状況把握、ターゲット顧客特定などを見ていくことで判断します。
ケースによっては、地域性や文化を考慮し、法規制を調査して対応策を立てることが必要です。

このようにして、適切な市場選定で競争力を発揮し、売上拡大を実現します。

ターゲット顧客分析

ターゲット顧客分析は非常に重要なため、市場選定の段階において徹底的に行います。

分析においては、顧客層特定、顧客ニーズ把握、価値観理解、購買行動分析、顧客セグメント作成、競合分析がポイントです。
分析結果に基づいて顧客属性を特定し、ニーズや悩みに応える商品を企画します。そして、属性の価値観やライフスタイルを理解し、購買行動や決定要因を分析することが、プロモーション戦略の立案につながるのです。

このようにターゲット顧客分析により、顧客期待に応える商品開発と効果的なマーケティングが可能になり、ECサイトで顧客満足度向上と売上拡大が実現します。

売れるECサイトの構築

ここでは、ECサイトの作り方にいおける、必要な要素とポイントをみていきます。

サイトデザインとユーザビリティ

サイトデザインはECサイトの印象やユーザビリティ(使いやすさ)に影響し、魅力的なデザインで顧客の興味を引きつけ、利便性でブランドイメージの向上を可能にします。
ユーザビリティのポイントは、下記の通りです。

・シンプルでわかりやすいデザイン
・使いやすいナビゲーション
・高速で快適なページ読み込みスピード
・明確な商品情報
・ショッピングカートの使いやすさ
・安全な決済方法
・モバイル対応されたレスポンシブデザイン

これらの要素を取り入れることで、ECサイトのユーザビリティを向上させ、顧客満足度を高めることができます。

ECサイトの作り方について、詳しくはこちらの記事を>>
ECサイトの作り方は?知識がなくてもできる簡単な作り方や運用方法をまとめました

セキュリティ対策

ECサイトのセキュリティ課題には、顧客情報の漏洩や不正アクセス、クレジットカード情報の盗難などがあり、これらに対処して信頼性を高めることが重要です。

具体的には下記のような対応を行うことで、顧客からの信頼を獲得して安心して取引が行える環境を提供することができます。

・安全性を確保:SSL証明書の導入による通信情報の暗号化
・顧客情報保護:パスワードポリシーによる強力なパスワードの設定
・情報漏洩を防止:データ暗号化
・アクセス制限:顧客情報へのアクセス権限を厳密に管理

カスタマーサポートの重要性

カスタマーサポートでは、適切な対応ポリシーとマナーが重要で、迅速かつ丁寧な対応で顧客の信頼を築くことが求められます。

顧客が利用しやすいサポートチャネルを提供し、FAQやヘルプセンターを整備することで自己解決を促すのが効率的です。

その上で、問い合わせ内容の分類と優先度付けを行い、重要度や緊急度に応じて効率的に対応することで、迅速かつ一貫した対応が可能になります。

さらに、顧客のフィードバックを真摯に受け止め、サービス改善に活かすことで、顧客満足度を高めることが可能です。

ECサイト運営チームの構成

ECサイトの運営には、各タスクで必要とされるスキルを持ったスタッフによる運営チームの構成が不可欠です。この章では、運営チームの仕事や役割、必要な人材について詳しく見ていきましょう。

運営チームの仕事内容と役割

運営チームの役割は、ECサイトの戦略立案、商品管理、マーケティング、サイトデザイン・開発、顧客対応、法務・コンプライアンスの確保など、ECサイトの運営に関わる様々な業務を効果的に行うことです。
そして、チームの目標は、サイトの利益と成長を最大化し、顧客満足度を高めることです。

必要なスキルと人材の求人採用

ECサイト運営に必要なスキルと人材には、以下のようなものがあります。

・オンラインで販売する商品の企画から開発までを担う担当者
・商品管理や在庫管理に精通した担当者
・デジタルマーケティングのスキルを持ったマーケター
・サイトデザインや開発に関する知識を持ったウェブデザイナーやエンジニア
・カスタマーサポートの経験を持つ担当者
・法務やコンプライアンスに詳しい専門家

自社内で対応できない場合は、求人活動によって優れた運営チームを構成するといいでしょう。

ECサイトへの集客方法

ECサイトを構築しても、肝心の顧客の訪問がなければ、ビジネスは成り立ちませんので、この章では、ECサイトへの集客方法について解説していきます。

プロモーション活動による集客

ECサイトへの集客においては、様々なプロモーションを行うことが必要です。

特に、ECサイトでは、インターネットの環境や特性を活かすことができますので、ここでは、その効果的な手段について紹介します。

広告戦略の立案作成

広告戦略の立案では、ターゲット顧客に効果的にアプローチするための広告活動を計画します。そのためには、下記のような要因を考慮し効果的な広告戦略を立案しましょう。

・広告の目的(認知度向上、購入促進など)
・広告媒体(オンライン広告、テレビ、新聞など)
・予算や期間、広告クリエイティブの方向性

また、適時に広告効果を分析し、戦略の最適化も行うことが重要です。

SNSマーケティング

SNSマーケティングでは、ターゲット顧客が利用するSNSプラットフォームを選定し、投稿や広告、インフルエンサーとのコラボレーションなどを通じて、ブランドや商品の認知度を向上させます。
SNSを活用して顧客とのコミュニケーションを図り、信頼性や顧客満足度を高めることもマーケティング活動において有効です。

セールやキャンペーンの企画

セールやキャンペーンの企画においては、目的を明確にし効果を決定してターゲットを決め、適切な顧客層にアピールします。

方法としては下記のようなものがあり、季節やイベント、在庫状況に応じてタイムリーに実施することで、商量拡大を図ることが可能です。

・タイムセール
・数量限定セール
・期間限定商品キャンペーン
・クーポンキャンペーン
・ポイント還元セール
・ギフトキャンペーン
・クリアランスセール

ECサイトのデータ解析と最適化

ECサイトの運営において、プロモーションなどの施策の効果を図るのが、データー解析であり、それに基づく最適化が重要となります。

アクセス解析の重要性

アクセス解析により、ユーザーの行動や購買パターン、サイト内の流れなどを把握することで、ECサイトの現状分析と将来の方向性を決めることが可能です。

これにより、顧客ニーズに応じた改善やマーケティング施策を実施できるだけでなく、効果測定や戦略の最適化にもつながります。

データ解析ツールの活用

「Google Analytics」や「Adobe Analytics」などのデータ解析ツールを活用することで、リアルタイムでデータを収集・分析することが可能となり、アクセス解析や顧客行動分析がより簡単になります。

データ解析ツールの分析に終わらず、A/Bテストを行いウェブサイトの最適化やコンバージョン率向上に努めることも重要です。

KPI設定と目標達成のための施策

KPIはKey Performance Indicatorの略で、ビジネス目標を達成するための重要な指標です。

ECサイトの運営においては、売上、新規顧客数、リピート率、コンバージョン率などのKPIを設定し、目標達成に向けた施策を立案します。

施策の実施後も定期的にKPIを分析し、目標に対する進捗を確認しながら、施策の最適化や改善を行っていくことでECサイトでの売上拡大につなげましょう。

ECサイトの商品管理と在庫管理


ECサイトにおける商品管理と在庫管理は、販売活動をスムーズに進める上で重要なタスクです。この章では、それぞれの内容について詳しく見ていくことで、理解を深めていきましょう。

商品情報の整理と登録

商品管理では、ECサイトにおいて出品する商品の情報を的確にアレンジすることが重要です。

商品情報の重要性

商品情報は、顧客が商品を購入する際の判断材料となる重要な役割を持っています。
詳細かつ正確な商品情報を提供することは、顧客は自分が求める商品を見つけやすくし、購入意欲を高めるのに効果的です。

また、商品情報の品質が高いほど、返品やクレームのリスクの低下につながります。

商品登録の流れ

ECサイトにおける商品登録の流れは、以下の通りです。

  • 1.商品情報の収集: 商品名、価格、仕様、画像、在庫状況などの情報整理
  • 2.商品カテゴリの設定: 適切なカテゴリーへの商品分類
  • 3.商品情報の入力: ECサイトの管理画面での商品情報登録
  • 4.登録内容の確認: 商品ページが正しく表示されるかの確認

効果的な商品説明文の書き方とSEO対策

効果的な商品説明文を書くためには、以下のポイントに注意が必要です。

・読みやすさ: 簡潔でわかりやすい文章と適切な改・箇条書きにより視認性を高める
・詳細な情報: 商品の特徴や利点、使用方法などの具体的記載
・SEO対策: 適切なキーワードの商品説明文への盛り込み
・強調ポイント: 商品の魅力や独自性の強調による競合他社との差別化

在庫管理のポイント

在庫管理は、ECサイトの運営を円滑にすすめる土台であり、これをしっかり運用することで、顧客へ快適に商品を届けることができます。

在庫管理の重要性

適切な在庫管理を行うことで、商品の品切れや在庫過剰による機会損失を防ぎ、顧客満足度を維持・向上させることができます。

在庫管理によって資金繰りや収益性の向上も図れます。

在庫管理システムの導入

在庫管理システムを導入することで、在庫状況の把握や在庫調整が容易になり、効率的な在庫管理が可能です。

システムによっては、自動で在庫の補充や発注を行ったり、在庫状況に応じて価格設定を最適化する機能も提供されている場合があり、作業の効率化が図れます。

売れ筋商品の分析と対応

売れ筋商品を把握することで、適切な在庫量を確保できるだけでなく、マーケティング戦略の見直しや新商品開発の参考にもなります。

売れ筋商品の分析を行い、需要に応じた在庫調整やプロモーション活動を実施することで、ECサイトの売上向上につなげることが期待可能です。

商品の発送と返品対応

商品発送と返品対応は、顧客満足に直結する重要な業務です。

発送業者の選択

発送業者の選択は、顧客満足度や運営コストに影響を与える要因なので、信頼性の高い業者を選択し、迅速かつ安全な商品の発送が求められます。

また、配送料金や発送オプションのバリエーションを考慮し、顧客ニーズに応じた業者を選ぶことが望ましいです。

迅速な発送対応

迅速な発送対応は、顧客満足度を高めるために重要なので、注文が確定したらすぐに商品の手配を行い、発送までの時間を短縮することが求められます。

配送状況の追跡情報を顧客に提供し、透明性を保つことも顧客の安心につながります。

返品対応のポリシーと対応方法

返品対応のポリシーは、ECサイトの信頼性や顧客満足度に影響を与えるので、明確で分かりやすい返品ポリシーを設定し、顧客に周知させることが重要です。
返品対応においては、迅速かつ丁寧な対応が求められ、返品理由や状況に応じて適切な処置(返金、交換、クレーム対応など)を行うことが必要です。

返品に関するデータを分析し、商品やサービスの改善に活用することで、返品率の低減につなげることができます。

ECサイト運営時の法務とコンプライアンス


近年ではECサイト利用が右肩上がりに増加しているため、法的な配慮をしっかり行うことで、顧客の信頼を得ることが大切です。

消費者保護法の理解と対応

ECサイトで商品を購入する際に、顧客が一番気になるのは商品の信頼性や、販売サイトの信用性でしょう。

特に初めてのECサイトで購入する際は、慎重になるのは当然で、ECサイトの運営上、消費者保護法への対応は、顧客を安心させるために欠かせません。

関連法規の把握

消費者保護法や電子商取引に関連する法規を把握し、遵守することがECサイト運営において重要です。

不適切な取引や広告が行われないように注意し、違反による罰則や損害賠償を回避するために、関連法規の最新情報を定期的にチェックしましょう。

販売契約の明示

ECサイトでは、販売契約の内容を明確にし、顧客にわかりやすく提示することが必要です。

利用規約やプライバシーポリシー、配送・返品に関するポリシーなど、重要な契約内容を明示することで、トラブルを未然に防ぎ、顧客との信頼関係を築くことができます。

クーリングオフ制度とその適用

クーリングオフ制度とは、消費者が一定期間内に契約を解除できる制度のことです。

ECサイトでは、対面販売と異なり、クーリングオフ制度の適用が限定的ですが、適用される場合には適切に対応する必要があります。

制度の適用範囲や手続きを把握し、顧客に適切な情報提供とサポートを行いましょう。

個人情報保護法の遵守

ECサイトでは、住所、氏名、電話番号やクレジット番号など、顧客の大切な個人情報を扱うため、法律に従う必要がありますので、そのあたりの情報を詳しく説明します。

個人情報保護法の概要

個人情報保護法は、個人情報の適切な取り扱いを定めた法律で、ECサイト運営者はこれに従って顧客の個人情報を保護する必要があります。

主な目的は、個人の権利と利益を保護し、個人情報の適切な取り扱いを確保することです。

個人情報の取り扱いポリシー

運営者は、個人情報保護法に基づき、以下のような取り扱いポリシーを策定し実行する必要があります。

・個人情報の収集目的を明確にし、その目的の範囲内で使用する
・収集した個人情報の適切な管理と保護を行い、漏洩や不正アクセスを防止する
・個人情報の提供や委託先に対しても、適切な管理を求める
・本人の同意なしに、個人情報を第三者に提供しない

プライバシーポリシーの作成と公開

プライバシーポリシーは、ECサイトで取り扱う個人情報に関するポリシーをまとめた文書です。運営者は、プライバシーポリシーを作成し、顧客に対して以下の内容を明示する必要があります。

・個人情報の収集目的
・収集する個人情報の種類
・個人情報の取り扱い方法や管理体制
・本人の権利(開示・訂正・削除等)に関する手続き

ECサイト運営に必要な費用

最後の章では、ECサイト運用における費用について解説します。
独自ECサイトを開設するには、初期費用を含め、定期的に発生するものや、利用量に応じて発生するものがありますので、そのあたりを見ていきましょう。

ECサイトの開設費用

ECサイトはインターネット上へショップを出店することになりますので、初期段階で以下のような費用が必要となります。

ドメイン取得費用

ドメイン取得費用は、ウェブサイトのアドレスを確保するための費用で、ドメイン名や種類によって異なります。

一般的に月額数千円から取得可能であり、レジストラ(※)によって費用が異なるため、複数のレジストラを比較し、適切なサービスと費用を見つけることが重要です。

通常、年単位でまとめて支払うことで割引が適用されるので、適切なドメイン選択と維持費用を考慮して運営費用を見積もりましょう。

※レジストラ:ドメインを登録する事業者

サーバー費用

ECサイト運営におけるサーバー費用は、データをホストしアクセス可能にするために必要です。

サーバータイプには共有サーバー、VPS、専用サーバー、クラウドサーバーがあり、費用はタイプやプランにより異なります。
共有サーバーは安価ですが他社などの使用量の影響を受けやすく、VPSは性能とセキュリティが向上し、専用サーバーは高い性能とセキュリティが確保されますが、費用は高目です。
クラウドサーバーは柔軟性が高く使用量に応じて課金されます。

ECサイトの規模や要件に応じてサーバーを選び、運用や管理のサポートも考慮しましょう。

ECサイトの運用費用

ECサイトを実際に運用していく上では、以下のような費用が発生するのが一般的です。

システム管理費用

ECサイト運営におけるシステム管理費用は、システム維持・運用に必要な費用で、開発費、プラットフォーム利用料、SSL証明書費用、システムアップデート費用、バックアップ・障害対応費用、人件費が含まれます。

費用はECサイトの規模、機能、運営体制によって異なり、システム開発費以外の、SSL証明書費用やシステムアップデート費用は定期的に発生することがあります。

広告費用

ECサイト運営での広告費用は、新規顧客獲得やブランド認知度向上を目的に投資され、その金額は広告手法によって異なるのが一般的です。

すでに説明しました通り、主な手法には検索エンジン広告(SEM)、SNS広告、ディスプレイ広告、コンテンツマーケティングがあります。

広告費用は予算や広告戦略に応じて変動し、効果的な広告運用で最適な手法を選択することが重要です。

検索エンジン広告やSNS広告は数千円から数十万円、ディスプレイ広告やコンテンツマーケティングは数万円から数百万円程度かかります。

ECサイト規模やターゲット顧客を考慮して広告費用を配分することが大切です。

ECサイト運用のための人件費

ECサイトを効率的に運用するためには、スタッフの存在は欠かせず、以下の通りの費用が発生するのが一般的です。

社員の給与

ECサイト運営での社員給与は、運営スタッフの報酬に関わる費用で、職種、経験・スキル、地域、企業規模などの要素によって異なります。

新卒入社時は年収300万円~400万円、経験者は年収400万円~800万円が目安です。

契約業者費用

ECサイト運営での契約業者費用は、外部業者や専門家へのサービス依頼に関する費用で、開発や制作費用、継続的な運用費用、成果報酬型などが発生します。

適切な業者を選び、コストパフォーマンスに優れたサービスを利用することが、ECサイト運営における重要な運営費用管理のポイントです。

まとめ

今回の記事では、ECサイト運営に関する情報と作り方を詳細に解説しました。

コロナ禍ではECサイトでの商品購入の利便性が大きく注目され、一度、認知された有益なサービスは今後も成長が期待されます。

ECサイトの運営に興味を持たれた方は、この記事を参考にぜひ取り組んでみて下さい。

創業手帳では、数多くの起業家に対するコンサルを行っており、弊社冊子の創業手帳(無料)は発行数月1.5万部、累計200万部を突破する勢いで成長しています。
ECサイト運営に携わる起業家のインタビュー記事や専門家による有益な情報も掲載しています。ぜひ参考にしてみて下さい。

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(編集:創業手帳編集部)

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