新型コロナで特例ー休業した労働者に「みなし失業」を活用した給付金制度を新設?

創業手帳

厚労省が新設する新型コロナ特例制度のベースとなる「みなし失業」について解説します

みなし失業給付

(2020/06/29更新)

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の感染拡大防止として行われていた休業要請によって、社員やスタッフ、アルバイトへの給与支払いに頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

緊急事態宣言が解除された現在においても、お店へ足を運ぶ人が常通りに戻るのはいつになるのか先の読めない状況が続いています。

厚生労働省では、新型コロナの影響によって休業した方を対象に、休業前の賃金の80%を休業日数に応じて支給する新たな制度を発表しました。

東日本大震災の際にも被災地で導入した「みなし失業」の仕組みを活用することになります。

今回は、新たな制度のベースとなっている「みなし失業」について解説します。

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「みなし失業」の仕組みとは?

みなし失業の手順
「みなし失業」は、東日本大震災の際に大きな効果を発揮しました。

当時、厚労省は地震と津波によって事業が休止している事業所の従業員に対し、実際には失業していない状態でも、特例措置として失業手当を給付したのです。

みなし失業の申請は、下記の手順で行われていました。

  • 事業主がハローワークに休業証明書を提出
  • 事業主が従業員に「休業票」を交付
  • 従業員が「休業票」をハローワークに提出

手続き方法は非常に簡単で、災害の影響によって事業所が倒壊しており、離職手続きができない場合(必要書類が用意できないなど)でも、柔軟に対応していたようです。

今回の新型コロナによる新制度でも、こういった手順で柔軟に実施していく可能性が高いでしょう。

「みなし失業」を利用する背景

雇用を守るための制度として、企業が従業員に休業手当を支払う「雇用調整助成金」があります。

しかし、この制度を利用するためには複雑な手続きが必要となり、企業や店舗側からの申請は進んでいないのが現状です。従業員は企業や店舗任せになってしまい、休業手当がもらえないという事例も増えてきています。

また、支給までに時間がかかるのもデメリットで、制度が活かされていないという現状もあります。

そこで政府は、「みなし失業」の制度を使うことによって、企業や店舗といった組織の対応を待つことなく、個人で申請できないかと考えたのです。

みなし失業は、企業や店舗にとってもメリットがあり、従業員への支払いができなくても雇用を維持することができます。

とくに、立場が弱い非正規雇用の従業員は、雇い主に対して休業補償の交渉をすることなく「泣き寝入り」せずに、自分で生活を守ることができるようになります。

新型コロナが落ち着いたときに職場復帰することもできるため、金銭面だけではなく精神面でも安心できる制度といえます。

「みなし失業」のデメリット

みなし失業のデメリット
みなし失業の制度を利用する際には、注意しなければならない点も存在します。

個人で申請できるからこちらは支払わなくても大丈夫」と考える雇い主が増える可能性があることです。雇用を守ならければいけないというプレッシャーから解放され、立場が弱い従業員に対して何も対応しないということが考えられるのです。

「みなし失業」が認められる場合をよく理解し、雇用調整助成金とみなし失業のバランスをどのように保っていくのかを考える必要があります。

「みんなのコロナ対策アンケート」から分かるー新型コロナの影響とは?

みんなのコロナ対策アンケート
創業手帳ではメールマガジン会員を対象に、新型コロナウイルス感染症による影響や対策について、アンケートを実施しました。起業家の方の本当の声が多数寄せられました。

介護事業です。利用者様がヘルパーさんからうつると困るので、とのことでキャンセルが相次いでいます。

【みんなのコロナ対策アンケート結果】新型コロナの影響と対策をご紹介!より引用

新型コロナで亡くなる割合は高齢者の方が多くなっています。介護を受けている高齢者の方は、他の高齢者の方からウイルスをもらう可能性があるのでは?と不安な日々を送っています。

介護職員は高齢者の方に寄り添って仕事をしているので、利用者からすると介護職員との接触はできるだけ避けたいと考えるようになります。

介護事業はストップさせるわけにもいかず、新型コロナ対策に気を張りながらもキャンセルをする利用者が増加しているという現状があります。

飲食店舗(居酒屋)も経営しています。4名様以上の来客が極端に少なくなりました。宴会需要もなく困り果てています。

【みんなのコロナ対策アンケート結果】新型コロナの影響と対策をご紹介!より引用

飲食店にとって、4月は歓迎会による宴会需要が期待される時期になります。宴会がなくなってしまうことで、想定していたお店の売り上げは大きく落ち込みます。

新型コロナの影響でお店を閉める決断をした起業家の方もいらっしゃいました。

今後は、新型コロナの脅威と共存していく形で、事業運営を行っていくこととなるでしょう。

まとめ

今回のみなし失業をベースとした新たな制度は、早ければ6月、遅くても7月中には申請受付を開始すると発表されています。

新型コロナの影響で休業を余儀なくされた期間がある方は、ニュースなどで動向を確認しておくようにしましょう。

創業手帳では、税理士や弁護士など専門家の紹介も行っています。専門家に相談を考えているが、誰に相談したら良いのか分からない方はぜひご活用ください。

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(編集:創業手帳編集部)

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