後悔しないための創業メンバーの持ち株比率の決め方

会社の未来をイメージしてよく考えることが大事!代表者は1人に絞るとスムーズ

(2020/04/14更新)

起業する際に、創業メンバーの間で株式を持ち合うことは一般的に行われていることです。その時に慎重に考えなければいけないのが、それぞれの持ち株比率についてです。持ち株比率は、今後会社をどう成長させていきたいかという展望と密接に関わり合っています。

もし起業後に出資や資金調達を受けることを検討しているならば、その後の資本政策について考えておくのも大事なポイントです。

では、創業メンバーの持ち株比率はどのように決めればいいのでしょうか。今回は、持ち株比率ごとのメリットやデメリットをお伝えいたします。

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持ち株比率に応じて行使できる権利が違う

まずは、どれくらい株を持っていればどのような権利が得られるのかを見ていきましょう。

1株以上 議事録の閲覧や、株主代表訴訟を起こす権利が発生します。また、議案の請求権も生じるようになります。
1% 株主総会における議案を提出できる権利が発生します。総会の検査役を選任する請求を出す権利も生じるようになります。
3%以上 株主総会の招集や、会社の帳簿など経営資料を閲覧する権利が発生します。また、役員を解任させる請求を出すことも可能となります。
10%以上 訴えにより、会社の解散を裁判所に対して請求できる権利が発生します。
1/4以上 重要事項の特別決議を単独で阻止できる権利が発生します。具体的には、定款変更、監査役解任、自己株式の取得、募集株式の募集事項の決定、事業譲渡、合併・会社分割など組織再編などを阻止することができます。
1/3以上 監査委員会 委員会設置会社での業務の「外部監視」機関。(ほかに指名・報酬委員会)
1/2以上 株主総会の普通決議を単独で阻止することが可能となります。取締役や監査役などの報酬の変更や解任、剰余金の配当といったことを単独で可決できる力を持ちます。
2/3以上 株主総会の特別決議を成立させることが可能になります。取締役の解任、定款の変更、合併や解散、分割、他社への事業譲渡など、その権利の及ぶ範囲は非常に広いものです。特に、事故株式の所得の関する事項についての決定権は大きく、募集株式の募集要項の決定も可能となります。また、会社経営に関する重要なファクターを単独で可決することができます。
100% すべての事柄において、自分の意志で決定することが可能です。

このように全体に対して何割持っているかによって、行使できる権利がかなり違うことが分かりますね。これを踏まえて創業メンバー間の持ち株比率を検討しましょう。

株式を分散させるメリットとデメリット

では、株式を創業メンバーで分散して持つメリットはあるのでしょうか?

まず考えられるのは創業メンバー間に公平感が生まれ、仕事を進める上での軋轢が出にくいことが挙げられます。

特に、全員の持ち株比率を均等に設定するということであれば、行使できる権利は全員同じとなります。

そのため、メンバーの誰かがもし会社の経営をぐらつかせるような方向性に舵を取ろうとしても、他のメンバーの抑止力が働くので未然に防ぐことも可能となるのです。

全員の業務に対する実行度が均等で、力のバランスも同じくらいという場合には、株を均等に分散させておくのも1つの考え方です。

ただし、権利の平等性だけを理由に、安易に持ち株比率を決めてしまうのは避けておくべきでしょう。創業メンバー同士で持ち株比率を均等にするということは、意思決定の軸となる人物が誰なのか明確にせず事業がスタートするということになりかねません。

実際の経営権を誰に持たせておきたいかについて決めておく必要が出てきます。

代表者は初めの段階で明確にしておく

創業メンバーが複数いたとしても、代表となる人間は1人に絞り込むのが経営をうまくいかせるコツです。そして、代表者の持ち株比率は、できればほかのメンバーより多くしておくのがよいでしょう。
極端な話ですが、会社についての全責任を負う立場である代表者の持ち株比率が仮に1/2以下であれば、他の人の意志で代表を解任されてしまうという可能性もあります。

名の知れた大企業であっても、株式保有者である親族間の不仲や、社内派閥を原因とした争いはよく聞きますね。こうした問題が起きた場合、自分が代表だったとしても、持ち株比率が低いと自分の思うように動かせず、経営方針が全く違う人により変えられてしまうこともあり得ます。
そうさせないためにも、代表者が高い持ち株比率を有しておくことの意味は大きいのです。

1/2以上の持ち株比率があれば、取締役などを解任させる権利も持てるので、一定の経営権は確保できるということに繋がります。

さらに、安心して会社経営を行い代表者の不利益にならないようにするには、2/3以上の持ち株比率が理想的です。

特別決議を成立させられるということは、いざという時には会社に関わるほとんど全てを自分1人で決定できるということになります。

出資や資金調達を受ける場合は注意も必要!

事業を始めるために、もしくは発展させるために、出資を受けたり資金調達をするのは重要なことです。

しかし、受ける出資・資金調達の割合が増えていきそうな場合は、持ち株比率について改めて考え直しておく必要があります。
それは、出資を受けることによって伴う新株の発行等を原因として、発行済みの株式総数が増加し、1株当たりの価値が低下してしまう可能性があるからです。

例えば、創業時に代表者に株の2/3を集め、それ以外のメンバーに残りの1/2を振り分けた場合を考えてみましょう。
経営に対して行使できる権利は、あくまでも全体に対する持ち株の「比率」によって決まるという点が重要です。

資金調達を受ければ、その投資家へ新しい株を発行しなければいけません。

代表者をはじめとした創業メンバーの持っている株の数は変わらないので、創業メンバーが全体の株の何割を所有しているか、という「比率」が変わる可能性がほとんどです。

つまり、気が付いたら代表者の持ち株比率が2/3を切っていた、という事態が発生します。

そうすれば当然行使できる権利内容も変わり、代表者1人の意志では特別決議の成立が出来なくなる、といったことも起こってしまうのです。

結果、「代表者に2/3以上の持ち株比率を集めておく」という目標が達成されなくなり、経営権が危うくなるリスクがあります。

これを「株式の希薄化」「ダイリューション」と呼び、資金調達の際に特に慎重に進める項目として知られています。

こうしたリスクを年頭に置き、創業メンバーの持ち株は誰に集めるのか、もしくは分散させるのか、どれくらい出資や資金調達を受けるのかということを決めていく必要があるでしょう。

まとめ

起業する際に創業メンバーごとの持ち株比率をどう決めるかということは、会社の舵取りの方向性を左右すると言っても過言ではありません。

代表者に寄せるにしても、分散させるにしても、安易に決定せずよく考え抜くことが重要です。

どの程度の持ち株比率を有していればどの程度会社に対して行使できる権利があるのかを正確に知り、自分たちが希望する持ち株のボーダーを考えておくことがポイントとなります。

特に、創業メンバーが経営権を握っておきたい場合には株の希薄化のリスクを考えておくのも、会社を経営する上で重要でしょう。

自分の会社を今後どういう形で発展させていきたいかという展望と照らし合わせ、後悔のない選択をするよう、創業をする最初の段階で慎重になっておきたいですね。

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