起業するときに必要なお金の話

創業手帳

会社設立費から運営費まで、実際はいくらかかる?

(2018/10/03更新)

いざ起業を志したとき、一番の不安要素になるのが「お金」のことだと思います。いくら事業のビジョンがしっかりしていても、必要な費用が準備できなければ、起業することはできません。

今回は、これから起業、とくに会社設立を考えている方に向けて、実際に必要な費用について具体的にご紹介します。将来計画の参考にしていただければと思います。

本文を読む

起業の手続きに必要なお金

まずは、会社設立にあたって必要なお金についてまとめます。個人事業主やフリーランスとして開業するのとは違い、会社設立には一定の費用がかかります。必要な費用は、会社形態によっても変わります。

株式会社の場合

まず、会社形態として一般的な「株式会社」の場合。ざっとまとめると、「約25万円+資本金」が、かかります。

法定費用(必ず必要な費用)の内訳は、以下のとおりです。

  • 登録免許税:15万円か、資本金の0.7%の額のどちらか高い方
  • 登記時に必要な謄本手数料:約2,000円(1ページ250円)
  • 公証人に払う、定款認証手数料:約5万円
  • 定款に貼る印紙代:4万円 (※電子定款認証を行う場合は、この費用は不要)

さらに、株式会社の場合は「資本金」を準備する必要があるので、その点も押さえておきましょう。資本金は1円からでも設立できますが、会社の運営や社会的信用のことを考えると、一定額は準備するほうが無難です。額は事業によって違いますが、資金調達などを検討している場合、銀行から見えるお金として、100万円ほどは必要だ、とも言われています。

さらに上記に加えて、

  • 会社の実印作成代
  • 個人の印鑑証明書取得費
  • 登記簿謄本の取得費

などの雑費が合計1万円程度かかると考えてください。

また、会社設立を専門家に依頼する場合は、別途その費用がかかります。専門家によっても違いますが会社設立だけのスポット業務を依頼する場合(司法書士に依頼・大体25万円~30万円が相場)と、税理士の顧問契約(会社設立+年間顧問料で大体50万円ほど)と合わせて依頼する場合とでは、費用も大きく代わってくるので、予算感やその後のフォロー体制の希望に合わせて選ぶといいでしょう。

合同会社の場合

合同会社は、出資者の少ない個人経営に適した会社形態です。この場合、「約10万円+資本金」で設立できます。

法定費用(必ず必要な費用)の内訳は、以下のとおりです。

  • 登録免許税:6万円か、資本金の0.7%の額のどちらか高い方
  • 登記時に必要な謄本手数料:約2,000円(1ページ250円)
  • 定款に貼る印紙代:4万円 (※電子定款認証を行う場合は、この費用は不要)

株式会社との大きな違いは、登録免許税の額と、公証人に定款認証してもらわなくても大丈夫なところです。資本金やその他の費用の考え方については、株式会社と同様です。

登録免許税も低く、手続きも簡易なので、起業の方法としてこの方法を選ぶ方も多いです。

一般社団法人の場合

一般社団法人は、営利を目的としない法人で、人の集まりを基盤とする法人です。そのため、法人自身の財産は不要=設立時の資本金の払込は不要という特徴があります。設立には、「約11万円」かかります。

  • 登録免許税:6万円
  • 登記時に必要な謄本手数料:約2,000円(1ページ250円)
  • 公証人に払う、定款認証手数料:約5万円

一般社団法人は印紙税が非課税なので、電子定款でも、紙の定款でも、印紙代はかかりません。

一般財団法人の場合

一般財団法人は、理事の財産を運用し、そこから生じる利益で事業を行う法人です。そのため、設立時は300万円の基本財産が必要です。設立にかかる費用は「最低311万円」と言えます。

  • 基本財産:300万円以上
  • 登録免許税:6万円
  • 登記時に必要な謄本手数料:約2,000円(1ページ250円)
  • 公証人に払う、定款認証手数料:約5万円

一般社団法人と同じく、印紙税が非課税なので、電子定款でも、紙の定款でも、印紙代はかかりません。

NPO法人の場合

NPO法人は、特定非営利活動法人と呼ばれ、社会的貢献活動を行い、団体の構成員に収益を分配することを目的にしていないという法人です。NPO法人として活動できるのは、法律で17種に限られている点も特徴的です。

NPO法人として活動できる17種類
  • 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
  • 社会教育の推進を図る活動
  • まちづくりの推進を図る活動
  • 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
  • 環境の保全を図る活動
  • 災害救援活動
  • 地域安全活動
  • 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
  • 国際協力の活動
  • 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
  • 子どもの健全育成を図る活動
  • 情報化社会の発展を図る活動
  • 科学技術の振興を図る活動
  • 経済活動の活性化を図る活動
  • 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
  • 消費者の保護を図る活動
  • 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡助言又は援助の活動

NPO法人は、資本金、登録免許税、定款認証手数料などは不要です。印鑑作成費や、証明書取得費などの実費のみで設立できます。

費用の比較

ここまで、会社形態ごとにざっくりと説明しましたが、分かりやすいように表でまとめました。

株式会社 合同会社 一般社団法人 一般財団法人 NPO法人
合計金額(目安) 約25万円+資本金 約10万円+資本金 約11万円 最低311万円 不要
登録免許税 15万円 6万円 6万円 6万円 不要
定款認証手数料 約5万円 不要 約5万円 約5万円 不要
定款の印紙代 4万円(電子定款なら不要) 4万円(電子定款なら不要) 不要 不要 不要
謄本手数料 約2,000円 不要
資本金等 1円以上 1円以上 不要 300万円以上 不要
その他費用 約1万円

会社設立には、上記のように確かに費用は発生しますが、その分社会的信用度も高まりますし、社会保険なども設定することができます。費用と受けられるメリットを比較して、どの形態で設立するか検討してみてください。

会社設立後に必要となるお金

起業には、会社設立そのものにかかる費用だけではなく、実際に事業するために必要な経費も多数かかります。具体的にご紹介しますが、起業の際には、これらが必要ということは認識しておきましょう。

広告費

事業を始めるにあたって、ホームページやチラシ、Web広告を制作する費用がかかります。自分で作業できれば、その分の人件費はかかりませんが、ホームページのサーバー代やチラシの印刷費用、広告運用費などが実費として必要になります。例えば、サーバー代が年間5,000円、ドメイン代が年間2,000円、広告費が月1万円、などです。

名刺作成費

新しい肩書での名刺も必要です。安い業者では、100枚500円程度から発注可能ですし、無料で名刺を作成できる方法もあるので、費用を抑えたい場合は、それらを利用して安く準備するという方法がおすすめです。

参考記事:無料でカンタンに自作の名刺を作る方法&おすすめテンプレート・作成ツール12選

事業所・店舗の賃貸費

あらたに事業所や店舗を構える場合は、不動産の準備費用も必要です。場合によっては、店舗内を改装する費用も必要になるかもしれません。月々の家賃だけでなく、最初には保証料や手数料も必要になるので、想定している家賃の半月分ほどを見込んで計画するほうがいいでしょう。

自宅でできる事業であれば、自宅を事業所にするという方法もあります。また、レンタルオフィスやシェアオフィスもあるので、そういったサービスを活用することで費用を抑えることも可能です。

設備費

事業に必要な備品を揃えるのにも費用がかかります。飲食店等でしたら専門機器が必要になりますし、PC一つでできるビジネスであっても、専用のPCやプリンタ、机、椅子、FAX機器など、周辺機器を新たに準備する必要があることもあります。

通信費

固定電話代やインターネット回線費で、月々5万円程度かかります。法人となることで、基本料金も個人の場合より高いケースが想定されます。

専門家費

会社を設立する場合は、税務周りも複雑になるので、顧問税理士を依頼したり、トラブルを防ぐために顧問弁護士をつけるという方もいます。その場合は、月1~2万円程度の専門家顧問費用が発生します。

人件費

自分以外に人を雇って事業を行う場合は、人件費が発生します。株式会社を設立している場合は、社会保険にも入らなくてはならないので、その分の負担も見積もっておきましょう。

まとめ

起業する際には、予想していない部分でお金がかかることが多いです。いざ起業しようと思って準備をしていても、資金が足りずに挫折してしまう・・・ということは避けたいですよね。この記事では、特に費用が必要な会社設立の場合を想定してご紹介したので、この内容を参考に、起業資金を準備してください。

また、自分自身の工夫次第で費用はいくらでも抑えることができます。自宅を事業所にしたり、今ある備品を活用したり、より安いサービスを比較検討したりと、できることは多いはずです。会社設立という方法にこだわらずとも、個人事業主やフリーランスという方法を選ぶことで、設立費用自体をゼロにもできます。株式会社と比べて自由度も高く、税金も安くなる場合が多いので、最初は個人事業主としてスタートし、ある程度の利益が見込めたときに法人化を考えるという方法も大いにありだと思います。

起業で後悔しないよう、お金周りの想定はしっかり行い、準備を進めましょう。

(執筆:創業手帳編集部)

この記事に関連するタグ

創業時に役立つサービス特集

リアルタイムPVランキングトップ3

カテゴリーから記事を探す