「未来の子供達のために新しい世界を創る。」ママ職代表 山﨑 恵さんが提案する、ママの新しい働き方(インタビュー後編)
ママ職を社会インフラに
(2018/02/23更新)
前編では、ママ職が生まれたきっかけや、起業時のエピソードについて語っていただいた、株式会社Capybara 代表取締役の山﨑 恵さん。
後編では、ママ職を運営する際に意識しているポイントや、事業を行う上での信念について、お話を伺いました。
前編はこちら→「育児と仕事を両立したい!」ママの願いを叶えるお仕事紹介サービス「ママ職」代表 山﨑 恵さんインタビュー(前編)
2003年 自分で事業をやるため上智大学経済学部を中退。
2003年から5年間サプリメント等の営業販売を代理店として行い、年間30万ドルを売り上げ300人の組織をつくる。
2008年 研修・コーチングの会社、株式会社メキキよりプロジェクトリーダーとして引き抜かれ、2年間人の人生に違いを創る研修に没頭し、出産を機に退職。
2010年 第1子、女の子を出産。
2012年 第2子、男の子を出産。
2013年 ママが子供のライフスタイルに合わせて働ける世の中を創るべく、株式会社Capybaraを設立。現在に至る。
ママ職は現代版「内助の功」
山﨑:現在スタッフは6人いまして、登録しているママの中からピックアップして採用しています。
もちろん、子育てなどで忙しいので、無理のない範囲で勤務していただいています。例えば、午前中だけ・週3、4回の出勤、とかですね。
その人が希望する働き方で働いてもらっています。
山﨑:ママ職というシステム上、働くママたちに注目が集まるんですが、現代版の「内助の功」でありたい、というもう一つの想いも込めています。
経営者は孤独です。しかも、ママ職にご依頼いただくクライアントの8割は一人でお仕事をしていて、最も大変な時期である起業家が多いです。
スタッフがいる方でも、最終責任者は経営者なので、その精神的負担は計り知れません。
少しでも、そんな経営者の活躍を支える存在であること。それがママ職の役目だと思っています。
もちろん、登録しているママたちはそんなつもりは無く、子どもと一緒にいながら働けるママ職のコンセプトのもと、ママ職をスタートした方が多いかと思います。
ですが、せっかく働くのであれば、クライアントの右腕になるまで突き詰めていただきたいです。仕事ぶりはもちろんのこと、かける言葉、在り方でもクライアントを支えてくれたら、と思っています。クライアントと関わる際に意識しているのは、この点です。
ママたちに関して言うと、登録しているママとのやりとりは、現役のママがやることにしています。
ママの気持ちは、ママが一番よくわかります。「こういう仕事を探している」、「こういう悩みを持っている」、といったママ特有の悩みは、子育てがひと段落した私よりも、現役のママの方が気持ちを汲めると思うんです。
世界を変えるためなら、常識なんてクソ喰らえ
山﨑:私の中で一貫してあるのが、「未来の子供達のために新しい時代をつくる」という信念です。ママたちのためにやっているようにも見えますが、ママたちと一緒にいたい子供達のためにも事業をやっています。
あとは、「世界を変えるためなら、常識なんてクソ喰らえ」って思っています(笑)。
ママ職という事業を思いついたのも、ある意味この考えがあったから生まれたのかな、と思います。
山﨑:そうですね。
仕事をしていると、いろんな人から「こうするべき」という話を頂くときがあります。ですが、起業するときって新しい分野を開拓することがあります。そういう時に「〜するべき」という常識に囚われすぎると、良いものは絶対にできないと思いますね。
なので、新しいものを作っていくためなら「クソ喰らえ」で良いと思います(笑)。
山﨑:例えば、女子会をやっていて、その中の一人が「私、子供ができました!」って話していたとします。
その時に、「おめでとう!」という言葉の中に「それじゃあ、ママ職に登録しないとね!」っていう言葉が出るくらい、ママたちに根付いたものになりたいと思っています。
できれば、その女子会がやっている隣の席に座って、「それ、私が代表をやっているサービス!」って思いながらお酒を飲みたいですね(笑)。
もう一つ、具体的なところとしては、働き方のコンサルティングをできるんじゃないかな?って思っています。
仕事っていくつもの行程に分かれています。例えば、ホームページを作る場合は「記事を書く」、「内容をチェックしてもらう」、「公開する」といった行程に分かれていますよね。その行程の中で、外部にアウトソーシングできそうなものがあったら、任せた方が効率的です。
つまり、仕事を切り分けることで、効率化できる部分が見えてくる、ということです。
アウトソーシングされた仕事を受ける「ママ職」を運営しているからこそ、私はそのノウハウを培えていると思います。これをコンサルティングや講座などで、経営者の皆さんにお教えすることができたらと思います。
もうだめだと思ったら、十数えてから手を離せ
山﨑:こういうと語弊があるかもしれませんが、「女性は男性に負けないようにしよう!」という考え方は、あまりオススメしません。
女性が得意なところは女性がやればいいし、男性が得意なところがあれば、任せてもいいと思います。
男女に限らず、一緒に仕事をする仲間、協業する企業同士でもそうです。
もちろん、男性経営者が多い中で、女性経営者は大変な場面があると思います。そういう時、私は顔で笑って心の中で「今に見てろよ!」って思っています(笑)。
つまりは、どちらかの考え方に偏りすぎてはいけない、ということです。
その点をうまく見極めていくことができたら良いですね。
あと、私の好きな言葉で、「もうだめだと思ったら、十数えてから手を離せ」という言葉があります。著作家である中谷彰宏さんの言葉です。
「もうだめだ」と思った時に手を離すと、成長はそこでストップしてしまいます。なので、そういう時には、今の物事を整理して考えを巡らせてみると、見えなかったものが見えてくることがあります。
起業を目指している時、起業した時に「もうだめだ」と思う時が来たら、昔お風呂でやったみたいに十数えてみると、その間に成長できている自分がいると思いますよ。
(取材協力:株式会社Capybara/山﨑 恵)
(編集:創業手帳編集部)