ゴーゴーカレーが3年でNYに行けたワケ 宮森宏和インタビュー(前編)
創業手帳代表の大久保が、宮森代表の創業エピソードに迫ります
(2020/04/13更新)
「金沢カレー」ブームの火付け役、ゴーゴーカレー。日本国内だけでなく、アメリカNYを始めとする世界進出も積極的に行っている、人気カレーチェーンです。店舗展開のほかに、レトルトカレーの販売や、全国各地にあるカレー店のM&Aを手掛けるなど、多角的な事業を展開しています。
同社の宮森宏和代表は、30歳の時に会社員から独立しました。2004年にはゴーゴーカレー1号店をオープン。大胆な経営戦略で、またたく間に人気店を作り上げました。創業から、どのような戦略・信念で事業を成長させてきたのか、創業手帳代表の大久保が話を聞きました。
株式会社ゴーゴカレーグループ 代表取締役
1973年石川県金沢市生まれ。高校を卒業後、専門学校を経て、地元の旅行会社に勤務。同郷同世代の松井秀喜選手がNYで活躍する姿に影響を受け、脱サラを決意。2004年5月5日にゴーゴーカレー1号店を新宿にオープンする。そして2007年5月5日、念願のニューヨーク1号店をオープン。美味しいカレーを世の中に広める事をミッションとし、カレーの専門商社として世界一を目指す。
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計100万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。
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この記事の目次
「とにかくNYに行きたい」から考え、金沢カレーを選んだ
宮森:もともと、20歳の時にNYに留学したことがあり、「いつかここでビジネスをやろう」と考えていました。社会人になってからはこの気持ちを忘れていたのですが、松井秀喜氏のホームランを見て思い出したのです。
創業時は、「とにかくNYに行きたい」というビジョンがあっただけでした。
店よりも先に会社を設立し、背水の陣を敷く
宮森:背水の陣を敷く覚悟です。「引くつもりもないし、行くしか無い」という状況を自分で作りました。仕入れの仕方、仕込み、簿記、シフト作りなど、全部知らない状態からのスタートで、毎日のように学び続け、2004年5月5日(ゴーゴーの日)に1号店を開店しました。
宮森:お金以上に、信用がないことが大変でした。当時私は、会社も辞めているし、実績もない状態です。テナントを見つけるにしても、誰も貸してくれません。良い立地の情報は、まずチェーン店に行きますし。この点、一番苦労しましたね。
あとは、店の工事が予定通りに進まないトラブルもありました。しかし、我々は「絶対に5月5日に開店する」と決めていたので、間に合わせるため、自分たちで工事を手伝ったりもしました。
なにか問題が起きたとき、多くの人は“できない理由”ばかり言いますが、我々は「どうやればできるか」しか考えていないですね。
「運が良い経営者」になり、成長する組織を作る
宮森:経営者の運が悪いと、会社が悪くなります。運の良い優秀な人材が入ってこず、成果が上がらないからです。
宮森:運がいい人は明るくて前向きだし、人を大事にする。自分のためではなく、世のため人のために仕事をできる人です。経歴は関係ありません。これは見ていればわかりますね。
うちは、価値観が合う人しか入社させません。そして、従業員には「志を持て」と伝えています。大きな志を持てば、それが仕事への信念になっていく。個人と会社、両方の信念・ミッション・ビジョンが大事です。困難を乗り越えて成長するための原動力は、ビジョンをもつ力ですね。
宮森:志を紙に書かせると良いんじゃないでしょうか。志は、自分との約束ですから。自分で約束を決めて、そこに向かって努力を継続し、目標を達成できる人が、成長する人です。三日坊主は運気の低い人ですね。自分で言ったことをやるかどうか。これにつきます。
顧客創造のためにいい人材を集め、いい人に学習してもらい、「考える組織」を作る必要があります。
(取材協力:
ゴーゴカレーグループ / 宮森宏和代表)
(編集: 創業手帳編集部)