独立に有利な資格10選|難易度・収益性・開業コストを一目で比較!

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「収入アップを目指すには?」「学びやすいのは?」資格選びのヒント満載!


独立して自分のビジネスを始めるには、適切な資格が大きな力になります。
「資格を取って独立したいけれど、何を選べばいいのかわからない…」
そのような方のために、この記事では独立に向く代表的な資格を「難易度」「収益性」「初期費用」の3軸でマッピング形式で整理しました。
比較しやすく、自分に合った資格を見つけるヒントにしてみてください。

「独立したい」「起業したい」と考えている人のために、「創業手帳」無料で配布しています。起業のために知っておいたほうがいい資金繰りのことや、税金のことなど、基本的な部分からこの一冊にまとめています。ぜひご活用ください。

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独立に向く資格とは?3つのポイント


独立に向く資格を選ぶためには、以下3つのポイントを押さえることが大切です。それぞれのポイントについて解説します。

難易度(学習時間・合格率)

資格を選ぶ上で、自分の学習能力や時間的余裕に合った難易度の資格を選ぶのがおすすめです。
資格の難易度は個人の考え方・経験・知識などによって異なります。
例えば、その業界で働いた経験があり、知っていることが多い資格は学習時間が短くても合格できる可能性は高いです。

一方、何も知らない資格は1から勉強しなくてはならないため、学習に費やす時間は多く、難易度も高くなります。
また、誰でも簡単に取得できる資格が必ずしも最良とは限りません。自分のキャリアプランを踏まえて、最適な難易度の資格を選ぶことがポイントです。

収益性(単価・市場・拡大性)

独立に向く資格を選ぶ場合、将来的な収入目標や市場ニーズを考慮することも重要です。独立後の収益性は、以下3つの要素から考えることができます。

  • 仕事の単価
  • 市場規模
  • 将来的な拡大可能性

また、いくら収益性の高い資格を取得できたとしても、さらに収益性を高めていくためにはマーケティング力やクライアントとの関係構築力も必要です。
さらに、複数の資格を組み合わせてサービスの幅を広げることもできます。独立を視野に入れている場合は、こうした工夫も取り入れて収益性の向上を目指しましょう。

費用面(資格取得費用・開業コスト)

現在の経済状況から、無理なく取得・開業できる資格を選ぶことが大切です。
資格を取得してから独立・開業を考えている場合、開業までにかかる費用も考慮する必要があります。
資格取得にかかる費用は受験費用やテキスト代、講習費用などが含まれます。
一方、開業するまでの費用には、店舗の家賃や内装工事費、設備や備品の購入費に加え、開業後の運転資金や生活費も含めて計算することが重要です。
資格によっては独立前に就職し、実務経験を積みながら資金を貯め、最終的に独立・開業する戦略も検討できます。

【難易度×収益性】独立のための資格マッピング


独立に向けて資格取得を考えている人向けに、難易度と収益性を軸にした資格マッピングを作成しました。
このマップを参考に、自分が取得してみたいと考えている資格の難易度・収益性を確認してみてください。

【比較表】独立できる代表的な資格一覧


続いて、独立できる代表的な資格を挙げて比較表にまとめてみました。難易度と収益性に加え、各資格の費用面(資格取得の受験料)と主な独立モデルもまとめています。
独立できる代表的な資格の特徴についても詳しく解説しているので、気になる資格がないかチェックしてみてください。

資格名 難易度 収益性 費用面 主な独立モデル
行政書士 中~高 中~高 10,400円 許認可・書類代行
ファイナンシャルプランナー(FP) 低~中 3級:学科試験・実技試験 各4,000円
2級:学科試験5,700円、実技試験6,000円
1級:20,000円
相談・家計診断・セミナー講師
ネイリスト 【JNECネイリスト技能検定試験】
3級:6,800円
2級:9,800円
1級:12,500円
【JNAジェルネイル技能検定試験】
初級:9,900円
中級:13,200円
上級:16,500円
自宅・出張サロン開業
整体師・セラピスト(民間資格) 低~中 【整体ボディケアセラピスト🄬】
5,600円
※認定講座の受講が必要(約25,000円~80,000円)
施術所開業・リラクゼーション業
宅地建物取引士(宅建) 中~高 8,200円
※資格登録に手数料37,000円、実務経験2年未満の場合は実務講習の受講(約20,000円)が必要
不動産仲介業・独立開業
中小企業診断士 14,500円
オンライン決済にかかる事務手数料:525円
経営コンサル・セミナー講師
調理師/製菓衛生師 中~高 【調理師】
東京都6,400円※地域によって異なる
【製菓衛生師】
東京都9,500円※地域によって異なる
飲食店開業・スイーツ販売
保育士 12,700円
※オンライン申請の場合は+350円、郵送申請の場合は+1,263円必要
小規模保育・訪問型保育開業
社会保険労務士 中~高 15,000円
※ネット申込の手数料418円、郵送申込の手数料203円+簡易書留料金350円+郵便料金が必要
労務相談・就業規則作成業務
ドッグトレーナー・ペットシッター 低~中 【認定ペットシッター養成講座】
72,000円~149,000円
【ペットシッター士】
71,500円~126,500円
【愛玩動物飼養管理士】
2級:受講受検料32,000円+認定登録料8,000円
1級:受講受検料34,000円+認定登録料20,000円
訪問・店舗型サービス

行政書士

行政書士は、官公署に提出する書類の作成から許認可申請の代行などを手がける国家資格です。
例えば、会社設立や建設業の許可取得、遺言・相続関連の書類作成など、幅広い業務に対応しています。

行政書士の資格を取得するためには、以下のことが必要です。

  • 毎年1回行われている行政書士試験を受けて合格する
  • 公務員として行政事務の仕事を一定年数経験する
  • 弁護士や弁理士、公認会計士、税理士のいずれかの資格を取得する

行政書士の事務所を開業するなら、100~150万円程度の開業資金を準備しておく必要があります。
さらに、備品の購入費用やホームページ作成の費用、当面の生活費も必要になるため、400~500万円あると安心です。

ファイナンシャルプランナー(FP)

FPは資産運用や税金、保険、年金など、個人のライフプラン設計をサポートする資格です。
FPの資格を取得して独立を図るなら、2級FP技能士またはAFP(2級FP技能士相当)以上の資格を取得してから独立したほうが現実的といえます。

FPはオフィスを借りずに自宅でも仕事をすることは可能です。もし自宅にあるPCやデスクなどを使うならそれほど開業資金もかからずに済みます。
ただし、開業後間もない時期は顧客を確保するのに苦労する傾向があります。そのため、生活資金も含めて最低でも100万円は用意しておくと安心です。

ネイリスト

ネイリストとは、爪のケアからネイルアートなどに特化した資格で、美しい爪に装飾するだけでなく、爪の様々なトラブルに対してケアすることが可能です。
ネイリストは既存のネイルサロンに勤務する人が多いですが、独立して自宅でネイルサロンを開く人もいます。
自宅サロンだけでなく、レンタルサロンや出張サービスを提供しているネイリストもいて、様々なサービスの形が存在しています。

ネイリストで独立するのに必ずしも資格を取得する必要はありませんが、JNA認定資格を取得することで顧客からの信頼度も高まり、顧客を獲得しやすくなるでしょう。
開業資金は自宅をサロンにするなら20~30万円ほどで開業できるケースも多いですが、テナントを借りる場合は150~200万円程度が必要です。

整体師・セラピスト(民間資格)

整体師やセラピストは、肩こりや腰痛、姿勢矯正など体の不調を改善するために施術を担います。
特に資格を取得しなくても整体師・セラピストとして施術を行うことは可能です。
しかし、技術や知識があることを証明できないため、民間資格を取得したほうが独立後の運営も安定しやすくなります。
ただし、1年以上学校に通学するとなると、それなりに費用もかかってくるので注意してください。

独立・開業にかかる費用は、自宅にスペースを設ければ10~20万円程度で開業することができます。
テナントを借りる場合は保証金として家賃6カ月~1年以上用意する必要もあることから、200万円以上準備しておくと安心です。

宅地建物取引士(宅建)

宅地建物取引士は、不動産取引に欠かせない国家資格です。不動産会社で一定の経験を積んでから、不動産仲介業での独立や宅建業者として開業することもできます。
宅建士にしかできない独占業務もあるため、独立後でも需要は高く、安定して仕事を受けられる可能性も高いです。

宅建士が開業する場合、免許取得費用や保証協会に加入するための費用、事務所を確保するための費用などがかかるため、300万円ほど用意しておくと安心です。
さらに、当面の生活費用も含めると400万円~500万円ほどは準備しておくと良いかもしれません。

中小企業診断士

中小企業診断士は、企業や経営者に寄り添いながら共に経営課題に取り組んでいく資格です。難易度は非常に高く、合格率は3~8%程度になります。
中小企業診断士の資格を取得できたとしてもすぐに独立することは難しく、まずはコンサルティング業務の実務経験を積むことが大切です。
コンサルタント経験がないと適切なアドバイスをするのが難しく、顧客の期待に添えられなかったり、そもそも顧客を確保できなかったりします。

中小企業診断士として独立する場合、PCや電話など最低限の備品が揃っていればすぐに仕事を始められるため、初期費用はほとんどかかりません。
ただし、セミナーなどを開催する場合は数十万円程度の費用が必要となるでしょう。

調理師/製菓衛生師

調理師や製菓衛生師は、飲食店やスイーツ店などを開業する際に有利となる国家資格です。
いずれの資格も2年の実務経験があれば受験資格を得られます。
実務経験がなかったとしても、1年以上養成学校に通えば受験資格は得られますが、独学よりも費用がかかってしまうので注意してください。

飲食店を開業する場合、ジャンルや規模によって異なります。
例えば、大規模なレストランを開業するなら1,000万円以上かかってしまう可能性もありますが、小規模なお店なら200~500万円程度まで資金を抑えられます。

保育士

保育士は、保育園や子ども向けの施設で働く際に必要となる国家資格です。
保育士の資格を取得するには、指定保育士養成施設で保育について学び、卒業して取得する方法と、保育士試験を受けて合格する方法の2つから選択できます。

保育士として独立したい場合は、小規模の保育施設やベビーシッター事業の立ち上げ、企業主導型保育などで独立することが可能です。
園児の定員が20~30人前後の保育園を開業する場合、最低でも400~500万円は必要となります。
ここに毎月の運営費用が200~300万円は必要となってくるため、補助金・融資などを活用するのがおすすめです。

社会保険労務士

社会保険労務士は、社会保険手続きや労務管理の指導・相談業務、年金相談業務などを手がける国家資格です。
企業顧客との顧問契約を受けられれば、安定した収入も見込めるようになります。

社会保険労務士の資格を取得できれば、未経験でも独立・開業することは可能です。
ただし、ノウハウがない状態で独立すると仕事がうまくできなかったり、実績がないため営業がうまくいかなかったりする場合もあります。
まずは社会保険労務士として勤務し、ノウハウや人脈を構築した上で独立したほうが安定します。

独立・開業する場合、自宅開業なら150万円以上あれば問題ありません。自宅とは別に事務所を設けたい場合は、家賃も含まれるため200~300万円ほど準備しておくと安心です。

ドッグトレーナー・ペットシッター

ドッグトレーナー・ペットシッターは、犬のしつけや散歩の代行サービスなど、飼い主からの依頼を受けてペットのお世話をする資格です。
民間資格が主流となっていますが、独立するために動物取扱業の申請が必要となり、地方自治体が運営する「動物取扱責任者」の資格を取得する必要があります。
動物取扱責任者の資格を取得するには、環境省が認めるドッグトレーナーやペットシッター関連の資格を取得し、6カ月以上の実務経験が必要です。

実際に独立・開業する際にかかる費用は、事務所・施設を設けるなら400~1,000万円、出張サービスなら200万円以上が目安になります。

タイプ別に見る!どのような人にどの資格が向いている?


どのような資格を取得するか迷っている方に、タイプ別におすすめの資格を紹介します。自分に当てはまる資格をここから探してみてください。

人と接するのが好き・会話力に自信がある

人と接するのが好きな人や、会話力に自信がある人は、FPや宅建士、ドッグトレーナーなどがおすすめです。
FPは人から家計の悩みを聞き、問題解決に向けてアドバイスをすることになるため、仕事で人と関わる機会は非常に多くなります。
宅建士は実地調査を行う際に質問したり、営業の能力も求められたりします。
また、ドッグトレーナーに関しても飼い主からの依頼を受けてヒアリングを行ったり、しつけ方法をアドバイスしたりするなど、人と会話をする機会が多いです。

事務処理が得意

事務処理が得意な人は、行政書士や社会保険労務士の資格取得がおすすめです。いずれの資格も正確かつスピーディーに書類を作成する能力が求められます。
提出期限が設けられているものも多く、それまでに計画的に書類作成を進められるかが重要です。
社会保険労務士は、さらに数字にも強い人だと仕事で能力を思う存分に発揮できます。

美的センスがある

美的センスを持っていて、それを独立時にも活かしたい場合はネイリストや製菓衛生師がおすすめです。
ネイリストは爪の上にアートを描く仕事でもあります。自分の頭にあるイメージや顧客の希望を聞いてそれを実現するスキルが必要です。
色の組み合わせなどで雰囲気も異なることから、美的センスが必要となってきます。

製菓衛生師もスイーツの飾り付けや盛り付けなどで美的センスが求められます。感性を磨き続けることで、見ても楽しく食べても美味しいスイーツが作れるでしょう。

人を癒す・体をケアする仕事がしたい

人を癒したい、体をケアする仕事がしたいという人には、整体師やセラピストが向いています。
整体師とセラピストはどちらも日頃仕事や家事などで忙しい人の体をほぐし、癒しの時間を提供する職種です。
施術により、多くの人に喜んでもらえることが働くやりがいにもつながってきます。

経営の役に立ちたい

経営の役に立ちたいと考えている人は、中小企業診断士や社会保険労務士がおすすめです。
中小企業診断士は、中小企業の成長をサポートし、地域経済はもちろん社会全体の発展に寄与することを目的としており、社会的な意義を感じられる職種といえます。
社会保険労務士も、書類作成や帳簿の作成など本来従業員や経営者が行うことを代行することで、業務の効率化が図ることができ、会社の発展につながる重要な職種です。

料理が好き

料理が好きな人は、調理師や製菓衛生師の資格取得がおすすめです。
調理師と製菓衛生師はどちらも自分が作った料理を提供し、顧客に喜んでもらうことが仕事のやりがいにもつながります。
また、料理を作ることだけでなく、美味しさを追求するために食べることが好きな人も調理師や製菓衛生師に向いています。

子どもが好き

子どもが好きな人は、保育士の資格取得がおすすめです。毎日子どもと関わり、成長を肌で感じられる仕事でもあります。
時には子どもが失敗をしてしまったり、注意しなければならなかったりすることもあります。また、子どもから傷付く言葉を受けてしまうこともあるかもしれません。
それでも子どもが好きだと思えるなら、保育士の適性は高いです。

ペットや動物が好き

ペットや動物が好きな人は、ドッグトレーナーやペットシッターの資格がおすすめです。
ペットや動物は人間と同じ言葉が喋れないため、何を考えているか、何を望んでいるかを汲み取る必要があります。
しかし、それでも仕事にやりがいを感じたり、楽しいと思えたりする人は、ドッグトレーナーやペットシッターに向いているといえます。

まとめ|「あなたに合った資格」は、条件と価値観で決まる

独立開業に向いている資格は、難易度・収益性・初期費用のバランスによって大きく異なります。
自分に合った資格は条件と価値観で決まるため、まずは興味のある資格や仕事内容について調べてみることが大切です。
今回紹介したマップなども参考にしつつ、ぜひ自分に合った資格を見極めてみてください。

創業手帳(冊子版)では、将来独立・開業を目指している人やすでに独立された人に向けて、ビジネスや経営に役立つ情報を無料でお届けしています。独立のための準備・ステップなども掲載していますので、ぜひご活用ください。

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(編集:創業手帳編集部)

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