法人税がクレジットカード支払い可能に/領収証がスキャナ保存可能に
眞喜屋先生が税制改正を徹底解説します!!
(2016/04/20更新)
法人税、消費税の税制改正はいつも話題になりますが、実は他にもさまざまな税制が改正されています。今回は、クレジットカード納付制度の創設、スキャナ保存制度の見直しについてクローズアップして解説いたします。
この記事の目次
眞喜屋朱里税理士事務所代表。
東京都中央区に開業している税理士の眞喜屋朱里です。
お客様のニーズに柔軟そして迅速に対応し、不安を少しでも解消することを経営理念としております。
経営者が事業存続に成功し、お互いが良き関係で幸せにいれるよう、経営者の個性にあわせて全力でサポートいたします。
クレジットカード納付制度の創設
国税の納付手続きについて、クレジットカードで納付できるようになります。
平成29年1月4日以降に国税の納付を委託する場合に適用されます。
ただし、クレジットカード利用手数料は、利用者(納税者)が負担する必要があります。
この制度は特に事前の手続きは必要なく、国税庁HPのWEB画面にて「納付情報」「クレジットカード決済情報」を入力することとなります。
国税関係書類に係るスキャナ保存制度の見直し
平成27年度税制改正において領収書等のスキャナ保存制度は、対象範囲が拡大するとともに厳しかった要件が大幅に緩和され、デジカメ・スマートフォン等での撮影についても一定の要件をもとに認められることになりました。
この改正は平成28年9月30日以後の承認申請が適用されます。
◇スキャナ保存の具体的な対象範囲の拡大は下記のとおりです。
「原稿台と一体となったもの」要件が廃止
→スマートフォン・デジカメ等も対象含む
※ただし、デジカメ・スマートフォン等の場合は、従業員が受領後特に速やかに(3日以内)にタイムスタンプを付与することが必要となります。
電子署名必要
→電子署名が不要、タイムスタンプ付与が必要
階調要件の整備 カラー保存のみ
→白黒保存でも可能
金額3万円以上のみ対象
→金額の制限なし
また、小規模事業者にも定期検査要件について大幅な改正がありました。
受領者、経理担当者、検査担当の最低3名必要
→企業の担当者、税務代理人(税理士)の2名での導入が可能
これにより、従業員の少ない企業及び個人事業者においてもスキャナ保存制度の導入が可能となりました。
◇具体的な手続き
国税関係書類を改正後の要件でスキャナ保存しようとする場合には、電子データの保存により書類の保存に代える3か月前の日までに「申請書」を所轄税務署に提出する必要があります。
「国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等の承認申請書」
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/10.htm
申請書を記載する際の注意点は、下記のとおりです。
保存方法はどちらを記載?
FD、CD、DVD、サーバー等による保存 ⇒ 電磁的記録 (法第4条第1項)
電子計算機出力マイクロフィルムによる保存 ⇒ COM (法第5条第1項)
保存場所はどこ?
情報処理センターで処理しているなど保存媒体が遠隔地にある場合であっても、当該電磁的記録を、保存場所に設置されているディスプレイの画面及び書面に速やかに出力できるときは、当該電磁的記録は保存場所に保存等がされているものとして取り扱われます(取扱通達4-12)とありますので、会社の所在地を記載すれば問題ございません。
まとめ
時代の変化に伴い、保存方法及び納付方法の変化も行われています。
常に改正には目を向けてより便利になる方法は取り入れ事務処理の簡素化を図り、経営の効率化を実現していきましょう。
(監修:眞喜屋朱里税理士事務所 代表 眞喜屋 朱里(まきや あかり) )
(編集:創業手帳編集部)