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キャリアアップ助成金とは

キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者などの「非正規雇用労働者」について、企業内でキャリアアップを推進する助成金です。非正規雇用労働者の「正社員化」や「処遇改善」を目的としています。
キャリアアップ助成金は、労働者の能力向上を支援するだけでなく、企業の競争力向上や労働市場の活性化にも寄与する重要な制度です。
令和8年度概算要求では、企業の透明性を評価する「非正規雇用労働者情報開示加算」について従来の5万円から20万円(中小企業)への大幅拡充が盛り込まれました。
これは、自社の非正規雇用労働者に関する情報(賃金制度や正社員転換実績など)を公表することで、受給額が増える仕組みです。
キャリアアップ助成金の「対象となる事業主」
キャリアアップ助成金の対象となるのは、以下の全ての条件に当てはまる事業者です。 民間の事業者のほか、公益法人、NPO法人、医療法人、社会福祉法人なども含まれます。
令和7年度の改正により、キャリアアップ計画の手続きが「認定制」から「届出制」へ移行し、事務負担が大幅に軽減されています。
| ①:雇用保険適用事業所の事業主 |
| ②:雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主 (キャリアアップ管理者は、複数の事業所および労働者代表との兼任は不可。) |
| ③:雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に係るキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局へ「届出」を行った事業主 |
| ④:実施するコースの対象労働者の労働条件、勤務状況および賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにすることができる事業主 |
| ⑤:キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主 |
出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金 拡充 年収の壁対策 労働者1人につき最大75万円助成します!」
キャリアアップ助成金が支給される「中小企業事業主の範囲」
キャリアアップ助成金は、中小企業と大企業で支給金額が異なります。令和8年度概算要求における拡充案(情報開示加算の増額等)においても、中小企業の方がより手厚い助成を受けられるよう設定されています。
主に資本金や出資金の額で大企業と中小企業の範囲が分けられますが、資本金や出資金がない事業主においては、常時雇用している労働者の数で判断されます。
| 業種 |
資本金額・出資額の総額または常時雇用する労働者数 |
| 小売業(飲食店を含む) |
資本金5,000万円以下または労働者50人以下 |
| サービス業 |
資本金5,000万円以下または労働者100人以下 |
| 卸売業 |
資本金1億円以下または労働者100人以下 |
| その他の業種 |
資本金3億円以下または労働者300人以下 |
出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和7年度版)」
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【令和8年度概算要求反映版】キャリアアップ助成金の重要ポイント
2026年(令和8年)に向けた予算概算要求では、企業の透明性向上と「年収の壁」対策が重点化されています。特に「非正規雇用労働者情報開示加算」の拡充は、正社員化や賃金引上げとセットで取り組むことで受給額を最大化できる重要なポイントです。
- 主要な変更点と現在の運用
-
- 1.正社員化コース:区分による助成額の最適化と情報開示加算の拡充
- 2.賃金規定等改定コース:引上げ率による細分化と昇給制度加算の定着
- 3.支給対象者:非正規期間が長い労働者への重点支援(新規学卒者等の除外)
- 4.事務手続き:事前認定を待たない完全「届出制」への移行
出典:厚生労働省「令和8年度概算要求の概要(キャリアアップ助成金)」
以下で詳しくみていきます。
1.正社員化コースの区分・助成額と最新の加算措置
支給区分は、「重点支援対象者」に該当するかどうかで4区分に分かれています。 令和8年度概算要求では、「非正規雇用労働者情報開示加算」を従来の5万円から20万円(中小企業)に増額する案が出ています。
| 対象者区分 |
雇用形態転換 |
助成額(中小企業) |
| 重点支援対象者 |
有期→正規 |
80万円 |
| 無期→正規 |
40万円 |
| 重点支援対象者外 |
有期→正規 |
40万円 |
| 無期→正規 |
20万円 |
| 【概算要求】非正規雇用労働者情報開示加算 |
20万円(大企業15万円) |
※助成額は1人あたりの金額
情報開示加算は1事業所当たり1回のみ適用されます。
なお、情報開示加算は1事業所当たり1回のみ適用される予定です。自社の非正規雇用労働者数や正社員転換の実績などの情報を求職者や学生に提供することが受給要件になる見込みです。
公表場所は、就職活動や企業の採用活動を支援する厚生労働省のサイト「しょくらぼ」などが見込まれます。重点支援対象者とは以下のとおりです。
a: 雇入れから3年以上の有期雇用労働者
b: 雇入れから3年未満で、次の①②いずれにも該当する有期雇用労働者
①過去5年間に正規雇用労働者であった期間が1年以下
②過去1年間に正規雇用労働者として雇用されていない
c: 派遣労働者、母子家庭の母等、人材開発支援助成金の特定の訓練修了者
※雇用期間が通算5年を超える有期雇用労働者は無期雇用労働者とみなされます。
2.賃金規定等改定コースの細分化と昇給制度加算
有期雇用労働者等の基本給を3%以上引き上げた場合に受給できます。引上げ率に応じて助成額が4段階に設定されています。
| 賃金引上げ率 |
助成額(中小企業) |
| 3%以上4%未満 |
4万円 |
| 4%以上5%未満 |
5万円 |
| 5%以上6%未満 |
6.5万円 |
| 6%以上 |
7万円 |
※金額は1人あたりの支給額です。
また、有期雇用労働者等の昇給制度を新たに設けると、1事業所当たり1回のみ20万円(大企業15万円)が加算されます。さらに、情報開示加算(20万円予定)も併せて活用可能です。
3.支給対象者の範囲変更(適正化)
非正規雇用のキャリアアップを目的とするため、新規学卒者で雇入れから1年未満の場合は、原則として支給対象外となっています。
4.キャリアアップ計画書の「届出制」への移行
以前は労働局長による事前「認定」が必要でしたが、現在は「届出」のみで手続きが完了します。認定を待たずに速やかに取り組みを開始できるようになっています。
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【令和8年度概算要求反映版】キャリアアップ助成金の正社員化支援は2コース
キャリアアップ助成金の中でも、非正規雇用労働者の正社員雇用を推進する「正社員化支援」には、「正社員化コース」と「障害者正社員化コース」の2つのコースがあります。
ここからは2026年(令和8年)度概算要求の内容も踏まえ、それぞれのコースについて詳しく解説します。
正社員化コース
キャリアアップ助成金の中でも、非正規雇用労働者の正規雇用への転換または直接雇用を支援する「正社員化コース」は最も活用されているメニューです。1年度につき、1事業所あたり20名まで申請可能です。
このコースは、有期雇用労働者、無期雇用労働者、または派遣労働者を正規雇用労働者に転換、あるいは派遣労働者を派遣先で直接正規雇用した場合に助成金を受け取れます。勤務地限定・職務限定・短時間正社員といった「多様な正社員」への転換も対象となります。
令和8年度概算要求では、企業の透明性を評価する「情報開示加算」の増額が計画されており、受給総額の底上げが期待されます。
正社員化コースの「支給額」と「加算額」
| 支給額(中小企業の場合) |
| 条件 |
区分 |
支給額(1人あたり) |
| 有期雇用→正規雇用 |
重点支援対象者 |
80万円(40万円×2期) |
| その他 |
40万円(一括) |
| 無期雇用→正規雇用 |
重点支援対象者 |
40万円(20万円×2期) |
| その他 |
20万円(一括) |
| 加算額(令和8年度概算要求ベース) |
| 条件 |
加算額 ※カッコ内は大企業の額 |
| 【概算要求】非正規雇用労働者情報開示加算
※女性の活躍推進企業データベース等で実績を公表した場合 |
20万円(15万円) |
| 正社員転換制度を新たに規定し、転換等した場合
(1事業所当たり1回のみ) |
20万円(15万円) |
| 多様な正社員制度を新たに規定し、転換等した場合
(1事業所当たり1回のみ) |
40万円(30万円) |
出典:厚生労働省「令和8年度概算要求の概要(キャリアアップ助成金)」
障害者正社員化コース
障害者の雇用促進を目的とした「障害者正社員化コース」では、障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者または無期雇用労働者に転換または直接雇用した場合に助成金が支給されます。
障害者正社員化コースの「支給額」
| 企業規模 |
条件 |
支給額(1人あたり) |
| 重度の身体・知的障害者、精神障害者 |
重度以外の身体・知的障害者、発達障害者、難病患者等 |
| 中小企業 |
有期→正規 |
120万円(60万円×2期) |
90万円(45万円×2期) |
| 有期→無期 |
60万円(30万円×2期) |
45万円(22.5万円×2期) |
| 無期→正規 |
60万円(30万円×2期) |
45万円(22.5万円×2期) |
| 大企業 |
有期→正規 |
90万円(45万円×2期) |
67.5万円(33.5万円+34万円) |
| 有期→無期 |
45万円(22.5万円×2期) |
33万円(16.5万円×2期) |
| 無期→正規 |
45万円(22.5万円×2期) |
33万円(16.5万円×2期) |
出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)のご案内」
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【令和8年度概算要求反映版】処遇改善支援を目的としたキャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金では、非正規雇用労働者の労働条件の改善を支援する「処遇改善支援」の助成金もあります。
令和8年度概算要求による「非正規雇用労働者情報開示加算」を活用できます。ただし、この加算はキャリアアップ助成金の各コースを通じて1事業所当たり1回のみの適用です。
処遇改善支援とは、次の5コースです。
- 賃金規定等改定コース
- 賃金規定等共通化コース
- 賞与・退職金制度導入コース
- 短時間労働者労働時間延長コース/li>
- 社会保険適用時処遇改善コース(2026年3月末終了)
1つずつ詳しく解説していきます。
賃金規程等改定コース
賃金規定等改定コースは、非正規雇用労働者の基本給の賃金規定を見直し、3%以上増額した際に受給できる助成金です。
賃金規定等改定コースの「支給額」と「加算額」
| 支給額(1人あたり) |
| 企業規模 |
賃金引き上げ率 |
| 3%以上4%未満 |
4%以上5%未満 |
5%以上6%未満 |
6%以上 |
| 中小企業 |
4万円 |
5万円 |
6.5万円 |
7万円 |
| 大企業 |
2.6万円 |
3.3万円 |
4.3万円 |
4.6万円 |
| 加算額 |
| 条件 |
支給額 |
| 【令和8年度概算要求】非正規雇用労働者情報開示加算 |
20万円(大企業15万円)予定 |
| 昇給制度の導入(1事業所当たり1回のみ) |
20万円(大企業15万円) |
賃金規程等共通化コース
賃金規定等共通化コースは、非正規雇用労働者に対して、正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金規則等を新たに作成・適用した際に、受給できる助成金です。
賃金規定等共通化コースの「支給額」
| 企業規模 |
支給額(1事業所あたり) |
| 中小企業 |
60万円 |
| 大企業 |
45万円 |
| 【概算要求】非正規雇用労働者情報開示加算 |
20万円(大企業15万円) |
賞与・退職金制度導入コース
賞与・退職金制度導入コースは、非正規雇用労働者に賞与・退職金制度を新設し、支給やそのための積立てを行った場合に受給できる助成金です。
賞与または退職金制度のいずれかを導入した場合に以下の「支給額」の金額が受け取れ、双方を同時に導入すると加算額がプラスされます。本コースの支給は1事業所につき1回のみです。
賞与・退職金制度導入コースの「支給額」と「加算額」
いずれかの導入で基本額が支給され、双方同時導入で加算がプラスされます。
| 支給額(1事業所あたり) |
| 企業規模 |
賞与または退職金制度のいずれかを導入 |
| 中小企業 |
40万円 |
| 大企業 |
30万円 |
| 加算額(1事業所あたり) |
| 条件 |
支給額 |
| 賞与および退職金制度を同時に導入 |
56.8万円(大企業42.6万円) |
| 【概算要求】非正規雇用労働者情報開示加算 |
20万円(大企業15万円) |
社会保険適用に関連するコース(2026年現在の運用)
いわゆる「年収の壁」対策として、2025年7月に新設されたコースが令和8年度も継続・強化される見込みです。
1. 社会保険適用時処遇改善コース(2026年3月末終了)
令和8年3月31日までの暫定措置です。手当支給や労働時間延長により、社会保険加入による手取り減少を防ぐ取り組みを支援します。 【重要】 2026年(令和8年)3月末で終了となるため、活用検討中の方は早急な届出が必要です。
2. 短時間労働者労働時間延長支援コース(令和8年度概算要求版)
「年収の壁」対策の恒久的な受け皿として2025年7月に新設されたコースです。 週所定労働時間を延長し、新たに社会保険を適用させた場合に助成されます。
特に小規模企業への支援が手厚く、最大75万円(1年目50万円+2年目25万円)の受給が可能です。
令和8年度からのキャリアアップ助成金変更点まとめ
※以下は概算要求に基づく予定事項であり、変更の可能性があります。
- 情報開示加算の4倍増:厚生労働省の「しょくらぼ」等での公表により、中小企業なら従来の5万円から20万円が加算する案が示されています
- 適用範囲:情報開示加算は、キャリアアップ助成金の各コース共通(1事業所1回のみ)で活用可能です。
出典:厚生労働省「令和8年度概算要求の概要(キャリアアップ助成金)」
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【令和8年度概算要求反映版】キャリアアップ助成金に必要な「キャリアアップ計画」のポイントや計画書の書き方
キャリアアップ計画とは、非正規雇用労働者のキャリアアップを推進するための計画です。
キャリアアップ助成金を申請するには、コースごとに適したキャリアアップ計画を立てる必要があります。立案後はキャリアアップ計画書に落とし込み、管轄の労働局へ届け出なくてはなりません。
なお、令和8年度概算要求では企業の透明性を評価する「非正規雇用労働者情報開示加算」の拡充(20万円予定)が示されています。加算を受けるには、計画届出後の取り組みと併せて、厚生労働省のデータベース等での情報公表が必要となる点に注目しましょう。
コースの趣旨や実施期間に沿った取り組みを考案する
非正規雇用労働者のキャリアアップを支援する、具体的な取り組み内容を考案します。利用するコースの趣旨を確認し、それぞれに沿った取り組み内容を計画しましょう。趣旨から大きく逸れていると、助成金を受給できない恐れがあります。
取り組み期間は3年以上5年以内を設けなくてはなりません。5年間の期間満了後もキャリアアップ計画を継続する場合は、新たな計画書の提出(届出)が必要です。
労働者の意見のほか、すべての事業所の労働者代表の声をしっかりヒアリングして作りましょう。現場の意見に基づいてキャリアアップ計画を立てることで、実用性があるとして受給が認められる可能性が高まります。
計画の全体的な流れを決定する
キャリアアップ計画書には、計画の全体的な流れを記載する必要があります。時系列に沿って全体の流れを決めておけば、計画書をスムーズに作成できるのです。
取り組みは長期的に行うこととなるため、いつからいつまでにどのような施策を講じるかを念頭に置き、順序立てて計画しましょう。
キャリアアップ管理者を決める
キャリアアップ計画を管理・推進する「キャリアアップ管理者」を決める必要があります。
キャリアアップ管理者は複数の事業所の兼任や、労働者代表との兼任ができません。兼任できないことを踏まえた上で、事業所の労働者・事業主・役員のいずれかから選任しておきましょう。
必要な情報を計画書に記入する
キャリアアップ計画書に必要な情報を埋めていきます。計画書の様式は、キャリアアップ助成金のホームページからダウンロード可能です。
また、電子申請(キャリアアップ計画書、支給申請書)の場合、GビズIDの活用により省略できる項目があります。詳細につきましては、厚生労働省「令和8年度概算要求の概要(キャリアアップ助成金)」をご確認ください。
以下では、(様式第1号(計画(全コース共通)))の記入例を見ていきます。
「①キャリアアップ計画期間」と「②講じる措置の項目」については、申請コースに該当する情報を記入・選択してください。
以降、上記で選択したコースの計画について、該当箇所を記入・選択して添付します。
取り組みの前営業日までに「届出」を済ませる
作成したキャリアアップ計画書は、取り組みを開始する前営業日までに管轄の労働局やハローワークに提出します。
令和7年度以降、手続きは従来の「認定」から「届出制」へ移行しました。これにより、以前のように認定を待つ必要がなく、届出後すぐに取り組みを開始することが可能になっていますす。
祝日が近い場合は十分に注意し、前営業日までに提出できるよう準備をしておきましょう。電子申請であれば、メンテナンス中を除き窓口が閉まっている曜日・時間も申請できます。
取り組みを変えたら変更届を労働局に提出する
キャリアアップ計画は取り組み前の予定となる計画なので、キャリアアップの過程で内容が変わることもあるでしょう。その場合は随時内容を書き換えても問題ありません。
ただしキャリアアップ計画を変更した際には、速やかに「キャリアアップ計画変更届」を提出する必要があります。変更届を提出せずにキャリアアップ計画を変更した場合、助成金を受給できない可能性があるので十分に注意しましょう。
取り組み後に6か月分の賃金を支払う
キャリアアップ計画に基づいた取り組みの実施後、コースの要件に沿って6か月分の賃金の支払いを済ませます。正社員化支援に関するコースの場合は、正社員化前と比べて3%以上の増額が要件となります。
6か月分の賃金の支払いを終えたら、キャリアアップ助成金の申請手続きに進むことができます。計画書の提出や取り組みだけでなく、実際に賃金の支払いを終えてから申請できる点を踏まえておきましょう。
出典:厚生労働省「令和8年度概算要求の概要(キャリアアップ助成金)」
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キャリアアップ助成金の「申請方法」
キャリアアップ計画の届出と取り組み、そして賃金の支払いが無事に完了したら、賃金支払日の翌日から2か月以内にキャリアアップ助成金を申請します。
申請方法は、助成金申請サイトを利用した「電子申請」が推奨されています。令和7年度より事務手続きの簡素化が進み、電子申請を活用することで一部の書類や記入項目を省略できるようになっています。
電子申請で行う方法(推奨)
助成金申請サイト「雇用・労働分野の助成金電子申請システム」にて、オンラインでの支給申請が可能です。
電子申請を行うには、デジタル庁が発行している認証システム「GビズID(gBizIDプライム)」が必須となります。IDの取得には一定の期間(通常2週間程度)を要するため、取り組み開始前の「計画届出」の段階で早めに取得しておきましょう。
電子申請を活用すると、過去に提出した情報が自動で反映されるなど、支給申請書作成時の入力項目を大幅に簡略化できるメリットがあります。詳細な省略項目については、厚生労働省の「キャリアアップ助成金」をご確認ください。
紙書類で提出する方法
紙書類で申請する場合は、厚生労働省のホームページから各コースの「支給申請書様式」をダウンロードし、必要事項を記入します。
完成した申請書は、必要な添付書類(賃金台帳、就業規則の写し、雇用契約書など)を添えて、事業所の所在地を管轄する都道府県労働局へ郵送または持参により提出します。
なお、令和7年度の改正以降、従来の「認定」手続きが「届出」へ変わったことで、窓口での確認作業が迅速化されていますが、書類不備による差し戻しを防ぐため、事前に管轄労働局の助成金窓口へ相談することをお勧めします。
申請期限の厳守
いずれの方法でも、「賃金支払日の翌日から2か月以内」という申請期限を1日でも過ぎると受給できなくなります。特に「正社員化コース」などで2回に分けて支給される場合は、それぞれの期ごとに申請期限があるため十分に注意してください。
出典:厚生労働省「令和8年度概算要求の概要(キャリアアップ助成金)」
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キャリアアップ助成金が支給されない「5パターン」

キャリアアップ助成金は、申請要件を満たせば受給できる助成金です。しかし申請要件を満たしたつもりでも、思わぬ理由で不支給判定となる場合があります。
特に令和8年度概算要求では、「情報開示加算」の要件厳格化も予想されるため、情報の公表内容に虚偽や不備がある場合も厳しくチェックされる可能性があります。ここからは、キャリアアップ助成金が支給されない事例を5パターンで解説します。
パターン1:労働関連の法令違反がある場合
支給申請日の前日から過去1年間に労働基準法をはじめとする労働関連の法令違反がある場合は、キャリアアップ助成金を受給できません。残業代の未払いや、36協定の未届なども違反の対象となるため、事前の社内点検が必須です。
パターン2:実地調査を拒否した場合
キャリアアップ助成金の申請後、申請内容と実態(本当に対象者が正社員として働いているか等)を確認するために実地調査が行われることがあります。予告なく行われる場合もありますが、これを拒否すると助成金を受給できなくなります。
パターン3:書類の修正、再提出に応じなかった場合
申請書類や添付書類(賃金台帳や出勤簿、情報開示の実績がわかる資料等)に不備があると、労働局から修正や再提出を求められる場合があります。労働局が指定した期日までに適切な対応を行わなければ、不支給となります。
パターン4:過去の不正受給から5年以内の場合
本来受け取れないはずの助成金を不正に受け取った事業主は、5年間はキャリアアップ助成金の支給対象外となります。これには、厚生労働省管轄の他の雇用助成金での不正受給も含まれます。
パターン5:受給後の会計検査・実態確認へ協力しなかった場合
助成金の支給後であっても、会計検査院による検査や、労働局による事後調査が実施されることがあります。調査に協力しない場合、受給した助成金の返還を求められることがあります。不意の検査に対応できるよう、関係書類は支給決定日から少なくとも5年間は大切に保管しておきましょう。
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まとめ・最新のキャリアアップ助成金について条件や取り組みを理解しておこう

キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の能力向上を支援するだけでなく、事業の競争力や企業価値の向上に繋がる可能性があります。
さらに非正規雇用労働者の待遇を改善することで、優秀な人材の確保にも役立つのです。
キャリアアップ助成金を具体的にどう活用すればいいのか、本当に自社に活かせる制度なのかを知りたい方は、「雇用で差がつく助成金10選」もあわせてご活用ください。雇用に関して活用できる助成金をくわしく解説。社労士のアドバイスも掲載していますので、ぜひ合わせてご利用ください。

創業手帳別冊版「補助金ガイド」は、数多くの起業家にコンサルティングを行ってきた創業アドバイザーが収集・蓄積した情報をもとに補助金・助成金のノウハウを1冊にまとめたものになっています。無料でお届けしますのでご活用ください。また創業手帳では、気づいた頃には期限切れになっている補助金・助成金情報について、ご自身にマッチした情報を隔週メールでお届けする「補助金AI」をリリースしました。登録無料ですので、あわせてご活用ください。