起業後1年で法人カードは作れる?カードの選び方から注意点まで解説
起業後に事業を大きくしたいなら法人カードを作ろう!
起業して間もない事業主にとって、法人カードは経費管理やキャッシュフローの改善に効果的なツールです。しかし、「設立1年未満で法人カードは作れるのか?」と疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、起業後1年未満で法人カードを作る方法や、カード選びのポイント、審査に通るための準備について解説します。
新設法人や個人事業主でも利用可能なカードの特徴を知ることで、事業運営をスムーズに進めるための一歩を踏み出しましょう。
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この記事の目次
起業後すぐでも法人カードは作れる
設立1年未満でも法人カードを作れる場合があります。
ただし、すべてのカードが作れるわけではありません。一部の法人カードでは「2期以上の決算」や「業歴3年以上」が条件となっているからです。
そのため、創業直後には審査が柔軟なカードを選ぶことがポイントです。
個人与信(代表者個人の信用情報)を重視するカードは通りやすく、特に新興企業向けのプランを持つカード会社を探すのがおすすめです。
具体的な申し込み条件はカード会社によって異なるため、事前に確認しましょう。
法人カードを持つことで経費の一元管理が可能となり、経理作業が大幅に効率化します。
また、支払いと引き落としのタイミングに猶予が生まれるため、キャッシュフローの改善にも役立つでしょう。
事業を円滑に進めるためにも、適切なクレジットカード選びが重要です。
法人カードを作る最適なタイミングはいつ?
では、法人カードはいつ作るのが最適なのでしょうか。
おすすめは、起業してから2ヶ月のタイミングになります。
その理由は以下の2つ。
- 業務に慣れてくるタイミングだから
- 必要な限度額が概算できるから
起業直後は、法人カードを作る準備が整っていないことが多いです。
この時期は営業や経理、人事など、すべてを自分でこなす必要があり、非常に忙しい日々が続きます。そのため、カードを活用する余裕がない場合も少なくありません。
ただし、起業から2カ月が経過すると、業務に慣れて運営に余裕が生まれるケースが多いです。
このタイミングでは、会社運営に必要な固定費(家賃や水道光熱費など)を把握できるため、法人カードの必要性を判断しやすくなります。
また、実際に事業を2ヶ月ほど運転してみると、今後必要になる資金が予測できます。
法人カードを選ぶ際には、実際のニーズに応じて限度額やサービスのついたカードを選ぶ必要があるため、その点でも起業2ヶ月後に作成するのがおすすめです。
法人カードの作り方【必要なもの・手順】
法人カードを作るには、事前に必要な書類を揃え、適切な手順で進めることが大切です。
「準備」と「作成の手順」の2つの項目に分けて解説します。この記事を読むことで、実際に申し込みの作業をスムーズに進められます。
法人カードを作るのに必要なもの・準備
法人カードの申請には、主に以下の3つのものを準備する必要があります。
- 法人口座
- 代表者の本人確認書類の写し
- 登記簿謄本か印鑑証明
それぞれの書類が審査時に重要な役割を果たしますので、正確かつ最新のものを揃えるようにしましょう。
また個人事業主か法人かで必要となる書類が異なる場合もありますので、詳しくは各カード会社のウェブサイトなどでご確認ください。
1. 法人口座
法人カードの支払いには法人名義の銀行口座が必須です。
この口座は、カード会社が会社の財務状況を確認する際の材料としても利用されます。
新設法人の場合は、早い段階で法人口座を開設しましょう。
なぜなら、取引履歴を積み重ねることで信頼性を高めることが大切だからです。また、法人口座があると事業資金と個人資金を明確に分けられるため、経費管理が容易になります。
法人カードの申請を予定している場合は、まず法人口座を整え、資金の出入りを明確に示せるよう、日々の運用を意識しましょう。
口座の残高を十分に維持し、安定した資金の流れを第三者に示すことが審査通過のポイントとなります。
2. 代表者の本人確認書類の写し
法人カードの申し込みには、代表者の本人確認書類が必要です。以下のいずれかのコピーを準備しましょう。
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード
- 在留カード
- 住民票 など
これらの書類には、代表者の氏名、現住所、生年月日が明記されており、有効期限内であることが条件です。
特に住民票の場合は発行日から6カ月以内のものを提出する必要があります。
場合によっては、複数の本人確認書類の提出が求められることもありますので、カード会社からの指示をよく確認しましょう。
不備があると審査が遅れる可能性があるため、必要書類を正確に準備することが重要です。
3. 登記簿謄本か印鑑証明
法人カードの審査では、法人の実在性や代表者の権限を確認するため、登記簿謄本または印鑑証明の提出が求められます。
登記簿謄本はスムーズな手続きを可能にするための基本書類として使われることが多いです。これらの書類は発行から6カ月以内のものを準備する必要があります。
印鑑証明書に加えて定款や決算書の提出を求められるケースもあります。
特に新設法人の場合、審査で会社の信頼性を示すためにこれらの補足書類が重要な役割を果たします。
事前に発行手続きを済ませ、万全の状態でカード申請に臨んでください。
法人カードを作る手順
法人カードを作るには、以下の4つの手順を踏む必要があります。
- 法人カードを選ぶ
- カードを申し込む
- 必要書類を提出する
- 審査を受ける
各ステップで適切に対応することで、スムーズな発行が可能です。それでは、具体的な手順を順を追って解説していきます。
STEP①:法人カードを選ぶ
法人カードは、利用目的に合ったものを選ぶことが重要です。具体的には以下の項目などで気になるカード同士を比較しましょう。
- 年会費
- ポイントプログラム
- 付帯サービス
- 利用限度額 など
また、設立年数や決算期数に応じて申し込めるカードが異なる場合があります。
条件を確認し、自社の状況に合致したカードを選ぶことが、審査通過のために重要です。
カード会社のウェブサイトや金融アドバイザーの情報も活用して、最適な選択を行いましょう。
STEP②:カードを申し込む
法人カードの申し込みは、通常インターネットを利用して行います。
カード会社の公式サイトから申し込みページにアクセスし、会員規約に同意したうえで必要事項を入力しましょう。
必要情報として、法人名、業種、資本金、従業員数などが求められます。
受付完了後、メールで申し込み確認や審査結果の通知が届くことが多いです。
インターネットでの手続きが難しい場合もご安心ください。
郵送での申し込みにも対応しているケースが多いので、不安な方は申し込み方法を事前に確認しておきましょう。
STEP③:必要書類を提出する
申し込みが完了すると、カード会社から申込書が送られてきます。必要事項を記入し捺印のうえ、必要書類とともに返送します。
法人の場合は、登記事項証明書や印鑑登録証明書、代表者の本人確認書類が必要です。
個人事業主の場合は、本人確認書類を2点提出するケースが多いです。
さらに、支払口座となる銀行口座情報も必要となります。
書類に不備があると審査が遅れる原因となるため、内容をよく確認し、期限内に提出するよう心がけましょう。
STEP④:審査を受ける
審査では、法人の財務状況や事業の安定性、代表者の信用情報などが確認されます。
場合によっては追加書類の提出や、カード会社から確認の連絡があることもあります。
審査が通過すれば、契約書類が送られてきます。
その後、カード発行までに約1週間かかることが一般的です。
審査に落ちた場合は、その理由を確認し、不足している部分を改善したうえで時間を空けてから再申請しましょう。
法人カード選びに失敗したいための3つのポイント
法人カードを選ぶ際には、自社のニーズや将来の事業拡大を見据えた選択が重要です。ここでは、失敗を防ぐ3つのポイントを詳しく解説します。
- 利用限度額と想定経費のバランス
- 年会費と付帯サービス
- 追加カードの発行条件と枚数
限度額、年会費、付帯サービスの内容など、複数の要素を比較しながら検討しましょう。
ポイント①:利用限度額と想定経費のバランス
法人カードを選ぶ際には、月々の経費に見合った利用限度額を設定することが重要です。
一般的には、月の経費の2~3倍程度の限度額を目安にすると、十分な余裕を持って利用できます。
経費の変動が大きい事業の場合、限度額を柔軟に調整できるカードを選ぶと安心です。
さらに、将来の事業拡大を見据えて限度額の引き上げが可能なカードを検討しましょう。
ただし、限度額が低すぎると業務に支障をきたし、高すぎると不正利用のリスクが高まります。
自社の経費を把握し、最適なバランスを考えたカードを選ぶことが成功のカギです。
ポイント②:年会費と付帯サービス
法人カードには年会費が必要な場合が多く、そのコストに見合ったサービス内容を確認することが大切です。
例えば、年会費が高いカードは、空港ラウンジ利用や海外旅行保険などのサービスが充実していますが、事業内容によっては不要な場合もあります。
一方、国内利用が中心の事業であれば、国内特化型の法人カードを選ぶことでコストを抑えながら必要な機能を確保できます。
利用頻度や業務内容を考慮し、サービスの充実度と年会費のバランスが取れたカードを選ぶことで、経費効率を最大化しましょう。
ポイント③:追加カードの発行条件と枚数
従業員や経費発生部門が多い企業では、追加カードの発行条件や利用枚数に注目することが重要です。
追加カードごとに利用限度額を設定できる機能や、リアルタイムでの利用状況確認機能は、経費管理を効率化します。
さらに、年会費の負担が少ないカードや、ETCカードを追加発行できるカードは、車両を多く保有する企業に適しています。
自社の業務内容をしっかりと分析し、追加カードの管理機能や費用条件が自社に適しているカードを選ぶことで、無駄なく活用できます。
法人カードの審査でみられる3つのポイント
最後に法人カードの審査でみられるポイントを3つ紹介します。
- 財務状況
- 事業年数
- 代表者の信用情報
ひとつずつ見ていきましょう。
ポイント①:財務状況
法人カードの審査で最も重要視されるのが財務状況です。
黒字経営を維持している場合は、支払い能力が高いとみなされ審査に有利になります。
ただし、赤字決算でも設備投資や一時的な要因によるものであれば、キャッシュフローが健全であることを示せば通過する可能性があります。
審査には、登記簿謄本や決算書などの書類が求められることが一般的です。
これらの書類を事前に準備し、正確に提出することが大切です。
特に新設法人の場合は、少ない取引履歴でも信頼性を示すために、事業計画や資金の使途を明確にする工夫が求められます。
ポイント②:事業年数
法人カードの審査では、事業年数も重要な基準となります。
設立後3年以上や2期以上の黒字決算がある企業は安定性が評価され、審査に通りやすくなります。
一方、新設法人や設立1年未満でも申し込み可能なカードも存在するため、事業年数が短い場合は対応カードを探すことがポイントです。
事業年数が短い場合は、他の要素で信頼性を補うことが必要です。
例えば、財務状況が安定していることや、代表者の信用情報が良好であることを示せば、事業年数が不利な場合でも審査を通過できる可能性があります。
ポイント③:代表者の信用情報
法人カードの審査では、代表者の個人信用情報が重要な要素となります。
特に、クレジットカードの利用状況や支払い履歴、借入状況が詳しく確認されます。
延滞や債務整理がある場合は、審査に影響を及ぼす可能性が高いです。
一方で、代表者の信用情報が良好であれば、会社の財務状況が不利な場合でも審査に通過しやすくなります。
法人カードを申し込む前に、個人の信用情報を確認し、必要に応じてクレジットスコアを改善する努力が重要です。
まとめ:法人カードを発行して事業を成長させよう
法人カードは、事業の経費管理やキャッシュフロー改善に大きく役立つツールです。
設立1年未満でも対応するカードを選べば、新設法人でも利用可能です。
重要なのは、会社の状況に合ったカードを選び、適切なタイミングで申し込むことです。
さらに、利用限度額や付帯サービス、追加カードの条件などをよく確認し、失敗のない選択を心がけましょう。
法人カードを活用すれば、経営効率化と事業成長が期待できます。この機会に、最適な法人カードを検討してみてください。
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