安否確認・おもちゃのコントロールができる乾電池型IoT製品!?ノバルス代表 岡部 顕宏が目指す未来

創業手帳
※このインタビュー内容は2018年10月に行われた取材時点のものです。

メイドインジャパンにもう一度輝きを

(2018/10/16更新)

自動車や家電製品、はたまたスピーカーなど、身の回りにある様々なものがインターネットで繋がる仕組みである「IoT(Internet of Things)」。この仕組みは人の生活を変える技術として近年注目を集めています。
今日に至るまでにあらゆるIoT製品が登場していますが、今回ご紹介するノバルス株式会社が展開しているのは、なんと乾電池型のIoT製品。乾電池をIoTにすることで一体どのようなことができるのでしょうか?
代表取締役である岡部 顕宏氏に、IoT乾電池の使い道や起業前後のエピソードについてお話を伺いました。

岡部 顕宏
アスキー、ゲーム会社大手スクウェアの新事業子会社 商品企画、事業企画部門、 セイコーインスツル 新事業企画部門を経て2015年ノバルス株式会社を創業。
2016年グッドデザイン金賞、キッズデザイン優秀賞、2017年Makuakeビジネスインパクト賞、イノベーションアワード特別賞、2018年Plug and Play Batch1 EXPO Award&EXPO Winner、Tech in Asia 優秀賞受賞

おもちゃのコントロールから安否確認まで!乾電池型IoT製品の使いみち

—まずは、御社のサービスについて教えてください。

岡部:乾電池型のIoTデバイス「MaBeee(マビー)」の開発や、IoTを活用した業務効率改善のご提案などを事業としています。

例えば、ミニ四駆やイルミネーションなど乾電池で動く製品の電池をMaBeeeに入れ替えるだけで、速さ調節やイルミネーションの光の波形・明るさといったものを、専用のアプリでスマホやPCからコントロールすることができます。

また、IoT製品は使用した履歴や時間帯を確認することができます。
例えば、テレビリモコンなどの電池をMaBeeeに入れ替えれば、「この時間帯にテレビリモコンが使われているな」ということをチェックすることができるのです。

現代は、高齢者の方が一人で暮らしているケースが増えています。テレビリモコンの使用状況を見ることで安否確認ができるようになるので、ご親族が抱えている心配事の解決にもつながります。

—このビジネスを始めたきっかけはどのようなものでしたか?

岡部:様々な企業の方々が、埋もれたアイディアを持ち寄ってディスカッションする「ヤミケン」というコミュニティーがありまして、その場で生まれました。

—起業する際に、一番大変だったことはなんでしたか?また、それはどうやって乗り越えていきましたか?

岡部:起業した際は、人、物、お金の全てが足りませんでした。その中でも特に大変だったのが「人」について。
起業の際は私ひとりでスタートしたのですが、そこから仲間を募り、第一弾製品を完成させるまで、本当に苦労しました。
周りの人に助けてほしいテーマを投げかけて協力者を募りながら、一歩ずつ進めていったことで、完成させることができました。

—この事業をやっていて、嬉しかったことは何ですか?

岡部第一弾製品はクラウドファンディングで資金を募ったのですが、その際に多くの方々から暖かいメッセージをいただいたことが嬉しかったですね。
また、そのあと事業を進んでいく際に取引先の方々にも出会ったのですが、その方達にも暖かいメッセージをいただけました。これも嬉しい出来事です。

—起業した際に、人材はどのように集めましたか?

岡部:人材を集めるといっても採用に費やす予算はありませんでした。なので、人材集めは知人からの紹介が中心でしたね。
技術を持っていることはもちろん、リスクを恐れずに積極的に挑戦する姿勢、やるべきことを自ら見出し、率先して高速に取り組める人材を探しました。

—顧客との信頼関係を築く上で、実践していることはありますか?

岡部:当社は極めて少ないリソースで事業運営しているので、まず現在のステージを次のステージに進めるための顧客か、もしくはその先の将来の可能性のある顧客かで対応を変えざるを得ません。

そのためまず現在のステージを次のステージに進める顧客を最優先しています。
一方、将来の可能性の顧客にも粗雑に感じられないよう、その点は皆様にご理解をいただくよう心がけています。

目指すは「メイドインジャパン」の復活

—事業を行っていく上で、大切にしている信念はありますか?

岡部:「社会をよりよく進化させるために正しいと信じる行いをする。」
これが大切にしている信念ですね。

—今後の目標はありますか?

岡部:日本製品はかつて、世界中の人々に感動を与えてきました。ですが、昨今その輝きは影を潜めています。

私たちが携わっている「IoT」は、日本製品は再び輝くチャンスです。私たちは様々な企業様とコラボレーションしていくことで、「メイドインジャパン」の復活を目指します。

—最後に、起業家に向けてメッセージをお願いします!

岡部:目指す目標は世界を変えるほどのインパクトを持ちながらも、小さく高速に進めること、事実を冷静に受け入れ修正しながらも、信じた道を愚直に粘り強く進むこと、何より仲間を、関わった人、助けてくださった人達を大切にすること。
これらを意識して、自身の事業に取り組んでみてください。

(取材協力:ノバルス株式会社 代表取締役 岡部 顕宏)
(編集:創業手帳編集部)



創業手帳
この記事に関連するタグ
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す