顧客が自然とやってくる! マーケティングの本質を捉える3つの指針とは
事業を成功させるためにはマーケティングが不可欠
(2016/08/23更新)
「マーケティング」とは何か、本質まで理解し、行動に落とし込めている人はどれだけいるでしょうか。本質を理解することで、効果的なマーケティングが可能となります。
今回は、あなたのビジネスの成長の指針となるような、マーケティングの本質を知っていただくことをゴールに、マーケティングとは何か、マーケティングの3つの指針についてご紹介します。
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この記事の目次
マーケティングとは
事業が失敗する大きな原因に、十分な事業収益を得られず、運営していくための資金が枯渇してしまう状況が挙げられます。事業は商品を通して誰かの課題を解決する活動です。事業主は課題解決の対価としてお金を顧客からいただきます。つまり、顧客を集められないことが事業失敗に繋がっています。
顧客を増やすためには、商品と未来の顧客とをマッチングさせる必要があります。そのマッチングさせる活動がセールスです。企業にとって最も必要なのはセールスすることです。そしてそのセールスをしやすくする活動がマーケティングです。
事業運営に欠かせない活動として、セールスとマーケティングはあります。セールスがしやすくなれば、よりたくさんの顧客を得られます。たくさんの顧客はたくさんの利益をもたらします。つまり、事業を成功させるためにはマーケティングが不可欠なのです。
あなたも創業にあたって、ありとあらゆるメディアから、いろんな情報を集めていると思います。現に今もこの記事を読んで、マーケティングというものについて何かしら役に立つ情報を得ようとされています。
マーケティングについての情報はwebメディアや、書籍、セミナーなどいろんな方法で得られます。でも、実はその多くがマーケティングを理解していない人の発信している情報だということをご存知ですか?
マーケティングとして語られている情報のほとんどが調査や広告、商品企画などの手法の話です。あるいは、自身のビジネスに落とし込みづらい学術的な内容や、特定のビジネスで成功した特殊なケースの内容だったりします。
「マーケティングとは何なのか?」を理解した上で発信されている情報は非常に少ないのです。なので、勉強熱心な人であればあるほど、具体的に何から始めれば良いのかがわからなくなります。
マーケティングの定義
マーケティングとは、セールスをしやすくするためにすることです。その手法は多岐に渡ります。
例えば、市場が欲しいと思う商品を作ることもそうです。自分の商品を求める人に売ることもそうです。価格の調整など買い易い条件をつくることもそうです。あるいは、競合他社よりも買い求めやすい条件にすることもそうです。広告で訴求をしたり、流行っている雰囲気をつくることもそうです。
全ては顧客が自ら望んで商品を買う状況を如何に作るか?ということです。手法はなんでも構いません。ただ、どれか一つをやれば良いということでもありません。
マーケティングの3つの方針
1.相手を替える
顧客にしたい人が目の前に居たとしても、あなたの売り物がその人にとって役に立つ商品でなければ買ってもらえません。なので、自分の扱っている商品が役に立てる相手を探すということです。セールスができるAさんが目の前に居たとしても、セールスし易いBさんを探してセールスをするという方針です。
そのためには、あなたの扱う商品にどんなメリット(得られる結果)があるのかを知る必要があります。そして、そのメリットによって解決できる課題を持った人が、あなたの商品を訴求すべきターゲット(将来の顧客)になります。
商品を求める人を見つければ、セールスはしやすくなります。
2.商品を変える
これは顧客にしたい人や目の前に居る人が望む形に、商品自体を変化させていくということです。たとえば、内容量を変える、成分を変える、形状を変えるなどの製品面での変化や、価格を変える、購入方法を変える、提供方法を変える、などのサービス面での変化もあります。
そのためには、相手の抱える課題を具体的に知ることはもちろん、それをどう解決しようとしているか、何をもとに商品を選ぶのか、結果どういう状態になりたいのかなど、ターゲットとする相手のことを良く知る必要があります。特に感情面の考察を具体的にすることが大切です。
相手が求めている状態になれば、セールスはしやすくなります。
3.相手を変える
これは課題が明確になっていない相手に対して、商品の与えるメリット(良い結果)を啓蒙することによって、これまで無かった相手の欲求を生み出し、市場をつくるアプローチです。
このアプローチで展開されれば、新たな市場をつくる革新的な商品にできます。
創業される方の多くは、自身のビジネスアイデアを基に事業を始められると思います。アプローチとしては「3」のパターンを想定されていることが多いように感じます。
でも、これには圧倒的な商品力と市場を啓蒙するだけの莫大な費用が必要になります。現時点で求められている商品ではないので、価値を伝えきれず失敗する可能性も大きいと言えます。(元々必要とされていない商品を作ってしまうケースも多々有ります)
地に足の付いた経営をしていきたいのであれば、「1」「2」のアプローチをおすすめします。「1」「2」のアプローチについては、ある程度やるべきことがはっきりとしているため、成功の確度が高まります。
マーケティングの方向性が決まれば、次はマーケティングプロセスの設計をしていきます。
マーケティングプロセスは顧客化を促進するための仕組み
マーケティングプロセスとは、セールスをしやすくするための過程のことです。以下の図を見てください。生活者が顧客になるまでには大きく5つのプロセスがあります。
まず、商品の存在を知ってもらう、そしてその商品に対して興味をもってもらう、興味をもって一歩踏み出したターゲットに、自分にとって必要な商品だと納得してもらう、そして、購入を後押しするための購入条件や購入方法によって、最終的に購買へと導きます。
セールスをしやすくするために、この顧客の心理と行動の変化を各プロセスで実現していくことがマーケティング活動です。
マーケティングプロセスには5つの障害があります。
「知らない」「興味がない」「必要なものかわからない」「信用出来ない」「他の商品の方が良い、今はいらない、買いづらい」などです。これらの理由によって、マーケティングプロセスが機能しなくなります。
顧客を増やすためには、この5つの障害を乗り越えて、できるだけたくさんの人に購入までたどり着いてもらわなければいけません。障害をなくし、スムーズな顧客化の流れを作るために各プロセスで行うのが、マーケティング施策です。
なので、特定の施策に偏って展開をしてしまっていては、スムーズな顧客化の流れを作れず、必要以上に無駄な費用と時間を使ってしまうことになります。全てのプロセスにおいて、各施策が機能する状態をつくらなければいけません。
まとめ
・マーケティングとはセールスをしやすくするためにすることです。
・その方針は「相手を替える」「商品を変える」「相手を変える」の3つです。
・顧客化するまでには5つのプロセスがあり、それらをスムーズに進めるために行うことが、マーケティング施策です。
マーケティングは事業運営そのものと言えます。そのため、経営者が自ら率先して行うべきで、外部に丸投げするものではありません。
マーケティング要件(誰に、何を、どのように)や、目標達成のための獲得計画などの核となる部分は自ら考え、それを実現させる実行部隊として外部のパートナーを位置づけるようにしてください。
そして、限られた機会を最大限利用して、成果の最大化を目指すために、マーケティングプロセスを構築し、マーケティング施策の計画・実行・検証・改善に取り組んでください。
(監修:株式会社テマヒマ 平岡大輔)
(編集:創業手帳編集部)