主婦・シニア・学生でもできる!年齢・立場にしばられない“自分らしい起業”のはじめ方
自分に合った起業アイデアを見つけよう
「今の自分でも、本当に起業できるのだろうか?」
そのような不安を抱える方のために、この記事では主婦・シニア・学生など、属性ごとの特性や環境に合った起業アイデアを紹介します。
年齢や立場に関係なく「あなたらしい起業」を見つけるヒントにしてください。
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この記事の目次
起業は「属性」で選ぶと、現実的になりやすい
起業は、主婦・シニア・学生といった属性で選ぶと起業が現実的になりやすいといわれています。
属性別アプローチが重要な理由は、以下の通りです。
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- 一般的な起業ノウハウは「理想論」になりがちで、実際の制約を考慮していない
- 成功事例の多くは特定の条件下での話であり、万人に当てはまるわけではない
- 属性を意識することで「できない理由探し」ではなく「できる方法探し」に思考が変わる
時間・資金・スキル・人脈…制約は立場によって異なる
時間や資金、スキルや人脈などは、立場(属性)によってそれぞれ制約があります。
属性別の制約の一例を以下の表にまとめています。
主婦の場合の制約例 | 時間:家事・育児の合間の細切れ時間、平日昼間が中心 資金:家計に影響しない範囲での初期投資 スキル:社会復帰への不安、最新トレンドへのキャッチアップ 人脈:ママ友コミュニティ、地域との繋がりは豊富 |
シニアの場合の制約例 | 時間:定年後の豊富な時間、体力面での配慮が必要 資金:退職金や年金という安定収入、リスク許容度は低め スキル:長年の職業経験、デジタル分野への苦手意識 人脈:業界での豊富な人脈、同世代のネットワーク |
学生の場合の制約例 | 時間:授業や就活との両立、長期休暇の活用 資金:限られた予算、親からの支援や奨学金 スキル:基礎知識習得中、新しい技術への適応力 人脈:同世代中心、社会人との接点は限定的 |
だからこそ「今の自分に合うやり方」ではじめるのがカギ
発想を転換させると制約を強みに変えられます。
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- 限られた時間だからこそ効率性を追求した仕組み作りができる
- 少ない資金だからこそ創意工夫でコストを抑えた運営ができる
- 既存スキルの活用で差別化が図れる
- 身近な人脈から確実な顧客基盤を築ける
制約があると起業する上でデメリットとなると考える場合もありますが、上記のように転換すれば強みになります。
「今の自分に合うやり方」で起業するためにも、自分の属性を考慮した起業アイデアを探してください。
主婦におすすめの起業アイデアとポイント
ここからは、主婦におすすめの起業アイデアやポイントを解説していきます。
主婦起業のポイント
主婦が起業するためのポイントは以下の通りです。
家族の理解を得る
主婦が起業するとなれば家族の理解を得ることが最も重要です。
理解を得ないまま起業すれば、協力を得られず仕事がスムーズに進まないだけではなく、家庭内にわだかまりができてしまいます。
具体的なビジョンを示し、しっかりと家族内で話し合うことが大切です。
まずは個人事業主や副業としてはじめる
起業をする前に、まずは個人事業主からスタートするほか、副業としてはじめることを検討してみてください。
個人事業主であれば開業資金をかけることなく、届け出のみでビジネスをスタートできます。
個人事業主や副業として売上げが増え、実績や節税効果が見込めるようになれば、法人設立を検討したほうがリスクを抑えられます。
主婦におすすめの起業例
主婦におすすめの起業例は、ハンドメイド販売、自宅サロン、料理・お菓子教室・SNS運用代行などです。
それぞれの特徴を知り、起業に向けて役立ててください。
ハンドメイド販売
自分で制作したアクセサリーや布小物、雑貨などを販売して起業する方法です。
裁縫が得意、手先が器用といった人が趣味を兼ねて雑貨を制作し、個人のインターネットショップを開設して販売しているケースが多いです。
実店舗を持つ方法もありますが、インターネットショップを活用したほうが起業の資金を抑えられます。
自宅サロン(ネイル・エステ)
ネイルやエステなど、美容系サロンの運営も主婦におすすめの起業例のひとつです。特に必要な資格もなく起業できますが、民間資格を取得すると信頼を集めやすいです。
店舗は、テナントや賃貸マンションといった方法で開業できますが、自宅の一部をサロンとして提供する自宅サロンは設備投資が少ないので、比較的起業しやすい方法になります。
料理・お菓子教室
料理が得意な主婦には料理教室やお菓子教室での起業がおすすめです。
料理教室を開くにあたっては、調理師免許といった資格は求められておらず、保健所からの許可や法律で必要な許可もないので開業のしやすさが特徴です。
レンタルキッチンや自宅の一室などでも起業できます。動画配信やSNSを積極的に活用すれば、認知度や集客力アップに役立ちます。
SNS運用代行
InstagramやXといったSNSを企業の代わりに管理や運用を行う仕事がSNS運用代行です。
集客や商品の紹介、サービス活用への導線づくり、認知度アップなど、運用代行の目的は企業によって異なります。
スマートフォンやSNSの普及にともなってSNS運用代行の需要は高まっています。
未経験でも起業できますが、各種SNSの知識やマーケティングスキル、広告運用、分析スキルなどが必要です。
シニアにおすすめの起業アイデアとポイント
次に、シニア向けの起業のポイントや起業アイデアを紹介していきます。
シニア起業のポイント
まずは、シニアが起業する際のポイントです。以下のポイントに注意をして起業を進めてみてください。
過去の人脈や知識を活かす
シニアの場合、人脈や知識を活かすことで起業を成功に導くことができます。
経験やスキル、人脈はシニアにとって貴重な財産です。例えば、会社員時代に培った人脈によって業務提携や資金提供などを得られる可能性があります。
豊富な知識を活用すれば、起業でも活かせるでしょう。
事業資金と老後の資金を分ける
シニアが起業する場合、今後も長い人生を過ごすためにも事業資金と老後資金を分けたマネープランを立てることが大切です。
定年を迎えれば年金生活になるため、老後資金はあらかじめ用意しておく必要があります。
老後資金を考慮せずに起業すれば、準備のために多くの資金を使ってしまうため、回収できるまでの生活が苦しくなってしまいます。
起業が失敗すれば老後資金までも失う危険性があるため、起業前にしっかりとマネープランを立てるようにしてください。
健康第一
若いうちに起業する場合と違ってシニアの起業は健康面の不安が避けられません。
起業するには心身ともに大きな負担がかかるので、健康で過ごすことは事業を成功させるためにも大切なポイントです。
定期的に健康診断を受ける、リフレッシュする時間を設けるなど、体や心の健康のためにも自分を労わるようにしてください。
シニアにおすすめの起業例
シニアには、経験を活かした「第2のキャリア」型ビジネスがおすすめです。以下を参考にして起業方法を考えてみてください。
コンサルタント
特定の分野における経験や実績を活用したいならコンサルタントがおすすめです。特定の企業に対して経営改善のサポートをするのがコンサルタントの役割です。
例えば、病院の経理や事務といった仕事を長く経験してきたシニアは、病院経営のコンサルタントとなって経営面のアドバイスを実施できます。
経理上の改善点や効率化に対して的確な助言ができ、再建のサポートができます。
営業代行
これまで培ってきた人脈やコミュニケーション能力を活かしたいなら、営業代行での起業がおすすめです。
他社の営業活動をサポートすることが主な業務となっており、長年の経験で得た信頼関係や業界知識を発揮できます。
営業代行は比較的簡単に参入できる事業なので、スタートしやすい点が特徴です。ランニングコストが低い点も魅力です。
講師
シニア世代は経験と知識が豊富なので、講師の仕事にも向いています。
自分が持っている知識や経験を若い世代に継承したいのであれば、講師としての起業を目指してみてください。
ニーズの高い分野であれば、効率的にビジネスを展開できます。
不動産
すでに不動産を所有している人や不動産を購入できる資金を持っている人におすすめなのが不動産業での起業です。
元手が多く必要な起業方法ですが、貯蓄や退職金といったようにまとまったお金が用意できるシニアにとっては起業しやすい方法です。
立地の良い場所、暮らしやすい環境を提供できる不動産を取得していれば、長期的に安定的な収入を得ることができます。
学生におすすめの起業アイデアとポイント
ここからは、学生向けの起業のためのポイントや起業アイデアを紹介していきます。
学生起業のポイント
学生が起業する場合には、以下の点がポイントです。
自由な時間を作りやすい
学生は社会人と比較するとビジネスにかける時間を作りやすいです。
起業するといっても様々な手順を踏む必要があるので、学業の合間を活用すればスピーディな起業ができます。
大学の資源を活用する
学生が起業するとなれば大学の資源を活用できる点が魅力です。
教室や実験室といった一角を作業スペースにできるほか、パソコンやコピー機といった設備も使えます。
そのため、社会人が起業する場合と比較すると初期費用やランニングコストが抑えられるメリットがあります。
大学からの許可を受ければ、テストマーケティングやアンケートなども実施可能です。
リスクを抑えやすい
学生による起業はリスクが少ないといわれています。学生なので生活面では家族からの援助を受けられるため、例え事業に失敗したとしても生活資金の不安が少ないです。
加えて学生には就職活動の選択肢もあるため、起業がうまくいかなければ就職へシフトチェンジすることもできます。
起業にチャレンジした経験は高く評価する企業も多いので、就職活動も有利に進められます。
学生におすすめの起業例
学生が起業するなら、若さ・発信力・柔軟性を活かせるジャンルがおすすめです。
アプリ開発
コーディングやプログラミングといった知識があれば、アプリ開発がおすすめです。
近年では、プログラミングの知識や経験を持っていなくても、アプリ開発ができるノーコード開発も注目を集めています。
優れたアイデアがあれば専門的なスキルが無くても独自のサービスを創出可能です。
動画編集
SNSやYouTubeなど、様々なプラットフォームで動画コンテンツが求められています。
制作スキルは高い市場価値となっており、高い編集スキルを持っていれば多様なクライアントから依頼を受けられる可能性があります。
未経験の場合でも、書籍やYouTube、ブログなどを活用して知識を習得することが可能です。
オンライン講座を活用すれば、プロの講師からの指導を受けられるのでおすすめです。
Webサイト制作
インターネット上で閲覧できるWebサイトの新規構築や既存のものをリニューアルする作業をWebサイト制作といいます。
プログラミングの知識やスキルがあれば、起業を目指すことも可能です。インターネット環境があれば仕事ができるので、大学や自宅でも作業を進められます。
せどり
商品を安く仕入れて高値で転売することを「せどり」といいます。インターネットショップやフリマアプリを通じて販売できるので、手軽にはじめられる起業方法です。
学生であれば、若者のニーズに合ったアイテムをキャッチできるでしょう。流行を捉える目を養い、競争優位を築くことが大切になります。
【共通】属性に関係なく押さえておきたいこと
主婦、シニア、学生など、属性に関係なく押さえるべきポイントとして、自分の“今できること”に目を向けることと完璧な準備より、小さくはじめて学ぶ姿勢が挙げられます。
いきなり大きな仕事に着手しても失敗すれば大ダメージを負ってしまうかもしれません。
しかし、学ぶ姿勢を持ちながら小さく起業をスタートすれば、例え失敗をしても受けるダメージが比較的小さくなります。
また、起業の補助金や無料相談を活用することもポイントです。起業する際には多くの資金が必要です。
「小規模事業者持続化補助金」や「ものづくり補助金」などが挙げられるので、持続的な経営を目指すためにも活用を検討してみてください。
起業で不明な点があれば相談することも大切です。日本政策金融金庫や商工会議所、よろず支援拠点や税務署など、悩みに合わせて相談すれば悩み解決に役立ちます。
まとめ|「今の自分」からできる起業を見つけよう
年齢・立場・環境は人それぞれですが、「今だからこそできる起業の形」は必ずあります。
自分に合ったやり方からはじめることで、無理なく続けられるビジネスが実現できるでしょう。
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(編集:創業手帳編集部)