ブレーンとは?経営・ビジネスにおける役割や探し方のポイントを解説

創業手帳

ブレーンの存在が経営・ビジネスの成功につながる


新しい視点でアドバイスを提供するブレーンは、多角的な視点で意思決定するために欠かせません。
ブレーンから意見をもらうことによって、経営層が気づいていないリスクやチャンスに出会えることもあります。
ブレーンとの信頼関係は意見交換やフィードバックによって築き上げられます。ただ、ブレーンを任命するだけでなくお互いに成長を促進できる関係を目指してください。

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ブレーンとは?


ブレーンとは、直訳して脳や頭脳を指す言葉です。
そこから転じて、ビジネスの場において経営戦略やアイデアの立案者としての役割を持つ人をブレーンと呼ぶようになりました。
一般的には、経営者の周囲にいるコンサルタントやアドバイザーをブレーンと呼ぶケースが多いです。

ブレーンとなった人は、企業を客観的な視点で見て評価し、問題解決や戦略の策定に貢献します。
社内の人間だけでは生まれないソリューションやアイデアを提供するように期待される立場です。

ビジネスシーンにおける意味

ビジネスシーンにおいて、ブレーンは企業の戦略の中枢の役割です。
近年は、市場環境が複雑化しており、変化も急速になりました。その中で専門的な知識や経験があるブレーンの意見は重要な意味を持ちます。

ブレーンは外部の視点を持っているため、内部にいる経営層の視野を広げて課題を多角的に分析できます。
異なるバックボーンを持つブレーンとの意見交換は、新しいソリューションや創造的な発想が生まれるきっかけになるかもしれません。
企業が競争力を維持して成長し続けるためにブレーンを配置することは大きな意味があります。

ブレーンとメンターの違い

企業の成長をサポートする立場には「メンター」もあります。メンターは、助言者や指導者を意味する言葉です。
しかし、メンターは社員の自己成長やキャリアアップの支援者で経営層やリーダーに助言をするブレーンとは違います。
一般的には、職場の先輩や上司がメンターとして、アドバイスや指導を提供します。

ブレーンは、ビジネス上の課題解決や戦略に特化していて、メンターは社員の成長を支える存在です。
企業の戦略的意思決定に関与するブレーンと個人の成長をサポートするメンターはどちらも組織の成長に欠かせません。
それぞれの役割を理解して使い分けるようにしてください。

外部ブレーン・内部ブレーンの違い


ブレーンには組織外部の存在である外部ブレーンと、組織内部の内部ブレーンに分けられます。それぞれの違いは以下の表でまとめました。

外部ブレーン 内部ブレーン
定義 専門家として外部から招かれた顧問や専門家、コンサルタント 経営者と同じ組織で活動する組織やチーム
求められる役割 独立した立場の専門家としての見解や経験からアドバイスを行う 組織の現状やビジョンを正しく理解した上で組織の調整を担うほか、現場の声をヒアリングする
特徴 客観的な視点を持つ その企業の内部や業務に精通している
利用するメリット 社内リソースを使わずに専門的な支援を受けられる 社内の情報交換やコミュニケーションを高める

外部ブレーンも内部ブレーンも企業に対して戦略的なサポートを行います。しかし、それぞれの得意分野やバックボーンは異なります。
その企業にとってどのようなアドバイス、サポートが必要なのかを考えて、適したブレーンを決定してください。

外部ブレーンの特徴

外部ブレーンは、企業や組織の内部に所属していないブレーンです。具体的には、中小企業診断士や会計士といった専門家やコンサルタントが外部ブレーンに該当します。
独立した立場でサポートを提供できるため、内部の人間では気が付かないような視点やアイデアを提示できます。
そのため、経営課題の解決や市場分析、マーケティングでは貴重な情報源です。

外部ブレーンであれば、欲しい知識に適した専門家を必要な時だけ利用できます。社内リソースを使わなくても、短期間で大きな成果をあげることもあります。

内部ブレーンの特徴

内部ブレーンは、企業内部で活動している社員やチームで秘書や経営企画がこの役割を担うこともあります。
その企業の人間なので企業の文化やビジョンを理解している点が特徴です。
外部ブレーンのように、革新的な意見を求められるというよりも、企業の現状を理解した上でビジョン達成に向けて社内での調整や部署間でのコミュニケーションをとる立場です。

内部ブレーンは社内の人材なので、日々の業務についても知っていて実践的な解決策を提示可能です。
内部ブレーンは、企業を持続的に支えてくれるので長期的に企業が成長させるためにも活用を検討してください。

ブレーンを持つメリット


今までブレーンを持たなかった企業にとっては、ブレーンなんていなくても問題ないと感じるかもしれません。しかし、ブレーンをおくことで多岐にわたるメリットがあります。
ブレーンを持つメリットを紹介します。

会社の成長につながる

会社の規模が小さい間であれば、ブレーンがいなくても経営に困らないかもしれません。
しかし、一定以上の規模になると経営者の経験や知識不足で成長が鈍くなってしまうケースがあります。
会社の売上げが大きくなれば、経営戦略も複雑になります。難しい判断を求められるケースも増えるため、ブレーンのように経営戦略の専門家が必要になるでしょう。

専門的な意見をもらえる

企業の経営や戦略は専門的な知識が必要な分野になります。
経営層が勉強して専門知識を身に着ける方法もありますが、学習にリソースを使うよりもすでに知識を持つ人に依頼したほうが効率的です。

例えば、新規商品開発に知的財産権の知識が欲しいと考えた場合には、その専門知識がある人材を探します。
自社が欲しているか専門知識を持つ人を選定できるため、効率良く欲しい知識、経験を得るためにブレーンが役立ちます。

精神的な支えになってくれる

ブレーンは今まで多くの会社を支えてきた経験があるはずです。経営者は、普段会社の意思決定を担っていて立場上、孤独になってしまいます。
こういった経営者の精神的なサポートもブレーンの役割です。経営者がより自信をもって経営判断していくために、信頼できるブレーンとの対話が有効です。

ブレーンが担う役割


ブレーンを選定する時には、その役割を明確にしておいてください。ブレーンがどういった役割を担っているのかまとめました。

経営における意思決定のサポート

ブレーンは、経営の意思決定をサポートします。意思決定のために情報提供を行うことでサポートをする立場です。
また、経営者の考えやアイデアを他人と対話しながら整理する壁打ちやブレーンストーミングの相手役にもなります。

ブレーンは、ただ経営者の考えに迎合するのではなく、反論を投げかけたり、論旨のゆがみを補正することもブレーンの仕事です。
客観的な意見をいう立場として、経営者の思考や判断を周囲をどう受け止めるか、リスクが生じるかどうかを伝えなければいけません。

計画立案のサポート

ブレーンは、経営者のビジョンを聞いて計画の立案やマイルストーンの設定も行います。計画は、必ず実行ベースに落とします。

ブレーンは情報の収集と分析にも長けているので、市場動向、業界の最新情報を把握した上で計画を立案可能です。
どういった工数が発生するのかブレーンが正確に見積もることによって経営者の理想やアイデアに到達する道筋が見えてくるでしょう。

リスクの提示

経営者にとってリスク管理は欠かせません。しかし、リスクが複雑化していてひとりで対応できないケースもあります。

ブレーンは多様な経験があるので経営者が直面するリスクを客観的に評価してくれます。
情報をリアルタイムで収集して適切なアドバイスを提供してくれるので、リスクに対して新しい解決策を導き出す手助けになるでしょう。
経営者がよりリスク管理、安定した経営を続けるためにブレーンが貢献しています。

ブレーンを探す方法


ブレーンを探す方法にはいろいろあります。大切なのは自身が求めるブレーンを明確にしておくことです。
どの分野で専門性が必要なのかを考えて適切な人材を見つけてください。ブレーンを探す方法を以下にまとめました。

社内でブレーンを探す方法

社内で内部ブレーンを探す時には、まず社内の人材を見直してください。人材の中には、特定の分野で特化していたり、ほかにはない知識、経験を持つ社員もいます。
こういった社員を見つけてプロジェクトやミーティングで意見を求めてみます。

また、内部ブレーンとして活躍するために社内の異なる部署とのコミュニケーションを行うことも重要です。内部ブレーンに適した人間は外交的なタイプだけではありません。
普段は意見をいわなくても貴重な知識、経験を持つ人材はいるので個別にヒアリングして潜在能力を発見し引き出すようにします。

社外でブレーンを探す方法

外部ブレーンを探すのは、自由度が高く多くの選択肢があります。ここでは、社外でブレーンを探す方法として代表的なものの紹介です。

業界のイベント・セミナー

専門知識を持つ人間に数多く出会うには、業界のイベントやセミナーを活用してください。成功した経営者や専門家と出会うきっかけになります。
ブレーンを探すだけでなく、人脈を作るにも適した場なので積極的に利用してください。

SNS・ビジネス系のプラットフォーム

ビジネス関連のスキルを求めるのであれば、LinkedInなどのビジネスプラットフォームやSNSも利用できます。
自分が求めるスキルがある専門家を探しやすく、プラットフォームを通じてコンタクトを取れます。すぐにビジネスとしての話をしたい場合にも適した方法です。

弁護士・司法書士などの士業

弁護士や会計士、司法書士といった専門家にブレーンを依頼する方法もあります。
それぞれの事務所では、専門家のプロフィールや得意分野を紹介していることもあるでしょう。
同じ弁護士であっても、M&Aを専門にしていたり著作権や知的所有権などの権利管理の経験が豊富であったり特徴があります。
欲しい専門家がどういった領域なのか考えておいてください。

マーケター・コンサルタントなどの専門家

企業のブレーンとして、マーケターやコンサルタントを選択することもできます。研究開発や生産技術、物流といった専門知識を持つ人をブレーンとして迎え入れます。
コンサルタントと名乗っていなくても、大手企業のOBの中にブレーンとしての適性がある人もいるかもしれません。
どういった経歴でどのような知識を持っているのかを確認しておいてください。

ブレーンを持つ際のポイント


ブレーンは、その人が持つ専門知識や経験が会社のニーズに合っているか、良い関係性を築き上げられるかどうかといった多角的な視点で選ばなければいけません。
ここでは、ブレーンを持つ時のポイントをまとめました。

信用できる相手を見極める

信用できるかどうかは、ブレーンとの関係を深めていくために重要な要素です。ブレーンとの意見交換は、お互いに尊重して強い信頼を持てなければうまくいきません。
経営者の意思決定にブレーンが反対意見やフィードバックを述べる時、信頼できなければ受け入れるのは難しいでしょう。

経営者と同じ視座で経営判断を支えるブレーンは、経歴や資格、人柄までしっかり見定めて選定しておかなければいけません。

企業のビジョンや理念に共感してくれる人を選ぶ

ブレーンは単純にスキルが高いだけでなく、その企業のビジョンや理念に共感してくれる人を選ぶようにしてください。
企業がどの方向に進みたいのか、何を大切にすべきなのかを理解していない人間にブレーンは任せられません。
ビジョンや理念が一致していれば、ブレーンは経営者の目指す方向や意図を理解しやすくなり、適切なアドバイスを提供できるようになります。

また、意見が違った時でもビジョンや理念が同じであれば、同じゴールに向かった議論を交わせるでしょう。

専門的なスキル・経験を持つ人を選ぶ

ブレーンを選ぶ時には、必ずどういったスキル、経験があるかをチェックします。
ただし、スキルや経験にも様々な種類があり、何を基準に選定するかを決めておかなければいけません。
特定の業界に精通したブレーンであれば、同じ業界での成功体験や実績が豊富です。業界の特徴やトレンドも把握しているため即戦力として活躍が期待できます。

会計やマネジメント、経営戦略といった何かの専門家であるブレーンは、経営者とは違う立場で戦略を立てられます。
ビジョン達成のために社内だけでは足りないスキルや経験を補ってくれる存在です。

まとめ・ブレーンを迎え入れて企業の成長につなげよう

ブレーンは、意思決定を支える立場であり、経営者とともに会社を成功に導く存在です。
良いブレーンを選ぶ、またブレーンに選ばれるためには、企業が自社の課題やビジョンを明確にしなければいけません。
何のためにブレーンを設置するのか、どういった課題を解決したいのかを検討してブレーンを迎え入れるようにしてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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