注目のスタートアップ

有機半導体レーザーの実用化に取り組む「KOALA Tech」が5.7億円調達

company

2024年11月18日、株式会社KOALA Techは、総額5億7000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

KOALA Techは、スマートフォンディスプレイ用の有機EL(OLED)技術を基盤に、発光素子として「レーザー版有機EL」(有機半導体レーザーダイオード、OSLD)の実用化を目指しています。

この技術は、センサーやディスプレイの光源として、小さくて軽いデバイスを実現するものとしてとして注目されています。

今回の資金により、3色発光素子の開発を早期に完了させ、ディスプレイソリューションとして検証を進めます。また、発光寿命などの特性向上にも取り組みます。


半導体レーザーは、光通信やディスクの読み書き、材料加工、医療分野での治療や測定技術など、多岐にわたる用途で利用されています。近年では、生体認証やVRに利用されるヘッドマウントディスプレイ(HMD)など、新たな分野でも重要な役割を果たしており、今後もその需要は増加すると見込まれています。

現在主流となっている無機半導体レーザーは、特定の波長帯に限られる点や、レーザー結晶の特性上、曲面や伸縮性を持つ基盤への実装が難しいといった課題があります。また、ヘッドマウントディスプレイやスマートグラスなどの普及に向けて、小型化・高性能化が求められる中で、さらなる技術革新が必要とされています。

有機半導体レーザーは、こうした課題を克服する技術として注目されています。有機材料を活用することで、製品の小型化・軽量化、ディスプレイの高精細化、有機ELパネルへのセンシング機能の付加などの利点が期待されています。

さらに、有機半導体レーザーは無機のものよりも製造コストを抑えやすく、大規模かつ簡易な製造プロセスが可能です。このため、次世代のレーザー技術として、広範な分野での活用が進むと考えられています。とくに、新しいディスプレイ技術やウェアラブルデバイスの分野では、その導入が普及の鍵を握ると期待されています。

企業・事業の成長には戦略的な資金調達やシナジーのある企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ ARグラス デバイス レーザー 九州大学 技術 株式会社 研究開発 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人の設立方法を徹底解説|手続きの流れ・必要書類・費用・メリットなど
【2025年版】会社設立のやること・流れ・費用をチェックリストで完全解説
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

ジャーナリング(書く瞑想)アプリ「muute」がリリース後1カ月でAppStoreヘルスケア/フィットネス領域のランキング1位に
2021年1月29日、ミッドナイトブレックファスト株式会社は、2020年12月から提供開始した「muute(ミュート)」が、約1カ月でAppStoreランキングのヘルスケア/フィットネス領域で1位を獲…
AIによる野球のトレーニングの効率化と成果向上を目指す「Knowhere」が1億円調達
2022年6月16日、株式会社Knowhereは、総額約1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、元プロ野球選手である斎藤佑樹氏が設立した株式会社斎藤佑樹、株式会社デジタルガレージが設…
企業向けリスク・データベースの提供などの「KYCコンサルティング」が資金調達
2020年4月1日、KYCコンサルティング株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 企業向けリスク・データベースの提供や、KYC/AMLに関するコンサルティングを展開しています。 高度なシス…
下膳自動化ロボット開発の「スマイルロボティクス」が4,500万円調達
2020年1月30日、スマイルロボティクス株式会社は、総額4,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 食店向けにホールにおける片付けオペレーションを省力化する下膳自動化ロボットを開発してい…
小型SAR衛星の開発・衛星データの販売・データ解析によるソリューションの提供を行う「Synspective」が総額50億円の融資契約を締結
2023年7月20日、株式会社Synspectiveは、独立行政法人中小企業基盤整備機構による革新的技術研究成果活用事業円滑化債務保証制度を活用し、総額50億円の融資契約(期間5年)を締結したことを発…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集