【初級編】人気の動画広告とは?種類や活用するメリット・デメリットを解説

創業手帳

動画広告は中小企業も取り入れやすい広告媒体


動画広告は、近年市場規模が急速に成長している広告媒体のひとつです。TVCMなどに比べて費用が抑えられることから、中小企業でも取り入れやすいかもしれません。
メリットが多い上、デメリットも工夫次第で打ち消すことが可能であり、効果検証も容易であることから人気があります。

今回は、動画広告の種類や活用するメリット・デメリットを解説し、成功へ導くためのポイントを紹介します。
動画広告のユーザー層や、対応する広告の種類を知りたい方もぜひ参考にしてみてください。

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

動画広告とは?


動画広告は、動画を利用して商品やサービス、事業について世間に広く宣伝するためのものです。
TVCMも動画広告の一種ですが、動画広告はインターネット広告媒体のひとつを指します。

D2CとCCI、電通が行った「2019年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によれば、インターネット広告媒体の中で動画広告が占める割合は約19%です。
主流であるディスプレイ広告と検索連動型広告の次に大きい割合となっています。

動画広告の市場規模は増加傾向にある

サイバーエージェントとデジタルインファクトが共同で行った国内動画広告の市場調査では、2023年の動画広告市場は6,253億円で、4年後の2027年には1兆228億円に到達すると推計・予測されています。
動画広告市場全体の成長をけん引したのは、スキップ可能という特徴を持つインストリーム動画広告です。
同様に、縦型動画広告の需要も急増しています。2023年縦型動画広告の市場規模は、2022年に比べ、156.3%となっています。

1兆円を超えるとされる動画広告市場は、今後もさらに成長し続けると考えられます。
動画広告の配信先の増加、広告媒体や広告フォーマットの多様化が進むことによって、ユーザーが動画広告に触れる機会も増えるかもしれません。

動画広告における代表的な媒体


動画広告における代表的な媒体は、次のとおりです。

動画広告の媒体 主な広告の種類 ユーザー層
YouTube インストリーム広告
TrueViewディスカバリー広告
全世代
TikTok インフィード広告
ハッシュタグチャレンジ広告
ハッシュタグチャレンジ広告
10代〜20代
LINE LINE VOOM
LINE ファミリーアプリ
LINE 広告ネットワーク
全世代
X(旧Twitter) プロモビデオ広告
ビデオウェブサイトカード
ビデオアプリカード
10代〜30代
Instagram フィード広告
ストーリーズ広告
10代〜40代
Facebook フィード広告
ストーリーズ広告
30代〜50代
Google動画広告 アウトストリーム広告 全世代
Yahoo!動画広告 アウトストリーム広告
インストリーム広告
全世代

動画広告の種類


次に、動画広告の種類を紹介します。動画広告を大きく分けると、インストリーム広告とアウトストリーム広告の2種類です。
インストリーム広告とアウトストリーム広告は、さらに細かい種類に分けられます。ここから詳しく解説します。

インストリーム広告:動画内に配信される広告

インストリーム広告は、YouTubeをはじめとする動画配信サイトに投稿された動画の再生時に表示される広告です。
インストリーム広告は、配信されるタイミングによって名称が異なります。ここから、インストリーム広告の種類について解説します。

プレロール広告・ミッドロール広告・ポストロール広告

インストリーム広告は、動画を挿入するタイミングによって名称、目的が異なります。

名称 動画を挿入するタイミング 目的
プレロール広告 動画再生直後 認知獲得
ミッドロール広告 動画の途中 動画を最後まで見てもらう
ポストロール広告 動画の最後 コンバージョン率UP

インストリーム広告は、5秒後に広告スキップ可能になる「スキップバブル」とスキップができない「ノンスキップバブル」にも分けられます。

インフィード動画広告(旧True View広告)

インフィード動画広告は、動画内に挿入される広告ではありませんが、YouTube内に掲載できる動画広告のひとつです。
インフィード広告は、YouTubeの検索結果に表示されたり、関連動画として表示されたりします。
他の動画コンテンツと同様にサムネイル画像とテキストで構成されているため、ユーザーが違和感を抱きにくい点が特徴です。
なお、インフィード広告は他の動画コンテンツと同様に、ユーザーがクリックすれば動画が再生されます。

バンパー広告

バンパー広告は、スキップ不可の6秒間の動画広告を指します。動画再生直後、動画の途中、動画の最後のタイミングで配信されます。

ノンスキップバブルとは異なり、短い尺であるため、ユーザーにストレスを与えず、最後まで視聴してもらえるの点が魅力です。
ただし、短時間の動画広告であるため、複雑な内容を伝えたい時には不向きといえます。幅広い層で認知を獲得したい時や、目標のリーチ数を達成したい時などに効果的です。

アウトストリーム広告:サイトバナーやアプリフィードに配信される広告

アウトストリーム広告は動画コンテンツの外で流れる動画広告です。SNSやWebサイト、アプリ内などで配信されるのが特徴です。
アウトストリーム広告には2つの種類があり、それぞれ特徴や配信するタイミングが異なります。
ここから、アウトストリーム広告の種類について解説します。

インバナー広告

バナーの広告枠で配信されるのがインバナー広告です。再生ボタンをクリックしなくても自動的に流れる点が特徴です。
ユーザーがクリックするまで音声は流れませんが、画像よりも情報量の多い広告を配信できるため、より多くの内容を訴求したい場合に効果的です。
他の動画広告に比べると市場規模の小さいインバナー広告ですが、アウトストリーム広告の平均視聴時間は長い傾向にあるため、市場規模が大きくなる可能性は高いといえます。

インリード広告

記事やフィードの途中に差し込まれている動画広告をインリード広告といいます。
インバナー広告は自動的に動画が流れますが、インリード広告は挿入されている位置までスクロールしないと再生されません。

ただし、動画が突然流れるため、ユーザーの関心を引きやすいことや、インバナー広告と比べて枠が大きいことから、インバナー広告よりも気づいてもらいやすいメリットを持っています。

インターステイシャル広告

Webサイトやアプリの閲覧中に、ページを切り替えたタイミングで表示される広告です。
メインコンテンツに被さるような形で表示されますが、広告を閉じることで続けてコンテンツを楽しめます。
広告の内容に関心を持った場合は、広告をクリックして別サイトに飛ぶことも可能です。

メインコンテンツの内容を邪魔しない形で配信できる点や、広告費を抑えられる点がメリットです。

動画広告を取り入れるメリット


動画広告は種類によって特徴が異なり、メリットも様々あります。ここからは、動画広告の魅力や、動画広告を取り入れるメリットを見ていきます。

より多くの情報を伝えられる

動画広告は、視覚と聴覚にアプローチでき、テキストや画像よりも多くの情報を伝達できます。
数字にすると、動画には文字の5,000倍の情報伝達能力があるとされています。

商品の組み立て方など、文字よりも動画のほうがイメージを掴みやすいものに最適です。
テキストだけで説明するのは難しい複雑なサービスでも、動画であれば多くの情報を伝えられ、魅力を知ってもらえます。

ターゲットを詳細に絞れる

動画広告は、性別や年齢、地域、興味をはじめ、関心や購買意欲の有無に合わせて動画広告を配信できるため、ターゲットをより詳細に絞れます。
ターゲットを絞ることによって、伝えたい内容をシンプルにまとめられるようになり、的確に情報を伝えられます。
また、ターゲットのみに広告を配信するため、広告費用の削減も可能です。結果的にターゲットを深く理解する機会にもなります。

商品やサービスが記憶に残りやすい

動画広告の内容をストーリー仕立てにすることで、商品やサービスを記憶に植え付けることが可能です。
人間の脳は、インパクトのある演出や名前の連呼で記憶を形成させるよりも、喜びや不快感を抱く情報のほうが強く記憶される傾向にあるといわれています。

スタンフォード大学の研究によると、ただ単に説明するよりも、ストーリー性のある話し方をしたほうが約22倍記憶に残ったとされています。
動画の構成によって記憶に残りやすくできる点も、動画広告のメリットといえます。

認知拡大やブランディング効果が期待できる

多くの情報を伝えられターゲットを詳細に絞れたりすることや、記憶に残るアプローチができることは、認知拡大やブランディング効果にもつながります。
また、「良いな」「おもしろいな」と思ってもらえれば、SNSなどでの拡散も期待でき、さらなる認知拡大を実現できるかもしれません。

ユーザーは商品を選ぶ際に、安心して購入するために聞いたことがある企業のものを選ぶ傾向にあります。
つまり、認知拡大やブランディングがうまくいけば、購入してもらえる可能性も高まるといえます。

効果を検証しやすい

広告にはいくつもの種類がありますが、より効果を高めるためには効果検証が欠かせません。
動画広告は、動画広告を視聴したあとに、ユーザーがどのような行動をしたのかチェックできるため、他の広告媒体よりも効果を検証しやすいといえます。

効果検証を行えば、今後改善していくべきポイントを洗い出したり、解決策を探ったりすることも容易です。
結果的に、さらに広告の成果を上げられるようになるかもしれません。

動画広告を取り入れるデメリット


動画広告のメリットは多くありますが、デメリットもあります。工夫次第でデメリットを抑えられるため、どのようなデメリットがあるか把握しておいてください。
ここからは、動画広告のデメリットについて解説します。

制作に時間と費用がかかる

動画広告のデメリットとして、他のWeb広告と比べ、制作に時間と費用がかかる点が挙げられます。
動画広告を制作する場合、企画を考えることからはじまり、撮影や編集などの工数が多くあります。
イベントなどに向けて制作する場合は、時間に余裕を持たなければいけません。

また、動画広告には制作費がかかります。費用は動画の種類や長さによって異なりますが、相場は10万円~200万円です。

動画を見てもらえない可能性もある

動画を制作して配信までこぎ着けたとしても、動画を見てもらえない可能性はゼロではありません。
視聴者が動画広告の内容に興味を持たなかったり、内容が視聴者の心に響かなかったりすれば、スキップされるケースは多くあります。

動画を見てもらえなければ成果は上げられません。
動画広告の最大限のメリットを享受するには、強く印象に残るものや、心を打たれるものを制作したり、ターゲットに合った媒体で配信したりする必要があります。

広告の質が低いと悪い印象を持たれてしまう

動画広告を活用する場合は、広告の質にも注意しなければなりません。広告のクオリティが低ければ、悪い印象を持たれてしまう可能性があります。

例えば、音声に気迫がなかったり、編集が素人並みのクオリティだったりすると、ユーザーは不信感を抱くかもしれません。
動画広告制作の知識やノウハウがない場合は、実績豊富な制作会社に依頼すると安心です。

動画広告を成功に導くためのポイント


少しでもデメリットがあると、動画広告を取り入れることを躊躇するかもしれません。しかし、次の2つのポイントを押さえておくことで、成功する可能性が高くなります。

目的・ターゲットを明確にした上で適切な媒体を選定する

動画広告は、広告を配信する目的とターゲットによって内容が変わります。
目的とターゲットを明確にすることで、適切なKPIの設定も可能になり、より成果が上がりやすくなります。

また、目的とターゲットに合った媒体を選定することも大切です。
動画広告を出稿できる媒体は、それぞれユーザー層が異なる上、広告の形式や配信のタイミング、対応している動画形式などに違いがあります。
適切に視聴者にアプローチするためにも、目的とターゲットの明確化や媒体の選定が必要です。

広告の質を高める

動画広告市場は成長し続けており、どの媒体からも質の高い動画広告が配信されています。
そのため、質の低い動画広告では歯が立たないかもしれません。

動画広告で成果を上げるためには、動画広告の質を高めることが肝心です。
いくら動画広告の質が高くても、インパクトを与えることしか考えられていないものであれば、質が高いとはいえません。
ユーザーから質が高いと思ってもらえるような動画を制作する必要があります。

まとめ・動画広告で効果的に自社商品・サービスを宣伝しよう!

動画広告を制作するためには時間やコストがかかりますが、動画広告はターゲットを詳細に絞って広告を配信できる、費用対効果が高い媒体です。
動画広告市場の成長や効果検証の容易さから考慮すると、動画広告は企業として取り入れておきたい広告媒体のひとつといえます。
動画広告の種類や成功に導くためのポイントを押さえ、ユーザーの記憶に残る動画広告を制作してください。

自社のサービスを知ってもらいたいという方向けには、創業手帳への広告掲載もおすすめです。1社あたり月間平均500件の資料請求が創業手帳からはされており、多い会社では月1000件もの資料を請求されている会社様もいらっしゃいます。創業手帳の読者層は、これからの起業を考えている方や既に会社を経営されている方々がほとんど。ビジネス向けサービスを展開されている企業様にはぴったりですので、ぜひご検討ください。

関連記事
YouTube広告の出し方とは?初心者が知っておきたい広告の種類や予算、注意点
月3万円から始める動画広告入門!スタートアップ企業に動画広告が最適である理由

(編集:創業手帳編集部)

創業手帳
この記事に関連するタグ
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す