月3万円から始める動画広告入門!スタートアップ企業に動画広告が最適である理由

動画制作会社VIDWEBの菅野さんに、動画広告の活用方法について聞きました

動画広告入門

(2020/10/30更新)

インターネット広告の一つである「動画広告」は大企業だけの広告手法ではありません。上手に使えば、予算に限りのあるスタートアップ企業でも「費用対効果の高い広告運用」ができます。

今回は、動画制作会社である株式会社VIDWEB(ビッドウェブ)の菅野さんに、動画広告の基礎知識から効果的な運用方法まで解説いただきました。

菅野 太樹

菅野 太樹(かんの たいき)
株式会社VIDWEB(ビッドウェブ) Web広告コンサルタント

動画制作・映像制作を行う株式会社VIDWEBではWeb広告コンサルタントして活動。主にB to Bクライント向けに動画広告やYouTubeを活用したプロモーションを提案している。
専門分野であるSEOは8年の経験を持つエキスパート。ウェブマーケティング全般を担当しているが、中でもSEO、VSEOと広告運用の領域を得意分野とする。

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動画広告とは

動画広告とは

動画広告は聞き慣れない専門用語が多いため、慣れが必要です。まずは、初心者向けの基礎知識をわかりやすく解説します。

動画広告の初心者が迷うポイント4つ

1.動画広告の種類
2.広告配信先の選定方法
3.広告費・課金方式
4.動画広告の配信戦略

1.動画広告の種類

動画広告の種類は、大きく分けて3つあります。難しそうなカタカナ用語が出てきますが、日常的にインターネットやYouTube、SNSなどを利用している方であれば、馴染みのある動画広告もあるでしょう。

動画広告の主要な分類

インストリーム広告 YouTubeでよく見かける広告。動画コンテンツ内に表示され、スキップ可能な広告とスキップ不可の広告がある。
インバナー広告(アウトストリーム広告) Webサイト内のバナー広告枠に配信される動画広告。インディスプレイ広告とも呼ばれる。
インリード広告(アウトストリーム広告) ユーザーがWebページをスクロールし、動画広告が画面に表示されたら再生される動画広告。

上記の中で、動画の特性を活かした「インストリーム広告」が動画広告の王道です。インストリーム広告以外の動画広告を総称して、「アウトストリーム広告」と呼ぶこともあります。

2.広告配信先の選定方法

動画広告には、「配信先」となる主要な媒体があります。それぞれの「特徴」や「配信目的」を以下の表にまとめました。どのような目的で配信すると効果的なのかという点を踏まえて、広告媒体を選ぶときの参考にしてください。

配信先 特徴・配信目的
YouTube 動画広告の配信先として外せない媒体です。動画のコンテンツ内に配信するインストリーム広告に加え、関連する動画や検索結果に表示するアウトストリーム広告などがあります。「認知拡大」を目的とした広告配信に適しています。
Googleディスプレイネットワーク Googleディスプレイネットワークといえば、「静止画のバナー広告」が主流でしたが、2020年現在は動画を再生させることも可能です。ランディングページ(広告ページ)への流入を狙った広告配信に適しています。
Facebook 主に、フィードやストーリーズで動画広告を配信できます。精度の高いターゲティングに強みがあり、認知拡大やレスポンスを狙った広告に適しています。
Instagram Facebook広告マネージャから広告設定が可能です。こちらもフィードやストーリーズなどで動画広告を配信できます。若年層・女性をターゲットにした広告配信に強みがあります。
Twitter タイムラインで「プロモビデオ」と呼ばれる動画広告を配信できます。話題性やストーリー性のある動画広告を拡散したいときに有効です。
LINE 約8400万人のアクティブユーザーを抱えるLINEに、動画広告を配信できます。トークリストやタイムラインなどの配信面が用意されているので、各配信面の特徴をチェックしましょう。幅広い年代にリーチ(※)したいときに有効です。

(※)リーチとは、全体のユーザー数のうち、「どれくらいのユーザーが広告を閲覧したか」を指すマーケティング用語

3.課金方式・広告予算

広告費の課金方式は、広告媒体ごとに異なりますが、概ね以下の課金方式を採用しています。ここでは、YouTube広告の主要な課金方式3つをご紹介します。

視聴課金+クリック課金型 「インストリーム広告」では、動画広告が30秒以上視聴されるか、広告がクリックされた場合に課金されます。
クリック課金型 YouTubeの検索結果や関連動画に表示される「ディスカバリー広告」は、ユーザーが広告をクリックしたタイミングで課金されます。
インプレッション課金型 スキップ不可の6秒動画広告である「バンパー広告」は、広告が1000回表示されるごとに課金されます。

YouTube広告は「広告費の下限」を設定していないため、広告用の動画さえあれば、少額の予算からでも始めやすくなっています。テレビのCMのように、数百万~数千万円単位で予算を用意する必要がないので、コスト面では手軽な広告であると言えます。

では、具体的にどれくらいの広告予算を組めばいいのでしょうか。

結論から言うと、広告予算の規模に正解はありません。達成したい目標を定め、「目標達成に必要な広告費」をシミュレーションしてから、広告予算を算出するケースが一般的です。

・・・とはいえ、動画広告の専門家ではない起業家の方は「広告費のシミュレーションは難しい」と感じるかもしれません。そんなときは、例えばスモールビジネスであれば月額3万円(日額1,000円)くらいから、試験運用してみましょう。

動画広告は、運用型広告(※1)に分類されます。そのため、事前に詳細なシミュレーションを作り込むよりも、試験運用しながらボトルネック(※2)を発見&改善していく「PDCAサイクル」のほうが効率的な場合もあります。

(※1)運用型広告・・・近年主流の広告。リアルタイムで入札やクリエイティブ、ターゲットを変更しながら運用する広告のこと。

(※2)ボトルネックとは、全体に影響するレベルの問題要因であり、もっとも問題視される部分のこと。作業やシステムの「能力が低い・容量が小さい」など、全体の能力・成果に影響する問題となる要因のこと。

4.動画広告の配信戦略

動画広告に限らず、あらゆるインターネット広告は「配信目的を正しく設定すること」が重要です。上図(マーケティングファネル)の「認知・興味関心」への訴求として活用しましょう。

バナー(ディスプレイ)広告だけでは伝えきれない内容でも、動画広告なら広いユーザー層に対してしっかりと認知してもらえます。

広告の種類や配信先媒体をさまざまなパターンで組み合わせて、テストを繰り返すことで、「勝ち筋の配信戦略」を見つけられるでしょう。

動画広告を自作するポイント

動画広告の運用を考えるうえで、ネックになるのが動画制作の費用です。動画制作は、テレビのCMのように有名人を起用すれば、数千万円単位になることもありますが、スマホ1台あれば無料で動画を作ることもできます。

動画広告を自作するポイントは、映画のように豪華な映像にすることではなく、低コスト・低品質な動画を作ることでもありません。成果が見込める動画を作ることがもっとも重要です。

ここからは、動画広告を自作するときのポイントを「企画編」「制作編」に分けて解説します。

【企画編】ペルソナの設定

・象徴的な顧客像である「ペルソナ」を作り込む
・ファネル(※)を意識する(潜在顧客層・見込み顧客層・既存顧客層)
・大衆向けではなく、1人に向けた動画を作る

動画広告に限らず、あらゆるインターネット広告の運用において「誰に広告を見せたいのか」というターゲティングが重要です。

テレビのCMのように大衆を意識するのではなく、ターゲットとなるペルソナを「個人レベル」まで落とし込んでから広告動画を企画しましょう。

(※)ファネルとは「商品やサービスの購買過程」をフェーズ分けして、モデル化したものを意味するマーケティング用語。

【制作編】動画制作のコツ

・三脚を使用するなど、手ブレを防止する
・余計な間をトリミングして、視聴者にストレスを与えない
・動画の尺や表現、サイズは広告配信先の媒体に応じて調整する

高度な撮影・編集技術を用いなくても、スマホ1台あれば広告用の動画制作は可能です。ただし、広告配信先の媒体によって、ユーザー層や使っている端末が異なるため、媒体ごとに動画クリエイティブに変化を持たせるようにしましょう。

例えば、YouTubeなら動画広告に標準で音声が流れますが、SNS広告の場合、標準では音声がオフになっています。音声がオフの場合は、テロップを挿入して対応しましょう。

動画編集ソフトの選び方

「カットをつなぐ」「トリミング」「テロップを挿入する」といった基本的な編集機能は、iMovieなどの無料動画編集ソフトにも備わっています。本格的な動画編集にチャレンジしたい方は、Adobe Premiere Proなどの有料ソフトを検討してもいいでしょう。

また、編集ソフトを選ぶときは、操作マニュアルや操作説明の動画が充実した製品を選ぶことで、いつでも使い方を調べられるという利点があります。

動画広告を外注するポイント

ハイクオリティな動画広告を作りたい場合は、プロの手を借りるという選択肢もあります。ここでは、動画制作会社の具体的な選び方を解説します。

動画制作会社の選び方

・実績が豊富であること
・料金体系が明確であること
・インターネット広告の知見があること

動画制作の料金体系は、一般の方からすると「わかりづらい」「内訳が見づらい」と感じることもあります。そのため、「内訳をわかりやすく説明してくれるか」という点は、優良な動画制作会社を見極める判断基準になります。

また、見落としがちなポイントとして挙げられるのは、「インターネット広告運用の知見があるか」です。美しい映像を作る技術はあっても、広告で成果を狙うためのノウハウがないと、本来の目的を達成することが難しくなります。

外注するときは実績が豊富であり、丁寧な料金体系の説明がある動画制作会社を選びましょう。

スタートアップ企業向け:広告運用の戦略とは

スタートアップ企業が「広告運用の知見を持ったスタッフ」を採用していることは稀ですが、機械学習やAIの進化により、広告運用自体のハードルは年々下がっています。

そのため、スタートアップ企業や起業直後の会社であっても、広告の運用自体はそれほど難しくありません。注力すべきは「広告の戦略設計」です。ここでは、動画広告の戦略設計の考え方について解説します。

「配信目的」と「評価指標」を明確にする

広告運用の戦略でもっとも重要なのは、「配信目的」と「評価指標」を明確化することです。よくある例として、「広告を配信してみたものの、成果が出ているのかわからない」「どこから改善していいのかわからない」という悩みがあります。

これは広告を配信する目的が曖昧であり、広告の成果を評価・測定するための「定量的な指標」が設定されていないために起こる問題です。

例えば、潜在需要の喚起(商品の認知)を目的とした広告であれば、評価指標を「視聴回数」や「視聴率」などに設定します。

また、顕在需要の喚起(商品の理解)を目的とした広告であれば、評価指標を「広告のクリック数」に設定するケースが一般的です。

つまり、認知度の低いスタートアップ企業や起業直後の会社は、動画広告を活用して「認知拡大」を狙った配信が適しています。

さらに、認知拡大にあわせて検索連動型広告(リスティング広告)や、リマーケティング広告(※)で成果を刈り取る配信戦略が考えられるでしょう。

(※)リマーケティング広告とは、一度サイトを訪れたユーザーに対して再訪を呼びかける広告。リターゲティングとも言う。

「コンバージョンだけが重要」というのは誤り

広告運用における「中級者向けのノウハウ」も簡単にご紹介します。

広告戦略を考えるうえで、最終的なゴールとなるのは「コンバージョン(CV)」です。ただし、このコンバージョン(直接的なCV)だけに判断基準を置くと、正しい広告戦略の設計には不十分な場合があります。

例えば、下記のような経路でCVに至った場合で考えてみましょう。

「最初に動画広告を閲覧して興味を持ち、次に登録したメルマガを何度か閲覧した後、動画広告とメルマガで記憶した商品名を検索エンジンで検索して、コンバージョンに至った」

この場合、最終的なCVは検索エンジンとなりますが、最初のタッチポイントを作ったのは「動画広告」であり、中間タッチポイントとして貢献したのは「メルマガ」です。

つまり、検索エンジン以外はCV数が0であっても、CVに貢献していないわけではありません。そのため、上記の例では動画広告の配信を止めてしまうと、最初のタッチポイントが失われることになってしまいます。

最終CV以外にも貢献している集客チャネルがないかは、動画広告の貢献度を測定する「マルチチャネル分析」を活用しましょう。

まとめ

動画広告は、低予算で気軽に活用できるインターネット広告です。スタートアップ企業や起業直後の会社なら、動画広告を活用した「認知拡大」の戦略が適しています。

「動画広告=テレビのCM」といったイメージが強いため、大企業向けの広告手法であると感じるかもしれませんが、ここまでご覧いただいた方は、「認知を広げたいスタートアップ企業にこそ適した広告である」とご理解いただけたでしょう。

リスティング広告やバナー広告以外の選択肢として、動画広告を積極的に活用してください。

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(監修: 株式会社VIDWEB(ビッドウェブ)Web広告コンサルタント 菅野 太樹
(編集: 創業手帳編集部)

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