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2023年4月25日「ほうわ創業・事業承継支援ファンド」が竹を原料とするセルロースナノファイバーを製造・販売する「おおいたCELEENA」に投資を実行
2023年4月24日、フューチャーベンチャーキャピタル株式会社は、株式会社豊和銀行と共同で設立した「ほうわ創業・事業承継支援投資事業有限責任組合(ほうわ創業・事業承継支援ファンド)」より、株式会社おおいたCELEENAに投資を実行したことを発表しました。
おおいたCELEENAは、国立研究開発法人科学技術振興機構の大学発新産業創出事業(SCOREおよびSTART)の支援を経て設立された大分大学発ベンチャー企業です。
独自プロセスにより竹からセルロースを抽出し、それをナノ化する技術を活用して竹由来のセルロースナノファイバー「CELEENA」を製造・販売しています。
「CELEENA」は、セルロース純度の高さ、アスペクト比の高さ、結晶化度の高さを特徴としています。
自然由来の素材として、化粧品、生分解性フィルムなどでの活用が期待されています。
国連によりSDGs(持続可能な開発目標)が採択されたことにより、世界的に脱炭素化に向けた取り組みが推進されています。
素材産業はすべての産業の基盤となる業界です。そのため「素材」の脱炭素化は、産業全体の脱炭素化につながる取り組みとして非常に重要となっています。
セルロースナノファイバー(CNF)は、植物の主成分であるセルロースを原料とした素材です。
環境負荷が低いものの、鋼鉄の1/5の軽さで5倍の強度がある、熱で膨張しにくい、吸水性が高いなどの特徴を有しています。プラスチックの補強材のほか、光学素材、電子素材、太陽電池、舗装材料、増粘剤などの幅広い用途が期待されています。
一方、セルロースナノファイバーの製造には高いコストがかかることから、普及にはコスト低下を実現する技術的なイノベーションが必要となっています。
おおいたCELEENAは、竹を原料としたセルロースナノファイバー「CELEENA」を製造しています。
竹は、温暖で湿潤な地域に分布し、アジアの温帯・熱帯地域に多く見られる植物です。
簡単な加工で筒状になることや、固く丈夫な素材となることから、古くからさまざまな道具の素材として利用されているほか、タケノコなどは食用とされることもあります。
そのため国内でも栽培されている例が多いのですが、竹は繁殖力が強く、さらに成長も早いことから、しっかりと管理しなくてはなりません。
国内では少子高齢化に伴い、放置竹林が増加しています。放置された竹林は、土砂災害のリスクなどのさまざまな問題を生みます。
そのためこうした竹の有効活用法が全国各地で議論されています。
株式会社おおいたCELEENAのコメント
このニュースを受けまして、株式会社おおいたCELEENA 代表取締役 西脇毅氏よりコメントが届きました。
・今回の出資受け入れの目的は何ですか?
製造設備購入及び運転資金、マーケティング資金の確保が目的です。
・今後の展望を教えてください。
我々は大分大学発のベンチャーですが、地方で困っている竹の課題解決に取り組んでいます。
他地域での展開や海外での展開も計画しています。
・読者へのメッセージをお願いします。
我々自身は大学の特許を利用したベンチャーですが、世の中の困りごとは多くあると思います。
困りごとをどのように解決するのかは、技術だけでなくアイデアも必要なので、困りごとをできるだけ無くすように頑張っていきましょう。
SDGsの推進などにより世界的に価値観の変化の激しい時代となっています。ビジネスはこういった時代で新たな価値観を示したり、課題を解決するために重要な役割を担っています。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」では、社会課題をビジネスで解決することを目指す起業家のインタビューを掲載しています。先人の思考や手法を知ることは、新たなビジネスの創造に役立つでしょう。
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