Chat(チャット)GPTのGPT-4とは?何がすごい?無料版はどこで使える?
Chat(チャット)GPTのGPT-4はGPT-3と違い、格段に性能が向上!何ができるのか解説
連日メディアを騒がせているChat(チャット)GPT。これまで使われていたのはGPT-3、あるいはGPT-3.5でしたが、最新のモデルであるGPT-4(ジーピーティー・フォー)が公開され、その性能の向上に多くの識者たちが驚きの声を挙げています。
東大の太田邦史理事・副学長は、東大のポータルサイトの中で「人類はこの数ヶ月でルビコン川を渡ってしまったかもしれない」とまで語りました。
MITメディアラボ元所長でテクノロジーに造詣が深い伊藤穰一氏はYouTube動画「【GPTと人間の共存する未来】Chat-GPTの解説や活用方法、AIを使った教育、web3とGPTの新たな関係性などを解説します」の中で、ChatGPTの頭脳のレベルについて「GPT3っていうのはまあまあ頭いい小学生っていう感じでGPT-4になると大学生のレベルだよね」と述べています。
実際に、GPT-4はアメリカの司法試験で上位10%に入る成績を叩き出しています。かなり賢い大学生、といったレベルまで達している、と言って良いのではないでしょうか。
そんなChatGPTの最新モデル、GPT-4についてご説明します。
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この記事の目次
- Chat(チャット)GPTのGPT-4はGPT-3と違い、格段に性能が向上!何ができるのか解説
- Chat(チャット)GPT-4(ジーピーティー・フォー)とは?
- Chat(チャット)GPTは誰が作ったのか?
- GPTとはどういう意味?
- Chat(チャット)GPT-4は何がすごい?何ができる?東大松尾研の整理
- Chat(チャット)GPT-4とGPT-3の違いと使い方
- Chat(チャット)GPTは日本語で利用できる?
- Chat(チャット)GPTに情報漏えいを防ぐための「履歴の表示オフ」機能が追加
- Chat(チャット)GPTにWebブラウジングとプラグイン機能が追加
- Chat(チャット)GPT-4はどこで使える?料金は?無料でできる使い方
- Chat(チャット)GPTの欠点とは何?
- Chat(チャット)GPTに似た他のサービスは?
- Chat(チャット)GPTについて、専門家達の見解
- Chat(チャット)GPT-4を活用しよう
- 大久保の感想
Chat(チャット)GPT-4(ジーピーティー・フォー)とは?
Chat(チャット)GPTとは、テキストベースのチャットAIです。質問や要望を投げかけると、それに応じた回答を返してくれます。そして、その最新モデルが、GPT-4です。
GPT-4は、これまで使われていたGPT-3よりも大幅に性能を向上させています。例えば、GPT-3の状態では、一度に2,500文字程度までしか入力できませんでしたが、GPT-4ではまとめて25,000字まで入力できるようになっています。
GPT-4の大きな特徴は、マルチモーダルであることです。画像や文章、音声などの手段を問わず、その内容を理解して、文章としてアウトプットすることができます。例えば、画像を入力すると、その画像がどのような意味を持っているか、文章として出力することも可能です。画像→文章だけでなく、音声→文章のようなことも可能ですが、現在公開されているサービスとしてのChatGPTの機能では、文章を入力して文章を返すことしかできません。しかし、能力としては、そのようなことも可能だといいます。
GPT-4はMicrosoftの検索エンジンであるBingに搭載されています。また、今後、MicrosoftのオフィスソフトであるWordやExcelなどやTeamsなどのソフトにも搭載される予定です。TeamsにGPT-4が搭載されると、TeamsでWeb会議をした音声から自動的に文章の議事録を作成できる機能などが使えるようになるそうです。音声から文章を作成できるのは、まさにGPT-4ならではの機能となります。
Chat(チャット)GPTは誰が作ったのか?
ChatGPTは、アメリカのAI研究会社であるオープンAI(OpenAI)によって作られました。Twitterを買収したイーロン・マスク氏も創立メンバーに名を連ねています。
しかし、ChatGPTの性能に革命を起こしたと言われている、「step by step」の考え方を思いついたのは、実は日本人です。東京大学大学院博士課程に在籍する小島武氏により発見されました。
日本はこの分野において、今、最先端を走り始めている、と言っても良いでしょう。
GPTとはどういう意味?
GPTとは、Generative Pre-trained Transformer(ジェネレーティブ・プリ・トレーニド・トランスフォーマー)を略したものです。直訳すると、「事前学習をする生成的なトランスフォーマー」という意味になります。より噛み砕くと、自発的に学習をして、アウトプットを生成するAI、程度の意味です。
Chat(チャット)GPT-4は何がすごい?何ができる?東大松尾研の整理
東大でAI研究をリードしている松尾豊教授の研究室が出したレポート「AIの進化と日本の戦略」に紹介されていた、ChatGPTができる得意なこと5つをご紹介します。
文章の添削・校正
ちょっとした文章を添削したり、校正したりする場合には、ChatGPTに文章を投げてみると便利です。ほぼ完璧に添削・校正をこなしてくれます。上司や顧客にメールや文章を提出するときなどに使ってみると良いかもしれません。
文章や概念の要約
SNSなどでも「便利だ」という声が上がっているのが、文章や概念の要約機能です。GPT-3では2,500文字の文章までしか一度に要約できなかったものが、GPT-4になると25,000文字まで要約できるので、非常に便利になっています。
壁打ち、ブレインストーミング
ChatGPTを壁打ちやブレインストーミングに使うのも有効な活用法です。例えば、「〇〇という商品を顧客に売るための方法を考えてください」などと投げかけると、さまざまなマーケティング手法を提案してくれます。
リサーチ、論点の洗い出し
GPT-3の段階ではまだあまり精度が高くありませんでしたが、GPT-4になり、リサーチの精度が格段に向上しています。複雑な制度や法律について調べなければならないようなことなども、ChatGPTで調べると素早く回答してくれます。
アイデアの提案
ちょっとしたアイデアが欲しい際に、ChatGPTに質問してみるとアイデアを返してくれます。キャッチコピーや新規事業の考案など、さまざまなものを試してみると良いでしょう。
Chat(チャット)GPT-4とGPT-3の違いと使い方
GPT-4とGPT-3の一番大きな違いは、マルチモーダルかどうかです。
画像を入力して文章を返したり、音声を入力して文章を返したりなどはGPT-3ではできませんが、GPT-4ではできるようになっています。
ただし、一般のユーザーが利用できるChatGPTでは、まだマルチモーダル機能は利用できません。
また、知識量や思考力も大幅に向上しています。GPT-3.5の段階では、アメリカの司法試験で下位10%に入る成績しか取れなかったChatGPTですが、GPT-4では上位10%に入る成績を取れるようにまで能力が向上しています。
また、上述したように、入力できる文字数は2,500文字から25,000文字まで増加しました。
なお、学習データの期間は、GPT-3もGPT-4も同じで、2021年9月までのデータです。現在のインターネットの情報をリアルタイムに利用しているわけではありません。
以下では、OpenAIが提供するChatGPTにおいて、GPT-4を使ってできるさまざまなことをご紹介します。
高度なプログラミング
ChatGPTの使い道として最も効果的と言われているのが、プログラミングです。以下は「おしゃれな美容室向けのホームページのコードを作ってください」と命令した際のGPT-4の返答と、そのコードによって作られたWebサイトの画像です。
以下は上記のコードを用いてできたWebサイトです。
HTMLとCSS、Javascriptで作られたシンプルなWebサイトですが、それなりに形になっています。ここに画像データや装飾のためのコードなどをプラスしていけば、すぐに形になりそうです。
英文和訳、和文英訳
こちらも活用する人が多いと思われるのが、英文和訳・和文英訳です。『不思議の国のアリス』の一節をGPT-3に日本語で訳してもらった結果が以下の画像です。
一方、GPT-4に訳してもらったら以下のようになりました。
GPT-4の翻訳の方が、より滑らかになっていることがおわかりいただけるのではないでしょうか。
高度なレベルでの小説や台本、メルマガなどの作成
ChatGPTは、作文が得意です。小説や台本、メルマガなどを作成できます。
まずはGPT-3で台本を作成させてみました。
次はGPT-4です。
GPT-4の台本の方が、詳細で、なおかつ喋り口調なども考慮された文章になっています。
また、当サイト創業手帳を宣伝するメルマガを作るよう、GPT-3に命令してみました。
一方、GPT-4で命令してみた結果は以下の通りです。
GPT-4で生成されたメルマガの方が、より構造化され、メルマガらしくなっているのが感じられると思います。
Chat(チャット)GPTは日本語で利用できる?
Chat(チャット)GPTは日本語で利用できます。ただし、まだ日本語版のWebサイトがないために、登録してログインするまでは英語の画面になっています。一度ログインさえしてしまえば、あとは普通に日本語で質問して、日本語でChatGPTが答えを返してくれます。
登録の仕方がわからない方のために、以下でご説明します。まず、以下の画面で左下の「Try ChatGPT」をクリックします。
次に、以下の画面で「Sign up」をクリックします。
次に、以下の画面でメールアドレスを入力して「Continue」をクリックするか、「Continue with Google」、「Continue with Microsoft Account」をクリックします。
「Continue with Google」、「Continue with Microsoft Account」のいずれかを選べば、その後は流れにしたがっていくだけで簡単に登録できます。
このようにして登録すれば、あとはChatGPTのメッセージボックスに日本語を入力して利用するだけです。
Chat(チャット)GPTに情報漏えいを防ぐための「履歴の表示オフ」機能が追加
Chat(チャット)GPTに情報漏えいを防ぐための「履歴の表示オフ」機能が追加されました。
3月20日に、チャットをしていたユーザーのチャット履歴が他の利用者から一時的に閲覧されるデータ漏出が起きてしまったことを受けて、イタリアのデータ保護当局が同国内でのChatGPT利用とOpenAIによるイタリアユーザーのデータ処理を一時的に禁止する、ということがありました。
このような事態を受けてChatGPTを運営するOpenAIは、チャットの履歴をユーザー画面に表示させず、チャット履歴をOpenAIのAI学習に利用させないようにできる新機能「履歴の表示オフ」機能を導入しました。
ただし、その設定をした場合であっても、不正使用をOpenAI側が監視できるよう、新しいチャット履歴は30日間、保持されるということです。
Chat(チャット)GPTにWebブラウジングとプラグイン機能が追加
今までChat(チャット)GPTは、2021年9月までの学習データを、質問に対しては反映していましたが、新たに有料版の「ChatGPT Plus」ユーザー向けに、Webブラウジング機能がベータ版として解禁されました。
WebブラウジングをONにすることにより、最新の情報を取得して、質問への回答をしてくれるようになります。
また、情報ソースも見れるようになっています。
ただし、情報の取得に少し時間がかかるため、返答には多少時間がかかる場合もあります。
またプラグイン機能も追加されています。プラグインとは簡単にいうと「拡張機能」ということで、ChatGPTに他のアプリを連携させることにより、そのアプリからの情報も取得可能になったという事になります。
現時点で、実装可能なアプリは70種類以上となっています。
例えば、「食べログ」を実装した場合、予約可能なお店をChatGPTで探してくれるという事が可能となります。
Chat(チャット)GPT-4はどこで使える?料金は?無料でできる使い方
OpenAIが提供する「ChatGPT Plus」に20ドルを支払って申し込むと、GPT-4が利用できます。
また、Microsoftが提供する検索エンジンBingでは、GPT-4が無料で利用できます。以下はBingを利用して台本を作成してみた例です。
Bingを利用する場合には、チャットの返答の選択肢がAIによって提案されてくるので、自分でGPT-4への質問を深く考える必要もなく、スムーズに利用できます。
Chat(チャット)GPTの欠点とは何?
GPT-4になって性能が向上したとはいえ、ChatGPTは完全に正確な回答をいつでも返してくれるわけではありません。嘘をつくこともあります。
そのため、専門的な知識が必要な内容の調査などをする場合には、ChatGPTを完全に信用してはいけません。基本的には、最終的な内容を人間がチェックする必要があります。
また、Bingではなく、OpenAIが提供するGPT-4を利用する場合、最新の情報を利用できない点もデメリットです。
Chat(チャット)GPTに似た他のサービスは?
Chat(チャット)GPTに似たサービスは、他の会社でも開発されていて、Chat(チャット)GPT同様に注目を浴びています。
Google Bard
Google Bardは、Googleから2023年2月6日(現地時間)に発表された会話型のAIサービスです。
Chat(チャット)GPTと大きく異なる点としては、ChatGPTは、2021年9月までの学習データしか情報として持っていませんが、Google BardはWeb上のコンテンツ情報をリアルタイムで利用できるのことが大きな違いになります。
しかし残念ながら、現在(2023年4月)Google Bardを日本で利用することはできません。
Notion AI
Notionとは、オフィスで必要になる業務アプリをひとまとめにした「オールインワンワークスペース」サービスです。アメリカのNotion Labs社によって開発・提供されていて、2022年11月に日本語の正式版サービスがリリースされました。
その中のひとつのサービスとして注目を浴びているNotion AIとは、Notionの中で使えるAIアシスタントサービスです。Notionで文書作成をする際にAIがサポートしてくれたり、翻訳や添削、要約などだけではなく、営業メールの作成やブログ投稿の作成、表の作成など、その用途は非常に幅広いです。
Chat(チャット)GPTについて、専門家達の見解
創業手帳では、ChatGPTや今後のビジネスにおけるAI活用などについて専門家にインタビューをしています。
AI研究インフルエンサー うみゆきさんの見解
例えば、ChatGPTのAPIがリリースされたことで、誰でも自分のサービスなどにChatGPTを組み込めるようになっており、利用料金も数年前に比べ、30分の1ほどになっているため、今後はなんでもAIが組み込まれるという変化が起こると思いますと見解を述べています。
AI関連サービスを展開 株式会社pluszero(プラスゼロ)小代義行さんの見解
Chat(チャット)GPT-4を活用しよう
ChatGPTの最新モデル、GPT-4は、GPT-3よりも性能を格段に向上させており、より実践的なものになっています。
文章の添削や構成、要約などだけではなく、プログラミングや英文の翻訳、メルマガの作成など、実践的な使い道がたくさんあります。
今後はMicrosoftオフィス製品に搭載されることが予定されていることもあり、人間の働き方は急激に変わっていくでしょう。できるだけ早い段階から触っておいて損はありません。
大久保の感想
創業手帳では、無料でご覧いただける『ChatGPT 生成AIガイド』をリリース!あわせてご活用ください。
(編集:創業手帳編集部)
ChatGPT 生成AIガイドの作成
10万人会員がいる創業手帳アプリにChatGPTAPIを連携してアプリにAIチャットを組み込む
ChatGPTの使いこなしセミナーの開催
という対応を行った。
いろいろなツールを見慣れている弊社でもここまで対応したのは珍しいケースだ。それだけ可能性を秘めているということだ。
GPT3.5とGPT4を使い比べてみて面白かったのは、どちらも「日本の最新事情」のChatGPTが一番苦手とする領域の質問をぶつけてみたときだ。同じ質問をして分からない場合に、GPT3.5だと適当にそれらしく答えてしまったものが、GPT4だと分かる部分とわからない部分を分けて回答してきたことだ。
人間でも分からない部分を分けて答えられるのはより上質な回答とみなされるだろう。ChatGPTがリリースして間もないが、今後、加速度的に進化してくる。難しいのは自然言語処理で、人間と対話しているかのようなふるまいが非常に難しい。人間の脳は偉大で一見、常識的な会話やふるまいも複雑な処理を行っているのだ。そんな人間のような振る舞いにより近づいたのがChatGPT4だろう。
特に「日本の最新事情」のような苦手としている領域だが、これは頭の良さというより、単に知識量と日本という地域カバーの優先度の問題に過ぎない。現在でも英語の情報と日本語の情報で回答量に差異がある。そのため細かい知識を学習してカバーしてくるのは時間の問題であろう。
人間の仕事がなくなるのでは?と考える向きもあるが、優秀なスタッフを得たと思えば可能性も広がる。特にGPT4は使える処理の幅が広がったのでよりアシスタントとして優秀になったということだ。筆者もイベントの案内やPR文・進行表などもChatGPTに作らせたがある程度たたき台までは作ってくれた。こうしたChatGPTを使いこなす能力が今後益々人間には求められて来るだろう。
ChatGPT 生成AIガイド、ChatGPTアプリなども無料で使えるのでぜひ使ってみてほしい。