注目のスタートアップ

植物肉「ミラクルミート」を開発・製造する「DAIZ」が「日清製粉グループ本社」と資本業務提携

company

2022年9月2日、DAIZ株式会社は、株式会社日清製粉グループ本社と、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。

DAIZは、発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造しています。

大豆の発芽という生理現象を応用した技術により旨味や栄養価を増大させ、余分な添加物や加工助剤を使用せずに、肉に近い食感・風味を実現しています。

今回の提携により、DAIZが2024年夏の稼働を計画している新工場建設に、日清製粉グループの日清エンジニアリング株式会社の食品工場建設の技術・ノウハウを活かします。

さらに、日清製粉グループの技術や知見を活かした「ミラクルミート」の付加価値向上や研究開発などで協業します。

世界的な人口の増加により、早くて2030年にはタンパク質の需要と供給のバランスが崩れ始めると予想されています。これをタンパク質危機と呼びます。

現在、タンパク質としては牛肉や豚肉などの畜産物が主流ですが、既存の畜産の仕組みはさまざまな課題を抱えています。

たとえば、ウシやブタを育てるためには大量の穀物が必要となりますが、これ以上飼料となる穀物を生産するための農地を確保することが難しくなっています。

また、ウシはげっぷによって温室効果ガスとして知られるメタンガスを大量に排出します。米国では排出するメタンガスの約25%がウシによるものと推定されています。

畜産の上記のような課題を解決し、新たなタンパク質を安定的に供給するため、大豆などを利用した代替肉(植物肉)や、昆虫、藻類などが注目されています。

とくに植物由来の原料を食肉のように加工した植物肉(代替肉)は、世界各国で開発・普及が進んでいます。

国内では、1960年代から植物肉を開発する不二製油グループが様々な企業と共同開発・企画を行っているほか、マルコメ、大塚食品、伊藤ハム、日本ハムなど大手食品メーカーも相次いで参入しています。

一方で、植物肉は肉としての食味を再現するため添加物を入れているものが目立ちます。そのため植物を原料としているにもかかわらず健康に悪いといわれることもあります。

DAIZが開発する「ミラクルミート」は、発芽大豆を利用することにより、添加物不要で肉のような弾力と食感を再現していることを特徴としています。

また「ミラクルミート」は欧米の人が苦手な大豆の特有の風味が生成されないため、海外市場においても受け入れられる可能性もあります。

SDGsは大きなビジネスチャンスとなり得ます。世界に先んじて革新的なプロダクトを開発できれば、大きなシェアを獲得できるでしょう。そのためには開発やマーケティングのために豊富な資金が必要となります。「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報について詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ DAIZ SDGs タンパク質危機 ミラクルミート 代替肉 協業 商品開発 大豆 日清製粉グループ本社 株式会社 植物肉 資本業務提携 資金調達 食品
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

音声コミュニティ「Yay!」運営の「ナナメウエ」とゲーム攻略メディアを運営する「ゲームエイト」が業務提携
2022年8月5日、株式会社ナナメウエは、株式会社ゲームエイトと、業務提携契約を締結したことを発表しました。 ナナメウエは、同世代×趣味趣向でつながる音声コミュニティ「Yay!」を運営しています。 ゲ…
Web3ゲーム・プラットフォームを開発する「Mint Town」が10億円調達
2023年7月19日、株式会社Mint Townは、総額10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 2023年5月に、Web3ゲームやVRゲームの企画・開発・運営を手がける株式会社Thirdve…
オーディオブックサービス「audiobook.jp」を運営する「オトバンク」と「日本出版販売」が資本業務提携に合意
2023年4月25日、株式会社オトバンクは、日本出版販売株式会社は、資本業務提携について合意したことを発表しました。 オトバンクは、オーディオブック配信サービス「audiobook.jp(オーディオブ…
「H.I.S. Impact Finance」が「あおぞら銀行」と上限50億円の融資コミットメント契約を締結
2020年1月7日、​H.I.S. Impact Finance株式会社は、株式会社あおぞら銀行と、50億円を上限とする融資コミットメントライン契約を締結したことを発表しました。 H.I.S. Imp…
浄水炭サブスク「SUMITCH」が環境アクションプラットフォーム「change」と提携
2022年2月22日、株式会社クジラテラスは、株式会社チェンジ・ザ・ワールドが提供するサービス「change」と提携したことを発表しました。 クジラテラスは、浄水炭サブスクリプションサービス「SUMI…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集