注目のスタートアップ

服から服・ボトルからボトルへとリサイクルする「JEPLAN」が「東京海上日動火災保険」と資本業務提携

company

2022年8月24日、株式会社JEPLANは、東京海上日動火災保険株式会社と、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。

JEPLANは、衣類を回収してリサイクルして新たな衣類をつくる「BRING」、ユニフォームをリサイクルする「BRING UNIFORM」、プラスチック製品を回収して新たなプラスチック製品をつくる「BRING PLA-PLUS」を展開しています。

JEPLANは、独自のケミカルリサイクル(化学的再生法)技術である「BRING Technology」を保有しています。

「BRING Technology」は、新品と同等の品質の再生樹脂を製造できること、モノマー(BHET)を抽出し不純物を取り除けること、既存のPET重合設備に連結し再生樹脂工場として稼働可能なことなどを特徴としています。

とくに不純物を取り除くことに強みを持っており、水平リサイクルが難しい汚れたペットボトルなどでも、品質の劣化がほとんどなく何度もリサイクルできることを特徴としています。

東京海上日動との提携により、従来は廃棄されていた事故にあった商品に対し、リサイクルという新たな選択肢を提案し、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を促進します。

リサイクルは主に、廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギーを回収して発電などに利用する「サーマルリサイクル」、廃棄物を新たな製品の原料として再利用する「マテリアルリサイクル」、廃棄物を化学合成により他の物質に変え、それを原料として新たな製品をつくる「ケミカルリサイクル」の3つの手法があります。

国内では、捨てられるプラスチックのうち、全体の58%がサーマルリサイクルによって処理されています。

このサーマルリサイクルは廃棄物の有効利用ではあるものの、二度と再利用できなくなってしまうこと、CO2を排出してしまうことなどの問題があります。このことから欧米ではリサイクルとしては認識されていません。

一方で、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルを実施するには、廃棄されたプラスチックを分別・選別する必要があります。国内では廃棄物の分別・選別の取り組みが進んでいないため、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルがあまり実施されていません。

また、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルには技術的・コスト的な課題もあります。

たとえばケミカルリサイクルには設備投資に多大なコストがかかることや、化学的な工程で電力などのエネルギーを多く利用しなくてはならないことが課題となっています。

とはいえ、ケミカルリサイクルは真の資源循環を実現する技術であるため、化学産業において研究開発が推し進められています。今後どのように展開していくのか注目が必要です。

シナジーのある企業との提携・連携は、自社の事業を大きく成長させられる可能性があります。「冊子版創業手帳」では、人脈を広げる方法や、商工会議所の活用方法など、提携先を見つけるためのノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BRING BRING Technology JEPLAN ケミカル サーキュラーエコノミー プラスチック リサイクル 再生 化学 回収 工場 技術 東京海上日動 東京海上日動火災保険 株式会社 衣類 資本業務提携
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
法人成りとは?個人事業主が「法人化」をするメリット・デメリットや手続きなどを解説!
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」設立ガイド|手続きの流れ・必要書類・メリット・費用など
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
事業計画書の書き方とは?18ステップごとにわかりやすく解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

外食ビジネス向け業務支援サービス提供の「イデア・レコード」が1.35億円調達
2020年3月26日、株式会社イデア・レコードは、総額1億3,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 飲食店特化型コールセンター「よやくるー」や、予約管理台帳システム「お席トットくん」、グ…
「EAGLYS」と「椿本チエイン」が資本業務提携を強化 「AI画像認識技術」の事業展開を加速
2023年5月8日、EAGLYS株式会社は、株式会社椿本チエインがEAGLYSの第三者割当増資を引き受け、2021年2月の出資に続く追加資本提携を実施したことを発表しました。 EAGLYSは、秘密計算…
おしゃべりAI「Cotomo」を開発する「Starley」が7億円調達
2024年8月23日、Starley株式会社は、総額7億円の資金調達を実施したことを発表しました。 Starleyは、音声会話型おしゃべりAI「Cotomo」を開発・提供しています。 日常会話に特化し…
SaaS型データ分析AIツールを提供する「datagusto」が1.9億円調達
2022年7月20日、株式会社datagustoは、総額1億9,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 SaaS型データ分析AIツール「datagusto」を開発・提供しています。 必要な…
ビジネス書籍の要約コンテンツの配信サービス「flier」を運営する「フライヤー」に「三菱UFJキャピタル」が出資
2023年8月24日、三菱UFJキャピタル株式会社は、運営するファンド(三菱UFJキャピタル9号投資事業有限責任組合)より、株式会社フライヤーに対し、2023年7月31日に出資したことを発表しました。…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集