注目のスタートアップ

電動マイクロモビリティー「Striemo」を開発する「ストリーモ」が2億円調達

company

2022年8月17日、株式会社ストリーモは、総額2億円の資金調達を実施したことを発表しました。

ストリーモは、電動マイクロモビリティー「Striemo」を開発しています。

キックボードに似た形の電動マイクロモビリティで、走行時・停止時の安定感や安全性を特徴としています。

バランスアシストシステムと三輪(前方一輪、後方二輪)によって停止時には自立し、極低速においても安定した走行を実現します。

ふらつきにくいため車道において走行している場合も安全に走行できます。また、足をつくことなく停止できるため、歩行と同じ速度でも安全に走行することが可能です。

また、石畳や坂道などでもバランスが乱れないため、安全に走行できます。

今後、2022年中に一般消費者だけでなく、商業施設・空港・倉庫・建築現場などでの移動用マイクロモビリティとしての製造・販売を進めていきます。

2023年以降は欧米市場への展開を計画しています。

電動キックボードは、道路交通法では原動機付自転車(原付)に分類されており、公道を走る際は原付以上の運転免許とヘルメットの着用が必要となります。しかしこのヘルメットの着用義務は、電動キックボードなどマイクロモビリティの普及を妨げる要因のひとつでした。

シェアリング事業者による働きかけにより、2021年4月23日付で「新事業特例制度」が認定され、シェアリング事業者の電動キックボードのみを小型特殊自動車とみなし、公道でのシェアリングサービス方式による実証実験が認められました。

この実証実験ではヘルメットの着用が任意となっており、電動キックボードシェアリングサービスの普及が一歩前進した形となります。

また、2022年4月19日に改正道路交通法が国会で成立しました。この改正法は2年以内を目処に施行されます。

この改正法では、最高速度が時速20キロ以下のマイクロモビリティが特定小型原付自転車となり、免許が不要となります。またヘルメットの着用が努力義務となり、自転車が走行可能な歩道も走行可能になるため、電動キックボードなどのマイクロモビリティが大きく普及するきっかけとなるでしょう。

一方で、日本の道路は自動車を前提に設計されているところがほとんどです。

たとえば、自転車も軽車両なので車道を走らなくてはならないのですが、道路の環境・状態から自転車が車道を走るには危険な箇所がいたるところにあります。

一般的な電動キックボードは二輪であり、車輪自体も小さなものが多いため安定性に欠けています。そのため、劣化した道路などでは安全に走行することができません。

警察庁の資料「パーソナルモビリティの安全な利用の推進の在り方について」(2022年6月15日)によると、2020年から2022年3月までに電動キックボードが関与する交通事故は全部で42件ありました。もっとも多いのが自動車との事故で16件(40%)で、次いで多いのが単独事故の9件(23%)となっています。

この単独事故の多さは電動キックボードの安定性の問題の現れであると考えられます。

ストリーモは、この電動キックボードの安全性の課題を解決する新たなマイクロモビリティ「Striemo」を開発しています。

安全性はマイクロモビリティの普及にとって重要なものであるため、今後ストリーモのプロダクトがマイクロモビリティの領域でどのように受け止められるのか注目が必要です。

医療の領域など、革新的な技術を開発・実用化するには豊富な資金が必要となります。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、ベンチャーキャピタルから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Striemo キックボード ストリーモ マイクロモビリティ モビリティ 株式会社 資金調達 電動 電動キックボード
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」設立ガイド|手続きの流れ・必要書類・メリット・費用など
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
【2025年版】会社設立のやること・流れ・費用をチェックリストで完全解説
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

電力売買プラットフォーム開発中の「デジタルグリッド」が資金調達
2019年11月18日、デジタルグリッド株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 電力の自由な選択・売買を可能とするプラットフォーム「デジタルグリッドプラットフォーム(DGP)」の構築を進め…
ケーキ・スイーツ専門通販サイトを運営する「Cake.jp」がスイーツのサブスクリプションサービス「Sweecho」を提供開始
2023年2月17日、株式会社Cake.jpは、「Sweecho(スイーチョ)」を2023年2月17日(金)より開始することを発表しました。 「Sweecho」は、スイーツのサブスクリプションサービス…
行動認識AIやAI警備システム「AI Security asilla」を手がける「アジラ」が資金調達
2024年3月5日、株式会社アジラは、資金調達を実施したことを発表しました。 シリーズCセカンドクローズとして合計3億円を調達しました。今回のラウンドの調達金額は合計7.6億円であり、累計調達金額は1…
船の自動運転技術を開発する「エイトノット」が資金調達
2024年5月17日、株式会社エイトノットは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、池田泉州キャピタル株式会社が運営し、株式会社池田泉州銀行等が出資する「関西イノベーションネットワーク2号…
AIスマートカメラ「SiNGRAY」シリーズなどを手がける「HMS」が3億円調達
2024年4月2日、HMS株式会社は、総額3億円の資金調達を実施したことを発表しました。 HMSは、AIスマートカメラ「SiNGRAY」シリーズや、AI画像処理プラットフォーム「SiNGRAY NET…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集