スタートアップの営業を加速させるためCRM:Zoho CRMの手ほどき (第2回)
CRMの導入に向いている業種?なにから始めれば良いの?CRMの導入に向けて
(2015/07/16更新)
前回はCRMの活用方法と選び方を説明しました。
Zoho CRMはほぼ全ての業種で利用できますが、ただ導入するだけでは効果は十分に現れません。
今回はCRMの導入にあたってどのような業種に向いているのか、またどのようなことをしたらよいのか話したいと思います。
前回の記事はこちら>>
スタートアップの営業を加速させるためCRM:Zoho CRMの手ほどき (第1回)
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この記事の目次
CRMはどのような業種が向いているのか?
前回はスタートアップ向けのCRMはZoho CRMであるとお話させていただきました。
その理由として価格もさることながら、
- 顧客管理、商談管理、連絡先管理、見込み客、Web問い合わせ管理
- 見積もり、受発注書作成
- GoogleApp連携
など、ほぼ顧客対応に関する業務をカバーできる機能を備えているために、BtoB・BtoCのビジネス問わず、どのような業種でも利用が可能です。
しかし、時間的制約を考えた場合、どのような業種が最も導入しやすいのでしょうか?
例えば下記の業種などは導入がし易いものになります。
- 法人向けのITサービス(ソフトウェア・ハードウェア)販売
- 法人向け広告サービス(WEB広告・その他メディア)販売
- 個人向の高額商材(住宅・自動車・宝石など)販売
これには下記のような理由があります。
- ターゲットが特定しやすい
- 単価がある程度高い
- 商談サイクルがある程度長い
- リピートおよび追加サービスが販売可能
すなわち、
引き合い獲得の場所と手段が特定しやすく、購買担当と意思決定者が異なるかもしれない相手に販売するプロセスが存在し、販売した後も関係性を利用しさらなる売上を獲得することが可能なサービスを取り扱っている業種となります。
導入を検討する場合、必要になってくるのは自社の業務プロセスがどのようなものかざっくりと把握しておくことです。
これは利用範囲を理解し、現状のどのプロセスで効果がでてきやすいのか、また全体的にCRM以外の仕組みもCRM導入に合わせて調整するためにも必要です。
業務プロセスから考えたZoho CRMの効果
上記業種に関して考えられる標準的なプロセスは、以下のようなものかと思われます。
これは
- 引き合いを広告やイベントで獲得し、
- 商談として進めるべきか?の見込み度合いを確かめ、
- 具体的な商談を営業担当がすすめ、契約を勝ち取り
- 契約後は紹介や、追加の商談を狙っていく
このプロセスのなかで今、効率化したい部分を考えておくと導入後の効果測定はもちろんのこと、重点的に設定や必要な箇所もより明確になります。
そして、私のこれまでの経験上、導入を早期に成功させている利用企業は業種問わず、これらのプロセスと課題が明確になっていたケースが大半を占めています。
CRMの導入事例の考え方
CRMは、導入前のお客様のリクエストとして導入事例の資料請求が多いソフトウェアカテゴリです。
それだけ購買前の期待値が高いカテゴリとも言えます。
では、導入事例をうまく利用するためにはどのように読み解けばよいでしょうか?
導入事例はいくつかのパターンがあり、だいたいこれらの章立てで構成されています。
- 導入前の課題
- 導入経緯
- 導入決定理由
- 導入手法
- 効果
そして、その中でも注意すべきは
- 導入前の課題
- 導入手法
となります。
これは課題が自社とどれだけマッチしているか?ということを把握し、導入手法がピンとくる手法かどうかを理解することで、より自社で導入するためには何をすればよいのか、また、どのような効果が出せるのか?を理解することが可能です。
特に事例をリクエストされる側は、「当社と同業種での事例」「当社と同規模での事例」を希望されるケースが多いですが、実際は課題と導入手法がどれだけマッチするかが大切です。
会社規模、利用人数、製品の特徴、業界でのポジショニングなど前提条件が異なると同業種、同規模でも適用できない事例は多数あるので要注意です。
事例をリクエストする場合は課題にフォーカスし、導入手法が明快かどうか?をポイントとして読んでみてください。
CRMの導入前によく聞かれる質問
CRM導入検討時によく聞かれる質問に何人から始めるのがよいか?というものがあります。
まずはテスト的に導入してうまくいったら広げていきたいとソフトランディングスタイルを好まれる社風の企業でよく聞かれることでもありますが、まずは下記のことが決まっているか、または現在できている状態か確認することをオススメします。
- 業務プロセスをひと通り押さえている
- 課題の絞り込みができている
- 広げるタイミングが決まっている
→業務が整理できており、全員利用時のテストケースとなり得る。
→利用して効果のでる場所の仮説があるか?
→何ができれば全員で利用するのかが決まっている。
もちろん、ソフトランディングの背景には感覚的に「新しいものを導入して業務の混乱が起こるリスクを避けたい」心理が働いていることも理解できます。
しかし、そもそも日々様々な業務が変わっているスタートアップに置いては、一刻でも早く生産性が上がるところがあるならば、即全員で利用開始したほうがよいでしょう。
全ては使いながら磨き上げていくスタイルです。
次回から業務利用に向けての説明です。
さて次回からはより具体的な利用に向けての説明となります。
- サインアップ(アカウント作成)
- 各機能の業務での利用方法
- より業務にフィットさせるためのTips
などを順をおって説明していきたいと思います。
Zoho CRMはITツールですが、プログラムやハードウエアの知識があるIT好きのためだけのものではありません。
本当にビジネスプロセスを実務として行っている人向けの仕組みです。
すぐに使って生産性を上げることができるところを中心に、まずは使い始めて頂けるようにお話していきます。
ではまた次回。
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(監修:カイト合同会社 Co-founder & CEO 藤川勝廣)
(編集:創業手帳編集部)