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2022年7月22日株式会社GRApP 衣笠達也|クラウド型ホテルオペレーション事業の事業展開で注目の企業
民泊・ホテル・ゲストハウスの管理運営代行の事業展開で注目なのが、衣笠 達也さんが2013年に創業した株式会社GRApPです。
2022年6月10日より、約2年ぶりに外国人観光客の受け入れが再開となりました。日本政府は段階的にインバウンド観光の回復をはかっていくとしており、第1段としては、アメリカやイギリス、フランス、スペイン、オーストラリア、タイ、シンガポール、マレーシアなど98ヵ国から添乗員付きで訪れるツアー客、および日本国籍保有者やビジネス目的者を含め、1日あたりの入国者数の上限を2万人にまで引き上げると発表しました。
また、今回のインバウンド受け入れ再開を機に、これまで大都市圏の特定の地域に集中していた観光客をより地方へ分散させる契機となることも期待されています。
しかし、こうした明るいニュースが飛び交う中においても、現在、新型コロナウイルスの感染者が全国的に急増し、感染拡大の第7波が到来しています。夏休みを前にして再び宿泊予約のキャンセルが出始めているのも事実です。
また、宿泊業界はもともと人手不足が叫ばれる業界でもあり、宿泊客・来訪客への接客・受け入れ対応に関する課題も残されたままです。
これらの現状を打破し、可能性を大きく開花させていく為にも、デジタルを活用した集客、オペレーションのDX化、そしてアウトソーシング活用による解決といった選択肢もあり、今、改めて注目が集まり直しています。
株式会社GRApPの、民泊・ホテル・ゲストハウスの管理運営代行事業の特徴は、「クラウド型ホテルオペレーション」であるということです。
コロナ禍において、「非対面非接触」はトレンドワードになり、私たちの暮らしの中でさまざまに取り入れられました。
同社が委託を受けた宿泊施設では、「非対面非接触」のチェックインを行い、フロント業務の無人化・省人化を実現しています。
宿泊施設の担当者に代わってチェックイン時のフロント業務を行うのは、同社が2018年に設立したベトナム支社で雇用している現地スタッフです。チャット、メール、電話などを使った宿泊者対応が24時間可能で、5カ国語に対応しており、宿泊者の問い合わせにもベトナムからスムーズに対応することが可能です。現在、国内で約50件の施設で実際に運用されています。
ビジネスホテルや民泊、ゲストハウスなどを中心に管理運営代行をしている同社ですが、「英語対応だけコールセンターでしてほしい」「集客支援だけしてほしい」など、個別案件の相談も可能です。
株式会社GRApPの衣笠 達也さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。
・このプロダクトを開発するに至った経緯について教えてください。
新卒でアパレルブランドのリユース品買取販売の仕事に就きました。2年ほど働いた後独立して、同じ業界の仕事をしながら、当時流行し始めた韓国系レディースファッションの企画販売をして、楽天市場などのECモール内でECサイト運営をしていました。
独立して2年ほど経った2015年、部屋を借りたいゲストと部屋の貸し手であるホストのマッチングサービスで、いわゆる民泊のマッチングサイトのAirbnbが、国内の投資家の間で注目されるようになっていました。今でこそシェアリングサービスは一般的となりましたが、当時はまだ国内でシェアリングの概念が広まっていない時期でした。
そんな時投資家の方から、「ECサイトで通販事業をしていて、英語ができるのだったら、Airbnbもできるでしょ?」というお誘いを受けました。
事業を続けてきたアパレル業界は、市場としては大きいのですが、資金力のある企業がロングテールで売るような仕組みなので、私が経営していたような小規模の会社ではスケールすることが難しい状況でした。「民泊」というものが、今後日本社会に根付いていくのだったら、アパレルで複数サイトのEC運営をしてきた知見があるので、商品は「服」から「宿泊」に変わりますが、その知見を生かそうと決めて、それほど英語が得意なわけでもなかったのですが、参入をすることにしました。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
「クラウド型ホテルオペレーション」と呼んでいますが、ホテルにフロント員がいなくてもホテル業務が行えるアウトソーシング型事業であるということです。
物件を所有しているけれども有効活用できていない、宿泊施設の運営ノウハウがないお客様に代わって、私たちが、宿泊施設の管理運営をさせていただいています。
ホテルのフロント業務は、2018年に設立したベトナム支社で雇用している現地スタッフがオペレーターとして対応します。
チャット、メール、電話などを使った宿泊者対応が24時間可能で、5カ国語(日本語・英語・韓国語・中国語・ベトナム語)に対応しています。現在、国内で約50件の施設の管理運営を代行していますが、オペレーターが各施設の情報、例えば設備、使用上のルール、施設の周辺情報を参照して、宿泊者からの問合せにスムーズに対応できるよう、データ整備をしています。
コールセンター業務以外にも、集客支援、予約対応や、ニーズに応じた宿泊価格の設定など、幅広くきめ細やかな対応をしています。独自の物件管理システムによってダブルブッキングを防ぎながら、20以上の集客サイトに同時掲載して、集客を支援しています。
また、ホテル業界における人手不足や人件費はコロナ禍以前から課題でしたが、私たちにアウトソーシングしていただくことで、必要とする人数を10人から3人に減らすなど、人件費圧縮が可能です。また、今後は働き手がいない過疎化してしまっている観光地などの再生もしていきたいと思っています。
多岐にわたるホテルオペレーションをまとめてお引き受けしていますが、「英語対応だけコールセンターでしてほしい」「集客支援だけしてほしい」など、個別のご要望にもお応えしています。
・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?
物件を所有していても宿泊事業を展開するノウハウのない不動産事業者様だけでなく、過疎化している観光地のホテルなど、多くの方にご利用いただきたいと思います。
最近お問合せが増えてきているのは、年に数回しか利用しない別荘地の有休活用で、戸建て一棟から対応をしています。
良いご紹介例としては、積水ハウスさんが設計・施工した千葉県・松戸駅駅近のアパートメントホテル「ReLA東松戸」です。こちらはビジネスホテルの宿泊特化型です。無人運営で、宿泊者対応は私たちのコールセンターで行い、チェックアウト後の清掃もお引き受けしていますので、固定費を大きく押し下げることができます。駅近で大規模な土地を何に使用しようかと検討するとき、不動産投資商品としての選択の一つになり得ます。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
2015~2016年頃は利用客のが9割が外国人客で、マナーが悪い方、部屋の使い方がひどくて、汚してしまう方も多かったので、その対応に困ることもありました。
国内の宿泊客でも、お酒の飲み方のマナーが悪かった方もいました。
そういった場合の対処としては、集客時の価格設定を見直しました。ある一定の価格帯に引き上げることで、マナーの悪い方の利用が減りました。
部屋を汚してしまった、修繕の必要があるといったトラブルに対しては、保険でしっかりサポートできる体制を整えて、2017~2018年ごろからは落ち着いてきました。現在ではトラブルはほぼありません。
また、2018年に旅館業法が民泊新法(住宅宿泊事業法)と同時に改正になり、一定条件をクリアすれば旅館業法で許可を受けている施設も、宿泊施設を無人運営してよいという形になりました。
ところが、「無人=民泊」、「民泊=トラブル、セキュリティに問題」などのイメージが国内できてしまっていて、その悪いイメージの払拭はずっと課題でした。
新型コロナウイルスの流行によって、インバウンド需要がなくなり、それまで勢いのあった民泊ブームが一気に冷めた一方、「非対面非接触」がトレンドワードになって、人と会わずにチェックインできることにメリットを感じた国内利用者が、無人宿泊施設を利用するようになりました。
それがきっかけとなり、非対面非接触以外にも、部屋が広くて快適である、マイクロツーリズムに使用できるなど、アセットの良さを感じてもらえるようになり、リピーターやニーズの獲得、イメージ向上につながりました。
先ほどご説明した、コールセンターのあるベトナムの支社では雇用問題が生じました。ベトナムは「テト休暇」といって、国民が2月の旧正月に休暇をとり、企業はボーナスを支払う慣習がありますが、ボーナスを受け取って辞めてしまったり、定着しないことがありました。
それに対しては、新しい人が来ても、今日からすぐ働けるというぐらいオペレーションをスマートにさせ、雇用の問題に対応できる体制を徐々に作り上げました。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
新規ホテルの施工段階から参画し、新規ホテルの管理運営サポートを事業の中心としてきましたが、これからは既存のホテルに対しても、もっとパフォーマンスが高く出せ、かつ固定費の下がるご提案をして、「観光立国日本」の実現に寄与していきたいと思います。
コロナ収束後は宿泊施設が足りなくなることも予想されますので、その際には新規のアパートメントホテルの開発・運営に関わるサポートに注力していきたいと考えています。
・今の課題はなんですか?
私たち自身の課題というより、国内の大きな課題と言えますが、地方はどうしても人手不足です。人手がないと、運営ができず廃業するホテルや宿泊施設が増えますが、ホテルや宿泊施設が無いことには、インバウンド需要を含め地方が活性化しないので、人手不足を補うサポートをしていきたいと思います。
・読者にメッセージをお願いします。
私は高い志を掲げて起業したタイプではなく、賢く動けたタイプでもないと思っています。努力×時間以上に成果を生む方法はあまりないと思って事業を続けてきました。目の前のことをコツコツしっかりやり切ることが本当に大事で、それが次のステージにつながってきました。
アパレルの事業ではスケールせず、民泊に関わる事業で一気にスケールできたのは、市場規模は大きいけれども参入者が少ないところに、いち早く参入できたことが理由かなと思います。
これからも市場の動向を注視しながら、全ての仕事に対して真摯に取り組んでいきたいと思います。
会社名 | 株式会社GRApP |
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代表者名 | 衣笠達也(きぬがさ たつや) |
創業年 | 2013年 |
社員数 | 20名 |
資本金 | 1,000,000円 |
所在地 | 大阪市中央区東心斎橋1-2-17 第一住建東心斎橋ビル3F |
サービス名 | クラウド型ホテルオペレーション事業 宿泊施設向けweb集客サポートサービス ホテスマ 宿泊施設特化型コールセンターサービス マチゼロ |
事業内容 | 宿泊施設の省人化・無人化をお手伝いするクラウド型ホテルオペレーション事業を提供しております。 宿泊施設様の経営課題として人材不足がコロナ前から顕著にございました。 弊社のサービスを導入いただくことでフロントを最小限の人員で運営することが実現でき、固定人件費の削減が可能です。 また5ヶ国語24時間のコールセンターサービスがございますので、インバウンドが戻ってきた際の売上向上、OTAの集客を実務ベースでサポートさせていただくことでの売上向上を実現いただけます。 |
代表者プロフィール | 下関市立大学を卒業後、アパレルリユース企業の総合職として会社勤めをしたのち、25歳で起業。アパレルECから事業をスタートし、2015年から民泊事業を始めたのがきっかけで現在のホテル事業をおこなうようになる。 2018年からベトナムのホーチミンにオフショアを作り、日本のホテルや旅館をクラウドでオペレーションするサービスを展開している。 |
カテゴリ | 有望企業 |
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関連タグ | GRApP コールセンター ホテルテック 不動産テック 衣笠達也 |
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