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2022年6月17日株式会社フィルダクト 金子 奏絵 | 現代3Dテクノロジーを用いた透明マウスピース型の歯科矯正サービスで注目の企業
現代3Dテクノロジーを用いた透明マウスピース型の歯科矯正サービス『DPEARL』で注目なのが、金子奏絵さんが2018年に創業した株式会社フィルダクトです。
新型コロナウイルス感染拡大を受けて「マスク生活」が定着していますが、マスクを外した時の口元がコンプレックスだと感じる方も多いのではないでしょうか。リモートワークなどでzoom等を使う機会が増え、画面に映る自分の歯並びが気になったという方もいると思います。
歯科矯正の代表的な方法としてはワイヤー矯正やマウスピース矯正などがありますが、ワイヤー矯正は金属製のブラケットやワイヤーを使用することが多く、どうしても目立ちやすく、痛みを強く感じたり、食事に支障がでる場合もあります。
それに比べて、マウスピース矯正は透明のため、ほとんど気づかれずに矯正することができます。また、器具を歯に固定しないため、臨機応変に外すことが可能です。
『DPEARL』のマウスピース矯正は、最新テクノロジーを用いており、質の高い歯列矯正を従来よりリーズナブルに、明瞭会計での提供を実現しています。また、歯科医師への相談やオンラインサポートも充実しており、モチベーションを保ちながら、安心して歯科矯正を続けることができます。
株式会社フィルダクトの金子奏絵さんに、『DPEARL』のマウスピース矯正の特徴や今後の課題などについてお話をお聞きしました。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
『DPEARL』は、一人ひとりのイキイキした生活を導く透明マウスピース型の歯科矯正サービスです。3DプリンターやCADなどのテクノロジーを用いてできた効率的なプロセスを採用し、より多くの方に歯並び改善の機会を届けられることを目指しています。
特長は、アプリを活用し新しい供給プロセスによって質の高い歯列矯正サービスをリーズナブルに実現している点です。データドリブンで包括的な診断・治療計画に基づき、定期通院での歯科医師によるプライベートメンテナンスをしっかり行うことで、正確に進捗を把握しフィードバックすることが可能となっています。
・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?
「DPEARL」では、ダイレクト・トゥ・コンシューマーのモデルを取り、中間業務の削減やデジタル技術を用いた徹底的な業務の効率化により、従来の約1/2の歯科矯正価格を実現しました。
また、価格のコストだけではなく、体験のアップデートをできるようにアプリやLINE、キットデザインの事業開発も行い、歯科矯正を始められないハードルをクリアすることで、これまで歯科矯正を諦めていた方に広く弊社サービスを利用いただきたいです。
・このサービスの解決する社会課題はなんですか?
長年、歯科矯正は価格の相場が約100万円と高額で、通院回数も多く、おまけにワイヤーによる審美的問題もあり、治療を開始するハードルは高くなっていました。そのため、アラインテクノロジーの歯並びに関する調査によれば、日本の約50%が歯並びの改善が必要にも関わらず未治療であり、日本は世界の先進国に比べ遅れを取っているのが現状です。
しかし、日本もここ数年で変わりました。透明で目立たないマウスピース型の歯科矯正が3Dプリンターを活用して製造できるようになり、スキャナーやCADなどの周辺デジタル機器の精度も上がったことによって、非効率な作業コストが削減できるようになってきました。
DPEARLは、まさにテクノロジーを活用し最先端で現代ニーズに即した歯科矯正を届けています。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
サービスを始めるときに歯科医師の方に協力をしていただけなかったことです。
歯科医師からなぜ価格を下げるのかと言われました。普通だとインプラントは数十万円するので、全体で行っても1000万円以上の価値があってもおかしくありません。また、マウスピース矯正自体も流行っていなかったので歯科医師からは本当に治るのか言われていました。
本当にこれで事業をやっていけるかと思う日もありました。しかし、有識者から意見を貰い、市場拡大が見込めると確信しました。
まずはビジョンに賛同いただける方からお願いし、実績が出てくると協力する人たちが増え、手応えを感じました。まだまだ壁は立ちはだかりますが、このサービスを必要としている人がいると思うと頑張れます。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
歯科矯正サービスを起点に、新たな仕組みとテクノロジーで歯科のポテンシャルを底上げし、ヘルスケア産業に貢献したいと思っています。
ミッションは「No.1 in Oral Tech × Prevention」。テクノロジーでオーラルヘルスを加速し、グローバルでNO.1の予防医療ソリューションを、日本から生み出したい。その第一歩としてまず、DPEARLの歯科矯正サービスを開始しました。
現在は、歯科医院のシステム開発も行っていて、歯科医院・技工所のDX化を目指しています。
歯科矯正の仕組みを改善して、私たちのサービスがもっと世に知られるようになれば、歯科矯正だけでなく「歯科予防」にまで領域を広げていくことができると考えています。
今は歯医者に「歯が悪くなってから来る」人がほとんどで、まだ「治療」としての歯科が根強く、「予防」としての歯科を普及できていません。
私はそうではなく、あらかじめ選択肢を提示でき、先進的な歯科医療にアクセスしやすい世の中を創っていきたいと思っています。
・今の課題はなんですか?
業務委託含め徐々に強くて心強いメンバーが増えてきた一方で、まだまだ人手が足りていないない事です。やりたいことがまだまだ沢山あるので、発揮しどころに困っている方がいましたらぜひ力を貸していただきたいです。
・読者にメッセージをお願いします。
私もまだ未熟ですが、今後もよりいいサービスを提供できるように頑張っていきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
サービスに少しでも興味を持って頂けましたら幸いです。
回答者プロフィール | 株式会社フィルダクト 金子 奏絵 2017年東京医科歯科大学歯学部口腔保健学科卒業。国家資格歯科技工士免許取得。 2019年同大学大学院医歯学総合研究科医療政策学修士課程修了。 研究分野は地域歯科保健医療・デジタルデンティストリー。大学院在学中に、古い歯科業界を変えるために社会実装を模索する中で株式会社フィルダクトを創業。東京都女性ベンチャー成長促進事業APT Womenにも最年少採択された。3Dプリンターを活用した透明マウスピース型の歯科矯正D2Cサービス「DPEARL」を2020年にリリース。同年にICCカタパルト2020入賞。 2021年医院向けSaaS試験導入開始 2022年同大学デジタルヘルス人材プログラムで非常勤講師として講義 |
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会社名 | 株式会社フィルダクト |
代表者名 | 金子 奏絵 |
創業年 | 2018年8月 |
住所 | 東京都千代田区神田淡路町1-15-3 西堀ビル 2F |
サービス名 | DPEARL |
事業内容 | 3Dプリンターを活用した歯科矯正サービス |
カテゴリ | 有望企業 |
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関連タグ | :歯科矯正 3Dプリンター マウスピース 女性 株式会社フィルダクト 金子奏絵 |
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