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2022年4月12日株式会社ライブセルダイアグノシス 山岸舞|細胞の声を聴く LCI-Sを基盤とした研究開発受託、汎用型LCI-S装置の事業開発が注目の企業
細胞の声を聴く LCI-Sを基盤とした研究開発受託、汎用型LCI-S装置の事業開発で注目なのが、山岸舞さんが2022年6月に創業予定の株式会社ライブセルダイアグノシスです。
わたしたちの体はおよそ37兆個の細胞からできています。
その細胞同士が、実はコミュニケーションをとっていて、お互いに大事なメッセージのやり取りをしていることを皆さんはご存じでしょうか?
そのコミュニケーションによって生きているその細胞の一つ一つが正しく作用し合い、活動し続け、私たちの体は適切に運営されています。
そしてそのコミュニケーションの中には、体調の変化や不良を知らせる ‶声” も含まれています。
この ‶声” を拾い出し、聴くことによって、個々人の体調の変化や健康状態、体調不良等の根本原因を突き止めることが出来るようになります。
従来までであれば、『風邪』や『頭痛』といった症状の括りの中で汎用的な薬が処方されたり治療がなされたりしていたところを、これからは個々人レベルにまで細分化され、適正化された治療法や薬の処方が可能となり、患者さんや医療機関、医師の負担を軽減することにもつながっていくのです。
しかし、細胞がいつ声を発して、どのようにメッセージが伝わっていくのかについては、よくわかってはいませんでした。
この解明が出来れば、医学界はもちろんのこと、畜産や農漁業、ペット産業など多くの分野でも大きなイノベーションが起こせる可能性を秘めています。
その ‶細胞同士の会話” を聴き取るための技術開発に、今大きな注目が集まっています。株式会社ライブセルダイアグノシスの開発している『LCI-S(Live-Cell Imaging of Secretion activity)』です。
株式会社ライブセルダイアグノシスの山岸舞さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
例えば、問診では「体調が悪い」としか語れない代わりに、体調を悪くする原因となる細胞機能を突き止めて、なぜ体調が悪いのか、どうしたら良くなるのか、を細胞に代わりに語ってもらうことを目指します。
生物の体をつくる細胞は、世界中の研究者が想像していたよりももっと個性的で、ほんの一握りの細胞が出すメッセージでさえも全身の状態を変えてしまうような影響力をもっていることがわかってきました。この仕組みは、細胞同士が情報交換して複雑につながっていることで成り立っています。インフルエンサーがSNSで活躍するのと同じ構造です。
私達は、生体から採取した細胞をひとつひとつ生きたまま観察して動的な機能を明らかにすることでインフルエンサー細胞を見つける、そのためのプラットフォームを提供します。
・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?
医療従事者(診断補助として)、製薬会社・食品会社など(スクリーニング・毒性評価など)、基礎研究者(細胞生物学研究のツールとして)、他、生き物に携わる方々全てにご活用いただきたいです。
・このサービスが解決する社会課題はなんですか?
たとえば患者さんが適切な治療を受けるためには、自分がどのような病気にかかっていて、今、どのような状態にあるのか、を診断してもらう必要があります。
しかし、どのような状態にあるかの診断を正確に行う事は非常に難しく、あいまいな診断のまま治療が行われ、治療が長引く事も避けられません。治療が長引くことは、患者に重大な負担をかけるだけでなく、保険診療にかかる国の財政負担にもつながります。
私達のサービスは、患者さんの細胞の異常機能を知ることによって、病気そのものや悪化の原因を明らかにし、原因に働きかける治療法の選択を可能にすることで、個々の診断の高精度化を実現します。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
代表が元・大学研究者で、起業したものの何をしたらよいか全くわからず、たくさんの方々に助けていただきながら手探りで進めてきました。東京大学産学協創推進部、東大IPC、MEDISO、木原財団の方々に話を聞いてもらいながら、様々な機会や専門家の先生をご紹介いただくたびに、次の段階に進めているように思います。
現実的な問題として、売上が立たないまま研究開発を進めるのは大変です。残念ながら今も解決しているわけではないですが、政府系の研究助成を有難く使わせていただいています。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
細胞機能のモニタリングを世界中の医療での常識とするためのリーディングカンパニーになりたいです。
・今の課題はなんですか?
ライブセルダイアグノシスという方法論がぴったりとはまる例が世の中にはたくさんあると期待していますが、現時点ではいくつかの実証評価にしか手が回っていません。
そのため、様々な分野の方々を巻き込めるように、汎用型プラットフォーム開発を進めています。目下の課題は、製品開発フェーズを順当に進めるための人材・資金の確保です。
・読者にメッセージをお願いします。
生体から取り出した細胞のメッセージが聴ける未来はすぐにやってきます。もし、自分だったら、どういうメッセージが聴けるとうれしいかな、と、想像してみてください。そして、私達に教えて下さい。一緒に実現しましょう。
会社名 | 株式会社ライブセルダイアグノシス |
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代表者名 | 山岸舞 |
創業年 | 2022年6月1日 |
事業内容 | LCI-Sを基盤とした研究開発受託、汎用型LCI-S装置開発 |
資本金 | 500万円 |
社員数 | 3名 |
サービス名 | ライブセルダイアグノシス(生細胞診断)プラットフォーム |
所在地 | 埼玉県朝霞市東弁財3丁目15-3 |
代表者プロフィール | 埼玉県生まれ、札幌育ち。化合物を作って社会の役に立とう、と、大阪大学理学部化学科に入学したものの、生物への興味が大きくなりすぎて博士課程で中退。東北大学医学部解剖学教室を経て東京大学大学院薬学系研究科にて船津高志教授に師事し、ライブセルイメージングにたどり着いて落ち着く。博士(工学)取得。2014年に発表した細胞からのメッセージをリアルタイムに観察する技術「LCI-S」の、医療への貢献の可能性に気づき、2019年6月に株式会社ライブセルダイアグノシスを設立。 |
カテゴリ | 有望企業 |
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関連タグ | LCI-S メッセージ物質 ライブセルダイアグノシス 個別化医療 分泌 山岸舞 精密医療 |
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