創業手帳が選ぶ起業経営ニュース
2022年3月4日PLANT DATA株式会社 北川寛人|農業事業者向けのデータ基盤事業の開発が注目の企業
農業事業者向けのデータ基盤事業の開発で注目なのが、2014年に創業したPLANT DATA株式会社です。
日本全体の農業人口はピーク時の昭和中期から比べるとその数を減らしていますが、今から15年ほど前と比べると徐々に新規就農者数は増ふえており、農業法人数も拡大しています。
実家を継ぐという選択肢以外にも、農業で起業する人が増えたり、企業が新規事業として農業に参入したりするケースが増えていることがその背景にあるようです。
農業大国日本の価値を見つめ直し、伝統食材や国産ブランドを守り育てようという一人一人の意識の高まりをも感じさせる話題です。
その一方で、農業を営む人の平均年数は約120万円ほどであり、農業法人ですら330万円程度、日本の平均年収と言われる436万円には程遠いという現実もあります。(農林水産省 令和元年農業経営体の経営収支より)
農業で一大ブランドを確立し、しっかりと稼げる経営をし、多くの人を雇い、事業を拡大していく、というのに多くの課題が残されているのが実情です。
そこには、過去から変化なく続いている商習慣の問題、気候や環境の変化、産品の差別化(ブランド化)問題、諸外国との輸出入調整など、現代ならではの課題が多々存在しています。
これらの課題を解消していく為にも、農業のデジタル化を進めていこうという動きに注目が集まっています。
PLANT DATA株式会社の事業の特徴は、生育環境ごとに、光合成 蒸散のリアルタイム計測、クロロフィル蛍光計測に基づいた植物の環境応答の異常検知など、汎用性の高い植物生体計測のサービスを提供する他、植物生理生態学に基づいたデータ解析・利活用のための現場実装を推進している、という点です。
PLANT DATA株式会社の北川寛人さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
植物自体の生育状況、光合成や蒸散などの代謝や画像計測と解析による把握ができることです。
生産性向上には、光合成機能と光合成産物の分配状況を見える化し、管理することが重要です。PLANT DATAでは、光合成や蒸散のリアルタイム計測、クロロフィル蛍光計測による光合成機能評価、植物生体情報のインフォグラフィック化など、生育を見える化する技術を実用化しています。
・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?
商業的な農業生産者はもちろんのこと、プログラム教材としてのIoTやAIの素材として教育機関などにもご利用頂きたいと思っています。
既に先端的研究者と連携した事業構築支援も行っており、オランダ現地法人も設立しグローバルで社会実装を進めています。
・このサービスの解決する社会課題はなんですか?
暗黙知化している農業生産や植物を管理する上でのノウハウの「形式知化」と、それによる農業の産業化に貢献できると考えます。
数値の把握とその解析を元に、論理的な農業を打ち立てることによって、産品のブランドがより強固に確立されたり、新ブランド開発に繋がりったりと、農業界の発展に寄与できるプロダクトと自負しています。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
存在しない技術に対する顕在化していないニーズを顕在化し、データ解釈のためのリテラシーやモチベーション等を醸成するハードルが高かったですね。
5年以上の技術や事業開発に伴うサービスの認知向上等により、実績が徐々に増え、先の見通しが立ってきました。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
世界的にも、植物自体の生育状況をデータ化、情報化する技術としては先行優位をキープしており、日本発の技術シーズでグローバルでのデータ駆動型農業実現に寄与していきます。
・今の課題はなんですか?
人材採用と人材育成です。人材育成のタイミングによっては、資金調達も必要になる可能性があると考えています。
・読者にメッセージをお願いします。
どのような関わり方でも、単純な事業や技術への興味でも、お気軽にお問い合わせくださいませ。
会社名 | PLANT DATA株式会社 |
---|---|
代表者名 | 北川寛人 |
創業年 | 2014年 |
資本金 | 9,802千円 |
社員数 | 11名 |
事業内容 | 農業事業者向けのデータ基盤、クラウド、計測IoTの開発とサービス提供 |
サービス名 | PLANT DATA |
所在地 | 〒790-8566 愛媛県松山市樽味3丁目5番7号 |
代表者プロフィール | 東京大学農学部で学士は農機自動制御、修士は気候変動対応に従事。PwCCで、ICTシステム導入。 オールアバウトで、Webメディア構築。ライブドアで、Webサービス構築。 2006年に独立し、JICA予算によるカンボジアでの農業可能性調査など農業やICT分野の事業構築に従事。 2013年、エムスクエア・ラボで事業統括。2014年、アグリホールディングス取締役。 2015年、PLANT DATAに参画し、植物生体情報を軸としたグローバルでの食糧生産のプラットフォームビジネスを志向。 |
カテゴリ | 有望企業 |
---|---|
関連タグ | PLANTDATA アグリテック スマート農業 データ 北川寛人 形式知化 見える化 |
有望企業の創業手帳ニュース
関連するタグのニュース
2023年8月25日、株式会社xenodata lab.は、総額1億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 xenodata lab.は、AIを活用した経済予測プラットフォーム「xen…
2022年10月4日、株式会社ハイボットは、リックス株式会社と資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 また、三井住友海上キャピタル株式会社が運営するファンドからの出資を受け入れたことも併せて発…
2022年4月1日、株式会社SIGNATEは、経営陣によるマネジメント・バイアウト(MBO)を実施するとともに、総額約6億円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、データスキルマネジメントSa…
2022年6月27日、株式会社KiZUKAIは、総額4億3,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 KiZUKAIは、次世代型CXMツール「KiZUKAI」を提供しています。 顧客体験を管…
2022年9月5日、株式会社キーウォーカーは、2022年8月31日をもち、創業者からのMBO(Management Buy Out)を完了したことを発表しました。 キーウォーカーは、データスクレイピン…
大久保の視点
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…