衝撃・ウェイモ自動運転の無人タクシーに乗ってみた。実用レベルの驚愕の完成度。

創業手帳

「人のほうが怖い」地元ユーザーがwaymoを使う意外な理由

ウェイモ Waymo

米国サンフランシスコで自動運転タクシー「ウェイモ」(ウェイモ・ワン)に、創業手帳代表の大久保は実際に乗りその感想を現地レポートします。
自動運転、ロボットタクシーはまだまだ未来のもの、と思いがちですが、すでにサンフランシスコでは、多数走っており、すでに実用レベルです。今回筆者が驚いたのは、街中では、すでに普通のタクシーよりウェイモをよく見かけることで、高密度に走っています。すでに毎週10万回利用されており、機能やデータ蓄積がどんどん進んでいるようです。
このウェイモ、もしくは似たようなサービスが日本に上陸するのは遅かれ早かれ時間の問題だと思いますが、そのインパクトは計り知れません。アメリカ全体ではまだですが、すでにサンフランシスコ市内では当たり前に普及しているウェイモの試乗レポートをお届けします。
また現地でウェイモを日常的に利用するユーザーが使う「意外な理由」もお届けします。

全く違和感がない・さすがgoogleの技術力


ウェイモは、Google(アルファベット社)の自動車部門が2016年に分離設立した会社で、googleらしい高い技術力・ユーザー体験の完成度を感じます。自動運転技術の開発に特化しており、現在ではサンフランシスコ、アリゾナ州フェニックス、ロサンゼルスなどで無人タクシーサービス「ウェイモ・ワン」を提供しています。
まず、ウェイモのタクシーをアプリで呼ぶと、数分以内に車が到着しました。

ウェイモ Waymo

車内に乗り込むと、シートベルトを締めるまで発車しない仕様でした。ルールを否応なく守らせるのは無人の良いところかもしれないですね。

ウェイモ Waymo

乗車した車両はジャガーをベースとした高級感のある車体。乗り心地は良かったです。

自動運転中は、ハンドルが滑らかに動き、車が障害物や歩行者を避けながら目的地へと向かっていきました。
車両はカメラやセンサーで周囲を感知しており、他の車や人が画面にリアルタイムで表示されます。

ウェイモ Waymo

ハンドルがくるくる回るのは最初、びっくりしますが、すぐ慣れました。個人的に自動運転の安心感がありました。モニターでのリアルタイム表示やgoogleベースの技術力・完成度・ジャガーベースの車体の高級感などにより安心感が醸成されている気がします。
動画を見せた起業家の友人の感想としては「ハンドルがぐるぐる回るのでちょっと怖い・違和感がある」という声もありましたが、実際乗ってみるとそこまで不安感はありませんでした。
ウェイモは、複数のカメラ、ライダー(LiDAR)、レーダーセンサーを組み合わせた高度なセンサー技術を駆使しており、これにより最大500メートル先の障害物まで検知可能だそうです。

ウェイモが支持される意外な理由「人間の方が怖い」

ウェイモのタクシーはUberよりやや高めの価格設定ですが、ここに海外特有のからくりがあります。海外ではチップが普通で、特に最近は20%以上というのが相場です。人間に必要なチップが不要であるため、実質的にはUber・タクシーとほぼ同等のコスト感覚です。
個人的には、海外特有の運転手(滞在中、普通のタクシーも利用しましたが強面だったり、謎の音楽を大容量で流していおじさんもいたりしました。)特に現地サンフランシスコで長年事業や投資を行っており、よくウェイモを使う女性起業家に感想を聞いた所、「人間の運転手さんがむしろ怖く、トラブルや犯罪に巻き込まれる心配が無いのが女性にとっては良い」ということでした。
もちろん素晴らしい運転手さんもいますが、どうしても人の相性というものがあり、そこが一定、非常に悪いケースがないというのは実は重要なポイントです。特に日本では心配は少ないものの、治安の悪い国においてはタクシー運転手による犯罪も実際起こっています。
以前、いたフィリピンではタクシー運転手さんに気をつけろと地元の方に注意されました。日本ではそこまで関係ないものの治安の悪い国でより支持される可能性があると思いました。
また、後ろで楽器の練習をする人もいるとのこと。運転手さんも駄目とは言う人は少ないであろうものの、さすがにお互いに人間なので大音量の音楽など好き放題するのは気が引けるところです。またあまり聞かれたくないビジネスやプライベートな会話も心理的にしやすそうです。
運転手の当たり外れがなく、気遣いを心配する必要がないというメリットがあります。

ウェイモ Waymo

日本に与えるインパクト

今回の試乗で使用された車両は、ジャガーをベースにしたもの。高級感のある内装と静かな乗り心地が特徴です。今後、ヒュンダイが車体を受注したということで、日本勢の今後が気になるところです。
appleのハード面を台湾のファウンドリーが下請けで受託しているように、中韓台のメーカーが、ウェイモなど自動運転のファウンドリー化してくると大変なことになるなと思いました。
すでにビジネスとして成立している印象受けましたが、今後さらに
7500億円の巨額投資をしていくということです。今でも完成度の高い技術が進展し、今後、各国の法規制をクリアできれば、どんどん世界中に広がっていくと思います。
サンフランシスコでは、ウェイモの他にamazonのzooxも頻度は少なく珍しいですが見かけました。またテスラも参入したほか、中国でも自動運転がすでに実用化され、人間を上回る安全性を実現しているようです。
この分野では日本は本来強そうですが、実用では、遅れを取っており、またデータや機能の累積がものを言う世界なので、日本の自動車業界とその関連業界はどうなるのだろう?と危機感を覚えました。

一方、消費者の目線でいうと日本の友人は一様に、日本に早く上陸してほしいということでした。
今後、社会、特に日本に強烈なインパクトを与えるであろう技術を実感してきました。

解説 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計250万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら
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