経営改善のコツは○○○すること!人気経営コンサルタント ビジョナリーパートナー 和仁達也氏が大切にしている考え方(インタビュー後編)

創業手帳
※このインタビュー内容は2018年03月に行われた取材時点のものです。

起業で経験したことは、全て資産になる

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前編では、自身が経営コンサルタントの仕事を選んだ理由や、起業した経緯について語っていただいた、人気経営コンサルタントの和仁 達也氏。
後編では、クライアントの信頼を勝ち取っていく方法や、「経営がうまくいっていない」と悩む社長・リーダーに向けた、実践的な改善方法についてお話を伺いました。

前編はこちら→年間報酬3000万円超の人気経営コンサルタント ビジョナリーパートナー和仁達也氏インタビュー(前編)

和仁達也(わに たつや)

1972年生まれ。ビジョンとお金を両立させる専門家「ビジョナリーパートナー」
株式会社ワニマネジメントコンサルティング代表取締役
一般社団法人日本キャッシュフローコーチ協会代表理事
月給25万円のサラリーマン時代から一転、1999年27歳で独立。
当初は月1回訪問月額15万円からのスタート。現在は月額30万円以上の顧問先が5~7年以上継続するパートナー型コンサルティングの第一人者として実績を積む
著書に4増刷の「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの経営数字の教科書」(かんき出版)ほか多数。

明確な言語で書きだし、引き寄せる

ー起業した際に、人材はどのように集めましたか?

和仁:自分のあり方をちゃんと言語化して、こういうことがしたいと言えるような状態にしておくこと。そうすると、協力する方も協力しやすいです。

スタッフを雇う時にも、「僕はこういう考えでやっています」ということが言えないと、相手が勝手なイメージを持ってしまい、こちらの望むこととズレてしまいます。その結果、良い関係が続かなくなってしまうこともあります。

私の場合、どの媒体でどんなことを出すというのはあまり重要視していません。
その代わり、「こういう仕事をまかせたくて、こういう資質があって、こういう勤務形態でやってくれる人が欲しい」といった条件出しを明確な言葉で書きだしています。すると、人からの紹介や思いがけない出会いでそんな人が近いうちに現れてくれます。

お互いが望むことをわかっているからか、10年以上の付き合いの方もいらっしゃいます。

信頼は、有言実行をひたすら続けて勝ち取る

ークライアントの信頼関係を築く上で、実践していることはありますか?

和仁:私の場合、「あり方」、「軸」を言語化した※ビジョナリープランを一緒に作ります。その時に、必ず、私自身のビジョナリープランを事例としてお話しします。

自分のビジョンを実現しながら、クライアントのビジョン化を応援するのが私の役割で、「上から教える先生」としてではなく「横に並んで背中を押すパートナー」として関わっていきたいんです。

自分自身のあり方を言葉として伝え、ちゃんとその通りのことをやっているから信頼されているのではないかと思っています。

特に、若い頃は「こんなことをやってきました」といった実績という過去の資産がありませんでした。その場合は、有言実行を続けて、現在進行形で信頼してもらうしかありません。その環境が私を鍛えてくれました。

私が指導している養成塾では「クライアントにアドバイスすることは、自分が模範となるレベルでやっておく必要がある」とお伝えしています。それは20代で独立したからこそ気付いたことですが、今もそのことは大事だと思っています。

※ビジョナリープラン:あり方・軸をシンプルに言語化し、一貫したスタンスで
ワクワク心が奮い立つビジネスや人生を創り出すための未来思考の計画書。

「図式化」することで状況は改善する

ー「経営がうまくいっていない」という悩みを抱えている社長・リーダーに対して、経営改善のためにオススメしたい方法はありますか?

和仁:このような相談があった場合、一般的には、「問題点の分析をしましょう」とか、「解決策の実行が必要です」とか「セミナーに行くといいよ」といったアドバイスを受けると思います。

ですが、私はその前に、自分でやることがあると思っています。それは、今の状況を俯瞰できるように、現状を正しく「図式化」することです。

例えば、プロジェクト進行の場合なら、1ヶ月目、2ヶ月目など時間軸をとって、「何をやったら完成するのか、次は、その次は…」と、ざっくりで良いので入り口から出口までの工程を描いていきます。それを書きながら、何に悩んでいるのかを書き加えていきましょう。

もしくは、お金の場合なら拙著「年間報酬3000万円超えが10年続く コンサルタントの経営数字の教科書」でもご紹介している「お金のブロックパズル」を使って、今の会社の収支はどんな形が適しているのか書いてみます。

※和仁達也氏の著書「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの経営数字の教科書」より引用

頭の中だけで考えることをやめて、とにかく紙に書き出すことが重要です。
多くのリーダーが頭の中だけで考えています。頭で考えていると、思考が堂々巡りになってしまい、時間が勿体ないです。

紙に書き出したら、書き出したこと以外のことを考えればいいので、思考が積み上がっていきます。また、ある程度自分で書き出して行き詰まった場合、書いた紙を見せながら人に相談すれば、自分だけでは思いつかないような知恵をもらえることがあります。

つまり、書き出すことは自分の頭の整理にもなるし、人に相談するツールにもなります。

もし、経営がうまくいかないと悩んでいる時は、頭の中を全部1枚のツールにしてしまう方法をオススメしています。紙に書き出すとお伝えしましたが、手書きでなくても、視覚化できればPCやタブレットでもOKです。

ー事業を行っていく上で、大切にしている信念はありますか?

和仁:私自身が大切にしている土台にあるのは、先ほどもお話しした「あり方」と「価値観」を大切にすることです。

そして、“事業を行っていく上での信念”としては、「自分のビジョンを実現しながら、人のビジョン実現化を応援する。」そして、「影響力の範囲を最大化する」ことです。

それを全うするために、主に次のことを実践しています。

  • 1.一人でやらずにチームで動く
  • 2.脱★完璧主義
  • 3.1アクション3ゴール

1.一人でやらずにチームで動く

事業のスケールの大きさにもよりますが、「一人でやれることの限界と、チームで動くことの強さ」を理解しておくことが大事です。
コンサルタントは一人で動ける仕事なので、一人でやれることを器用にやっていく道もあります。ただ、日本全国に広げようとか、ある業界の中でシェアを高めていこう、という大きな動きをしたいと思った時、一人では限界があります。

2.脱★完璧主義

チームを組んだ時に、特にコンサルタントのような専門職の人が陥りがちなのが、「完璧主義」を相手に要求することです。「これくらいできて当たり前でしょ?」というスタンスで完璧を追求してしまいます。すると、大体周りの人はどんどん疲弊していきます。
完璧でなくても良いので、量をこなしていけば、だんだんレベルは上がっていきます。そしてスピード重視でやっていけば、結果的に質は伴ってきます。
そういった意味での”脱★完璧主義”です。

3.1アクション3ゴール

”脱★完璧主義”をするための方法の一つで「1アクション3ゴール」というものがあります。1つのアクションに角度の違う3つのゴールを予め設定しておく、というものです。

結果的に生産性も上がり、モチベーションも上がります。
3つの意味があることを思ってやるのと、たった1つの意味だけでやるのでは、モチベーションが違います。その結果、生産性も上がっていきます。

やってきたことは全て資産になる

ー今後の目標はありますか?

和仁:2018年2月現在、日本キャッシュフローコーチ協会の会員が全国に350名います。当面の目標として、2022年時点で会員数1000名を突破することを目指しています。

会員一人が50社のキャッシュフロー経営に関与したら、協会として5万社のサポートをすることになります。

そうすると、「キャッシュフローコーチ®って魅力的な職業だよね?」「最近、目立っているよね?」「輝いているよね?」という噂が出始めて、「キャッシュフローコーチ®」という職業が、税理士、社労士、FPと同じように認知されてくると思うのです。

そして、海外でもセミナーやコンサルを行い、日本で生まれたキャッシュフローコーチ®のノウハウを海外へ伝えていきたいと思います。日本発★新職業の輸出です。

職業として発展するシステムとして、私が引退した後も広がっていく、それを見届けることが目標です。

ーこれから起業する方に向けて、メッセージをお願いします。

和仁:私は、起業するつもりなら早い方がいいと思います。
もし60歳まで働くとしたら、先送りしてしまうと現役期間が短くなります。やりたい気持ちを大事にして、やりたいことを文字にしましょう。

仮に起業して思った通りにいかなかった場合、再就職することもあるかもしれません。ですが、そういう経験をした人は経営者としての思考方法が培われているので、存在価値が高いです。

雇用する企業側から見ると、他の依存的な社員に比べて、社長の体験をしている方は、頼もしく感じます。
つまり、再就職したとしても、やってきたことはすべて資産となります。独立するなら早い方が良いですよ。

(取材協力:株式会社ワニマネジメントコンサルティング/和仁達也
(編集:創業手帳編集部)

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