あなたの営業には3つの「信用」がありますか?
営業活動の第一歩「3つの信用」が売上のバロメーター
営業における3つの「信用」
営業現場において何をおいても一番最初にやることは「信用」の獲得である。
どんなに素晴らしい商品・サービスでも、どんなに素晴らしい企画であっても、それを扱う人間が信用されていなければ、購入はおろか話すら聞いてもらえない。
特に、起業直後の創業期にあるスタートアップベンチャーの場合、一般的な大企業に比べても信用の獲得がより重要になってくる。
「信用の獲得は大事」なのはよく言われることで、誰しもが納得するところだろうと思う。ただ、営業において「信用」という言葉は、抽象的にひとくくりにしてよいものではなく、分けて考えなくてはならないと考えている。
営業における信用の種類を大きく分けると以下の3つがある。
- 営業における3つの信用
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- 個人としての信用
- 仕事スキルとしての信用
- 商品・サービスの信用
営業の各段階において、3つの信用のうち「どの信用を獲得できているか?」を確認しつつ、営業活動を進めると次のコミュニケーションをどう図るべきかがわかりやすい。
3つの信用が揃わないと受注は難しい
まず「個人としての信用」は、人間として営業担当者個人のパーソナリティが信用できるか、好きか嫌いかというレベルの信用である。
次に「仕事スキルとしての信用」は、提案力であったり、商品知識といった営業個人のビジネスの力に対する信用である。
最後に「商品・サービスの信用」は、いわゆる商品力であり、顧客が商品やサービス自体に価値を感じるかどうかという点である。
よほど商品力や仕事スキルが高く評価され、顧客側にニーズがある場合を除き、この3つが揃わないと受注することは難しい。
足りない「信用」を認識して営業方法を改善する
受注に至っていない段階やリピートオーダーを狙いに行く段階で、「どの信用を獲得できているか?」「どの信用は獲得できていないのか?」を常々チェックしておくと良い。
そして、足りない種類の「信用」があれば、営業方法を改善していく。
「個人としての信用」だけの営業
「個人としての信用」だけが獲得できている場合、顧客からプライベートな用事(ご飯やお茶、イベントなど)に誘われるが、仕事には全くつながらないということが起こる。この場合、どれだけこの誘いに乗ったところで仕事にはならないので注意が必要だ。
あなたの周りにも、何度も飲みに誘われたり、「相談がある!」と言われて呼び出される割に、結局は仕事にならないお客さんがたくさんいないだろうか?相談に乗り続けたり、「飲みにもっといけば仕事になるかな?」と考えて行ったとしても、こういったケースが仕事につながったことは結局数えるほどしかないはずだ。
単に相談に乗ったり、飲みに行ったりするより、むしろ仕事面での信用を獲得すべく、企画や商品の提案などに力を入れるべきだろう。
「仕事スキルとしての信用」だけの営業
仕事スキルだけが信用されている場合、色々とビジネスの相談はされるのだが、その場の雰囲気はあまり良くないというようなケースが多い。いわゆる「優秀だがいけ好かないやつだ」と思われているパターンである。
このケースでは、ほかの「個人としての信用」や「商品・サービスの信用」がなくとも受注に至っていることが有り得るが、他の手段が見つかった場合やニーズが弱くなった場合に、急に仕事にならなくなるリスクがある。
この場合、受注に至っていないのであれば、「個人としての信用」を獲得することが受注への近道である。
ニーズにだけ対応しているというのは真っ当に見えて、実はリスクの高い営業戦略だ。もし、「個人としての信用」を得ていれば、状況の変化は事前に教えてもらえることも多い。いわゆる「個人的なつきあい」が深いからだ。事前に状況の変化を知っていれば、いち早くリカバリーのアクションを取ることもできるだろう。
「商品・サービスの信用」だけの営業
最後に「商品・サービスの信用」であるが、これだけしかない場合でも受注に至っているケースがある。この場合のリスクは、取引先の担当変更である。
もちろん、サービスに対するニーズが下がれば商品の発注自体が止まるが、たとえニーズがあっても営業に対する「個人としての信用」「仕事スキルとしての信用」が無い場合は、より望ましい営業、もしくは類似商品に変えたいというニーズが顧客側で新たに発生する。
あなたが競合の少ない自社製品を扱っているのであれば「商品・サービスの信用」だけあれば十分であるが、そのようなケースは極めて稀であり、営業としての価値発揮もできていない状態であろう。
よって、取引先の担当が変更になったときこそ「個人としての信用」「仕事スキルとしての信用」を得るところに力点を置いて営業活動に努めるべきだろう。
信用は売上のバロメーター
信用は売上のバロメーターである。
しかし、抽象的・精神論的に「信用が売上につながるんだ!」と叫ぶだけではダメだ。
信用をここで述べたような3つの信用に分解し、「いずれの信用も獲得できているのか?」「どの信用が足りていないのか?」を常にチェックしよう。
営業の随所でこれらの確認・改善をしながら営業活動を進めることによって、効率的な営業活動を進めていけるだろう。
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(監修: 本気ファクトリー代表 畠山 和也)
(創業手帳編集部)
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