小さな会社こそ広報活動にこだわるべき!スタートアップを起業する際の広報とは

広報手帳

広報は経営戦略として取り組むべき重要事項!起業の際に広報活動を行うポイントも紹介します

スタートアップなど小規模な会社を起業する際、広報活動については経営戦略のひとつとして重要視する必要があります。たとえば、プレスリリースを送るだけでは、メディアからの働きかけをただ待つばかりになり、積極的な広報活動とはいえません。広報活動において積極的な戦略を考え、具体的な施策を打ち出すことが、事業の滑り出しを好調にするカギとなります。今回は、広報活動によって会社のファンを増やすべく、スタートアップやベンチャーが実践すべき広報活動の施策の立て方について考えます。

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スタートアップに広報活動が重要となるのはなぜか


スタートアップやベンチャーを起業する際は、会社のことは社会にはまだ知られておらず、業界内でのつながりも薄いことから、ほぼゼロからのスタートといえます。起業したての会社には、いくつかの広報活動の手を尽くしても注目される機会は少ないことは否めません。そのため、メディアへの情報発信は積極的な姿勢で行い、少しでも興味を向けてもらうことが大切です。PRしたいことに対して具体的な目的や目標を掲げ、どのような顧客に狙いを定めるかを決めれば、PRしたいメディアの種類や方法がおのずと見えてくるのではないでしょうか。

プレスリリースを送る際のポイント

広報活動といえば、まずプレスリリースを送ることを考える人も多いでしょう。しかし、プレスリリースの送付だけではうまく結果につながらないケースも多いです。

プレスリリースをただ送るだけでは不十分

プレスリリースは、もちろん広報活動の一環としてあるべきものですが、いったん各メディアに送った後は、先方の動きを待つか、もしくはメディア担当者につてがある場合にはそこに依存するしかなくなります。これでは、受動的な姿勢になってしまい、新しい会社への興味を引くことにつながりにくいです。そのため、相手の動き任せにするのではなく、より結果につながりやすい広報戦略を能動的な姿勢で立てなければなりません。

スタートアップ独自の特徴を打ち出す

スタートアップやベンチャーを起業する際、まずは自社の特徴や魅力や強み、どこを売りにするかを洗い出し、具現化するべきです。そして、その魅力や強みが市場においてニーズがあるものなのか、また他社が手をつけていないニッチな市場を狙えるものかを、マーケティングを通して精査します。市場において一定の価値が見込めるものであると分析できれば、次は自社の魅力や強みを強く打ち出し、顧客に周知させる方法を考えます。どこにもない特徴や強みは、しっかりとPRすることでメディアの興味を引くはずです。

ニュースとして取り上げてもらいたい内容に特化

プレスリリースを送る際に注意したいことは、その内容を会社から発信したいニュースに絞ることです。プレスリリースでは、メディアに取り上げられた際にどのように記事やニュースにしてもらえるかを考えます。メディアが集客を見込むPRをしてくれるか否かは、プレスリリースに示されている情報のどこにメディアが目をつけるかがものを言います。そのため、イベントの必要事項に加え、イベントの目的など具体的な内容を盛り込むニュース発信と考えるのが得策です。

明快かつ具体的な表現

プレスリリースは、自社の業界だけではなく幅広い情報発信を行うメディアに向けられたものです。そのため、文章の表現は明快かつ具体的なものでなくては、文章の真意が伝わりにくいでしょう。たとえば、会社や業界では普通に使用されている専門用語や横文字の羅列は、メディア側も要点がつかみにくく、取り上げる選択肢から外れてしまう可能性も高いです。さらに、商品やサービスの説明をする際、たとえば「おいしい」を表現するときには、どの部分に工夫を凝らしているのか、どのような風味や食感があるのかといった面を具体的に説明するのがいいでしょう。

メディアに取り上げてもらうためには


自社そのもの、また商品やサービスをメディアにアピールし、取り上げてもらうためには、以下のような方法が有効です。

発信するコンテンツを工夫する

メディアに自社や商品・サービスに注目してもらうためには、発信するコンテンツにいかに魅力を持たせるかも重要です。たとえば、WebコンテンツやSNSにおいて視点や見せ方を少し変えるだけでも、ずいぶん違ったイメージを与えられます。また、広報活動として情報発信するために、ネタとして精査することも有益です。PRしたいことの核を的確にブラッシュアップし、引っ掛かりの強いネタとして作り上げていきます。

イベントの開催

顧客にダイレクトに働きかけ、注目を浴びるためには、イベントを開催するのもいいでしょう。顧客と直接関わり、商品やサービスの説明をダイレクトに行うことで理解度を深めれば、結果的に会社と顧客との関係性を深めることにもつながります。また、顧客からの注目度が高まると、そこにメディアが目を付ける可能性も高くなるはずです。初めてイベントを開催するときは、既存のイベントの運営方法を調査したり、イベント開催のノウハウを持っている人に相談したり、周囲の助けを借りるのがおすすめです。

PRするメディアを絞って発信

自社の業界や商品・サービスの市場を定め、それに見合ったメディアに絞ってPRするのも、ひとつの方法です。ターゲット層に有効に情報発信ができるメディアに直接PRすることで、興味を持ってもらいやすくなります。PRすべきメディアを絞るためには、市場に対する知識が高い、競合他社が取り上げられている回数が多いといったメディアのリサーチを行います。そして、そのメディアに直接働きかける、また記事執筆者に連絡を取るなど、アクティブにアプローチしましょう。

創業者が積極的に顔出しする

小規模から始めるスタートアップやベンチャーにおいては、経営理念やコンセプト、提供したい商品やサービスのイメージをくみ取るために創業者にコンタクトするのが比較的早い方法であるといえます。そのため、メディアに創業者自ら顔出しをし、PRする方法も選択肢に入れて損はありません。創業者が文字通り会社の顔となって、事業への取組みやそこに至るまでのストーリーなどをPRするのです。すると、創業者自身のイメージが強く植え付けられ、会社や商品・サービスのイメージにつなげられます。創業者自らがブランドとなって、知名度を上げていく戦略です。

PR会社の利用

自社で広報活動まで手が回らない、どのような方法を採れば良いかわからないといったときは、第三者のPR会社を利用してみましょう。PR会社は、会社での広報活動が行き詰まっているときに、効率的な広報の方法をサポートするサービスを提供している会社です。そのため、PR会社を介して適切なメディアに働きかけ、有効な広報活動を行うことができます。

ちなみに、PR会社の形態については、以下のようなものがあります。

  • 広報戦略や計画の立案などのコンサルティングを行う
  • メディアとのつながりの促進、広報活動への積極的なアプローチをサポートする
  • 上記2つの工程をすべて請け負う

これらのさまざまなサービスを通して、自社の広報部門の成長も見込めるのではないでしょうか。どのPR会社を選ぶかは、自社が広報活動に注力できる割合やできることを精査し、どこまで任せるのかを考えることをおすすめします。

SNSの活用

SNSは、今や広報活動には欠かせないツールのひとつです。ユーザーとのつながりを利用し、コミュニケーションを積極的に取ってファンを増やしたり、アンケート機能によってユーザーが何を求めているのかを知ったりといった活用ができます。そして、SNS上で話題になれば、そこにメディアが目を付けるケースもよく見られます。メディアが情報発信を行ってくれれば、より周知が高まることはもちろん、メディア自体との関係性も生まれ、今後の広報活動に生かすこともできるわけです。

スタートアップにもできるCSR活動

会社の広報活動の一環として注目されているもののひとつが、CSR活動です。CSR活動は、社会貢献を行うことを前提とし、それを効果的にPRすることで会社への印象をアップすることにもつなげられます。こちらでは、スタートアップやベンチャーにも実行できるCSR活動について説明します。

CSR活動とは

CSRとは、corporate(組織) social(社会) responsibility(責任)の略であり、日本語では企業の社会的責任といった意味合いです。つまり、会社の事業や取組みなどによる社会への責任を指し、たとえば、事業での社会貢献や環境保全の取り組みがCSR活動です。会社の方針や事業分野によって、社会に与えられる影響や役割は違ってきます。そのため、会社はそれぞれの特徴を生かし、独自のCSR活動を打ち出しているわけです。

CSR活動と広報の関係性

CSR活動と広報活動については、会社が社会とどう向き合っているかをPRする関係性があります。会社が持つ社会活動への取組みや市場のニーズの満足、ひいては社会との関わり方を周知させるために、広報活動が一役買うわけです。CSR活動を積極的に行っていることを周知できれば、会社への信頼度もおのずと高まります。この信頼は、会社だけではなく商品やサービスにも寄せられ、結果的に会社の利益に貢献できるサイクルです。そして、CSR活動によって利益を得れば、その利益を質の高い商品やサービス提供のみならず、さらなるCSR活動の発展にも活用できます。

スタートアップにもできるCSR活動

しかし、スタートアップやベンチャーなど小規模な会社では、大々的なCSR活動は難しいでしょう。そこで、以下のような方法でCSR活動に参入するのがおすすめです。

NPO法人などへの寄付活動

CSR活動として比較的容易に行えるのが、環境保全や社会活動のサポートを行っているNPO法人などに寄付をすることです。直接寄付することも可能ですが、何らかの形で間接的に寄付を行えるサービスが提供されていることもあります。たとえば、二酸化炭素の排出量を抑えた分を林業へのサポートとする仕組みがあげられます。どのような法人に寄付を行うかは、会社としてその法人の活動の一助となることができるか、サービスを通して寄付を行う場合は寄付する先が信頼できるか否かが選ぶポイントとなります。

地域イベントへの参加

また、地域のイベントに積極的に参加するなど、住民とのコミュニケーションを持つことも有効です。まずは地域住民に会社のことを知ってもらい、親しみを持たれることで周知の一環となります。さらに、イベントに協力すれば会社のイメージアップにもつながるでしょう。こうして、会社をあげて楽しみながら貢献することで、地域から情報を発信して話題を広めることも期待できるわけです。

CSR報告書を作成し広報に役立てる

CSR報告書は、実際にどのような活動を行っているのかを書面で具体的に示すものです。このCSR報告書があれば、メディアへの広報活動に活用することもできますし、今後も活動を続けていくにあたっての指針にもなります。CSR報告書をきちんと作成している会社は、メディアから活動への質問があったときにも、具体的かつ簡潔に説明することが可能です。

SNSとはどう付き合うべきか


起業したばかりで、まだ知名度の低いスタートアップやベンチャーにとって、不特定多数のユーザーとつながることができるSNSは、ぜひ活用したい広報手段です。では、SNSはどのように活用していけばいいのでしょうか。

SNSを情報収集として利用する人が多い

あるデータでは、ユーザーがSNSを情報収集のツールとして捉えている人が多いとの結果が出ています。SNSが普及する前には検索エンジンが活躍していますが、SNSの利用が当たり前になった昨今では、検索エンジンを使う前にSNSの検索機能を使うとのことです。つまり、効率的に情報発信をするなら、SNSの活用が有効であるということです。

無料でPR戦略に利用する

SNSの優れた点は、無料で利用できることです。そして、広報活動にかかるコストを抑えられるだけではなく、ユーザーの持つ拡散力への期待や自由な発想での情報発信ができるのが大きな利点です。また、アカウントを育ててユーザーに認知され、アカウントの個性がブランディングにつながるといったように、広報活動ツールとして役立つ点が多くあります。そのため、SNSを活用することはPR戦略として外すことはできません。

ユーザーとの信頼関係の構築

SNSでは、一方的な発信ではなくユーザーの声を直接聞いたり、コミュニケーションを取ったりすることが可能です。この機能は、ユーザーのニーズを直接くみ取ることはもちろん、会社や商品・サービスに対する疑問への回答や、会社とつながっている意識による信頼の獲得にもつながるものといえます。

発信者の等身大の姿を見せる

SNSアカウントから情報を発信するときは、発信者がどのような人物なのか、等身大の姿をあえて見せることがコツです。このとき、ことさらに会社の雰囲気を伝えると大仰になってしまうため、あくまでアカウント運営者や会社のイメージとしてのキャラクターを作ります。会社での仕事の様子でもいいですし、ときには個人的な趣味を披露してもいいでしょう。このようにして、愛されるキャラクターを発信し、ユーザーにファンを増やす方法です。

ユーザーの本音を収集する

SNSでは、気軽にコミュニケーションを取れる特性から、ユーザーの本音を聞き出すことも可能です。特に、アカウントに親しみを持ってもらえれば、ユーザーも遠慮なく正直な声を聞かせてくれます。会社側はこのようなユーザーのリアルな本音を収集し、データとして分析したりマーケティングに活用したりすることも容易にできるわけです。さらに、通常のマーケティングよりも信頼できるデータが取れるため、かなり有益です。

社内広報への活用

広報活動の中で、会社のイメージや商品・サービスの情報を社内に発信することも重要な要素です。そこで、SNSを利用し、従業員がアカウントをフォローすることで、簡単に社内広報の役割も果たせます。従来であれば書類での通知が必要であった部分も、使い方次第でSNSで広く従業員に周知させることができるでしょう。

SNSは使い分けることが大切

SNSにも様々な特徴があり、それをしっかりつかんだうえでうまく使い分けることがおすすめです。

実名利用のSNSは信頼できる情報を

たとえば、実名利用を前提としたSNSは、アカウントへの信頼性が求められます。そのため、会社のニュースや新商品の情報を掲載すると、プレスリリースのような形で発信でき、確固たる広報活動として活用することも可能です。また、ブログと連携すると双方の情報共有ができ、さらに発展が見込めます。

拡散力の強いSNSは集客に利用

SNSの中でも利用者が多く、拡散力の強いものに関しては、情報を発信して拡散してもらい、集客につなげることを目指しましょう。アカウントにファンが増えれば、その分情報をシェアしてもらえる確率も高くなります。そして、投稿に商品ページや会社のホームページのURLを掲載しておけば、さらに詳細な情報を知ってもらうことにもつながるわけです。

写真投稿型では広告を打ち出す

主に写真投稿に特化したSNSでは、視覚効果に訴えかける広告を打ち出すのが良いです。この場合、デザインや色彩に凝った広告を作ることができれば、ユーザーの目にも留まりやすくなり、注目が集まるはずです。さらに、フォロワーの多いインフルエンサーとつながることができれば、話題性は爆発的に広がっていきます。

スタートアップが広報活動を広げるには

スタートアップやベンチャーでは、広報活動を専門的に行う人材の確保や育成が難しいといった面があるものです。こうした場合、どのような方法で広報活動を広げていくべきでしょうか。

スタートアップで広報担当を確保できない理由

スタートアップやベンチャーで、優秀な広報担当の人材を確保できないのは、広報担当として自らキャリアを積んできた人は、広報活動の環境が整った会社でさらにキャリアを重ねる道を選ぶことが多いためです。つまり、転職や引き抜きのような形でスタートアップに入社してもらうことは難しいといえます。広報担当者がそのキャリアを中断させて、広報体制の整っていない会社で1から始めるのは、リスクが大きいと考えられているようです。

広報活動を展開させる方法

スタートアップやベンチャーで広報活動を展開させるには、どのような方法があるのかを見ていきます。大事なのは、会社の理念や方針に共感し、一緒に歩んでくれる人材を採用することです。広報としての技術は徐々に身に着けられますが、会社に対する共感や愛着がなければ広報活動を行うことはできないためです。これを踏まえて、以下のような方法を採るといいでしょう。

未経験の人材をコーチングする

広報未経験の人材を採用したら、PR活動をサポートしている個人事業主や会社に介入してもらい、ノウハウをコーチングしてもらうのも良い方法です。広報のノウハウを身に着けることができれば、おのずと次にやるべきことが見えてくるのではないでしょうか。

会社の成長とともに人材を育てる

スタートアップやベンチャーを起業したばかりのときは、会社の成長を第一に考えるものです。そこで、広報担当の人材も、会社の成長とともに広報担当者として育て上げることを選ぶ方が無難です。もちろん、PR会社でコンサルティングを受けるのも悪くはありません。ただし、長期的な目で見たときには、会社のことを第一に考えてくれる広報担当者の育成と、会社の成長が同時に進むことで、社内の風通しもよくなり事業がスムーズに進む可能性が見いだせます。

まとめ

小規模なスタートアップやベンチャーでは、起業当初は広報活動にまで手が回らないこともあります。しかし、起業した段階で広報活動に力を入れることは重要です。近年では、Webコンテンツの発信はもちろんのこと、SNSの有効活用でより効率的な広報活動を行えるため、スタートアップやベンチャーとしてはぜひ利用したいところです。しかし、どうしても広報担当者が獲得できない、コア業務との兼任が難しいといった場合は、PR会社やフリーランスのコンサルタントに広報活動を依頼するのもひとつの方法です。

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(編集:創業手帳編集部)

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