起業に失敗する人の6つの共通点と3つの失敗談
起業で失敗しない為に起業前に気をつけることは?
起業を心差す方は、「独立して自分の店を持ちたい」「会社の方針に合わないのでドロップアウトしたい」という方が多かったのですが、最近は、インターネット・ビジネスの発展で、主婦層などが、気楽に起業できる時代となりました。しかし、起業が出来ても継続が出来なければ成功とは呼べません。今回は「起業で失敗する理由」と「失敗の典型例」をご紹介します。転ばぬ先の杖にしてください。
この記事の目次
起業で失敗する人の共通点6つ
起業に失敗する人には共通点があります。自分の胸に手を当てて、当てはまる項目がないか確認してみてください。
(1)起業の目的が明確でない
起業することが目的になっていませんか?「簡単に儲かる」などの甘い言葉につられてフランチャイズなどで起業していませんか?
(2)商品ニーズの把握が出来ていない
その商品、本当にニーズがありますか?
起業の失敗で最も多い失敗のひとつがこれ。自分で提供する商品・サービスに惚れ込み、世間のニーズとマッチしていないことに気付かず起業してします。
(3)宣伝・広告の不足
商品やサービスを作っただけで満足していませんか?
幾ら商品・サービスが良くても世間に知って貰わないと売れません。商品・サービスが良ければ自然に売れると思い、PRをしないのは機会損失です。
(4)社会の変化に対応出来ない
起業時のビジネスモデルに固執していませんか?
起業の時作成した事業計画も、社会の変化とともに柔軟に変える必要があります。最初に決めた方向性を変えないで、頑固に突き進むタイプは失敗します。
(5)人間関係が悪くなる
共同創業者との仲は、良好ですか?
複数人で共同で起業した場合に起こりがち。事業の方向性や利益分配などで、意見の衝突や不満が溜まり、仲間割れしてしまいます。
(6)売上に占める経費が掛かり過ぎる。
経費管理、できていますか?
店舗や工場など、固定資産・設備を持って起業する場合に多いパターン。
売上の見込みを多くし過ぎて、過剰な固定資産・設備を抱えてしまいます。
起業で失敗した具体的な3つの事例
どんなパターンで起業が失敗するか、把握できたでしょうか。続いて、実際の失敗例を具体的に数例挙げてみます。
(1)夜間保育園を開業したが、1年で閉鎖して負債を抱えてしまった例
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起業家養成塾で事業計画の作り方、先輩の体験談、起業時の注意点等を学び準備期間も取り、自信満々で夜間保育園を開業しました。開業したら想定の事だらけで、僅か1年で事業を辞めてしまいました。
さて、この場合どんなことが原因となったでしょうか。予想外だった現状は以
下です。
現状①:夜間保育の利用者が水商売の方が多く、子供を引き取りになかなか来ないし、料金も滞納者が多かった。
現状②:1人でも子どもが居れば、保育士も居ないといけないし、電気・空調等の経費が掛かるが、一人分の保育費しか貰えないので、効率が悪かった。
現状③:保育士の確保が難しく、1人に負担が掛かり過ぎて、退職者が出て、残った人に負担が掛かるという悪循環にいたった。
失敗を分析すると、
- 夜間保育が不足していて、困っていると聞いた
- 夜間保育園を作ればニーズがあるので、成功すると思った
以上のことを鵜呑みにして、現状を調査せずに起業したのが失敗の原因です
ニーズが有っても、採算が合わなければ事業の継続は出来ません、事業を取り巻く環境も良く調査しないと行けません。
(2)地域コミニュティバスを開業したが、売り上げが伸びずに破綻した例
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- 有名観光名所の近くに住んでいます。そこからは鉄道の方が近いですが、点在する周辺観光地への交通手段が車しかなく、観光客のニーズと地域住民のニーズがあると思い、コミニュティバス会社を始めました。
しかし、国の認可のハードルが高く、時間も掛かり、資本が目減りしていきました。思った程に乗客がなく、修繕費・人件費・燃料費等の経費が委託料を上回り、1年数ヶ月で経営破綻してしまいました。
さて、この場合どんなことが原因となったでしょうか。予想外だった現状は以下です。
現状①:起業家が開業した所は、車が定着していて、バスが必要な人が少数だった。
現状②:許認可に時間と手間がかかった。
現状③:車両の修理・修繕費用の試算が上手くいかなかった。
失敗を分析すると、
- バスが必要な人の割合や、認可の必要の有無やかかる時間など、業界知識と事前調査が不足していた
以上のように、業界の専門家に話を聞いたり、事前の実地調査を怠り起業した
のが原因です。
(3)IT関連の事業を2人で始めて仲間割れ。
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- 学生の時に思いついたアイデアで卒業後直ぐに起業しました。技術担当・営業担当に分かれて事業順調に拡大。営業担当が社長だったので、若手のベンチャー社長として持てはやされ、マスコミにも出るようになりました。
いつからか本業がおろそかになり、2人の意見がぶつかるように。結局仲間割れして技術担当が会社を辞めてしまい廃業を余儀なくされました。
さて、この場合どんなことが失敗の要因となったでしょうか。
- 社長がマスコミにもてはやされ、調子に乗ってしまった
- 共同創業者の技術担当者は、社長と年齢も経験も同じだったので、自分の待遇に我慢ができなかった。
「事業は人」といいます。今回のケースは、目立った人(=社長)が、目立たない人(=共同創業者)への配慮が足りず、本業も疎かにしてしまったのが原因でしょう。
事業を拡大するには裏方の存在(経理・人事など)も重要なパートとなってきます。そういう縁の下の力持ちをおざなりにすると、どこかで必ずそのツケが回ってきます。
起業で失敗しない為に起業前に気をつけることは?
前に書いた例で判るように、まずは、事業のニーズを十分に把握すること、そして、
想定の事が起きた時に、柔軟な対応が出来るようにしておくことが大切です。そうい
った心がけの他に、実践できる3つのポイントを挙げておきます。
(1)相談相手やメンターを作る
1つ目は、相談相手やメンターを作っておくこと。先輩の経営者と知り合い、アドバイスを貰える関係を築いたり、相談機関(商工会議所等)を上手に使うことが大切。
(2)経営の勉強を欠かさない
2つ目は、経営の勉強を欠かさないこと。先人の知識や失敗談を吸収すると言う意味で、経営本を読んだり、専門知識や人脈を得るためにセミナーや講演等に通ったりすると良いでしょう。ネットも活用して、情報を取る手段の確保と分析力を磨くことです。
(3)ビジネスモデルをしっかりと固める
3つ目は、ビジネスモデルをしっかりと確定して置くことが大切です。いざという時の経営判断を間違い、軸を振らすことにならないようにしましょう。
最後にまとめ!
「失敗は成功のもと」と言います、成功例を学ぶのも良いですが、成功の裏には失敗がつきものです、成功者の方も表にしないだけで、大小の違いはあれ、失敗経験を持っている方が殆どです。
この記事の失敗例を半面教師として、夢に向かって頑張ってください。
(監修:株式会社スコーレメディア代表取締役 善木 誠 (ぜんき まこと))
(編集:創業手帳編集部)
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