開業資金調達に!融資審査の通る確率が格段に上がる4つの対策

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創業融資のポイントと、開業前にしておくべき融資対策

(2017/07/12更新)

多くの起業家が悩む開業資金の調達。創業期に借りやすく、メリットの多い「公的融資」は起業家にとって非常に重要な資金調達方法のひとつです。ここでは、融資を検討している起業家へ、審査の通る確率が格段に上がる、4つの融資審査の対策と心構えをご紹介します。

公的融資を受けるために押さえておきたい3つのポイント

数ある資金調達方法の中で、創業期に人気のある資金調達方法は以下の2つです。

  • 日本政策金融公庫の創業融資制度

  • 信用保証付きの融資制度

  • (都内であれば女性・若者・シニアサポート事業という制度も使えます。)

このような公的融資は、書類と面談を通して融資審査を受けなければなりません。そして、この融資審査において、創業期の会社が見られるポイントは、

  • 自己資金
  • 開業業種の経験
  • 事業計画書の内容

の3つです。
それでは、順に見ていきましょう。

1. 自己資金

1つ目のポイントは「自己資金」です。
基本的に個人の通帳を面談で見せますが、その際にチェックされる点が主に4つあります。

金額

まず融資希望額に対して自己資金額は適正か?が判断されます。

自己資金の蓄積過程

毎月の給料から貯めたものか?自己資金額と給料の整合性あるか?
消費者金融などから借入は?親族、知人の支援があるときは振り込まれているか?などをチェックされます。

公共料金など毎月の支払

電気代、家賃、電話代など毎月支払うものを2,3種類確認します。
期日通りしっかり払っている人=貸しても返してくれる、というように判断されます。

不審な入金、出金

一度に多額の入金や出金がある場合、その理由をちゃんと説明できるかどうかが重要です。

2. 開業業種の経験がある人が良い

2つ目は「開業経験がある人が良い」という考え方があることです。
開業経験がある人が事業も続くだろう、と考えるのはある意味当たり前かもしれませんが、「開業経験がないから絶対無理」ということではありません。

大切なのは経験年数ではなく、今まで働いてきた職場で何をして何を得たのか?その経験は開業後に役に立つのか?です。これについては自分から積極的にアピールをしないとわからないので、事業計画書で担当者に教えてあげましょう!

3. 事業計画書の内容

3つ目のポイントは「事業計画書の内容」です。
事業計画書は決まったフォーマットの通りに書かなければいけないものではありません。自由に思いの丈を書いていきましょう。
また、多ければいいというものでもないので、50ページとか100ページの事業計画書は必要ありません。(公庫の担当者曰く「そもそも読み切れない」そうです。)
重要なのは、要点を押さえた事業計画書を提出することです。

以下のように、様々な角度から事業計画を立て、それぞれしっかりとまとめて作成すれば、確実に審査を有利に進めていくことができるでしょう。

創業計画書

金融機関指定のものと自分で作成したものの2種類を提出しています。
創業動機、自身の経験、セールスポイント、販促方法などを詳しく記載します。

売り上げ計画書(3年分)

販促方法や自身の経験、フランチャイズに加盟するのであれば他店舗のデータなどをもとに計算します。
1年ごとではなく、1か月単位で計算していくと説得力があります。

作成のコツは「過大な計画ではなく、必ず厳しめに計画を立てる」ことです。
例えば、サービス業などで成約率が8割あった人は、6割~7割で成約する、といった具合です。

損益計画書(3年分)

開業後何にいくらかかるのかを書き出して、1か月単位で計算します。
原価など売り上げに応じて変化する変動費は特に注意して計算しましょう。
人件費や光熱費、家賃などの固定費は毎月同じでも大丈夫です。

資金繰り表【※重要】

実際の現金の出入りを表すもので、これも1か月単位で計算します。
例えば、借入金の返済は費用ではないので損益計画書で計算されませんが、資金繰り表では計算されます。

資金繰り表は私の経験上、必ずと言っていいほど提出を求めてくる資料です。
4つの資料のなかでも最重要といえます。

え?こんなことでも?融資が通りづらくなってしまう落とし穴に注意

しかし、資料の準備ができていても、「え?こんなところで?」という落とし穴があるかもしれません。ここでは、自分の気づかないところで、融資の難易度が上がってしまうケースをご紹介します。

個人信用情報に難がある

いわゆる「ブラック」という状態です。
自分だけでなく、株主、役員、両親に対しても注意が必要です。

副業で融資を希望する

金融機関にもよりますが、基本的に副業には融資されません。

自己資金が極端に少ない

自己資金が極端に少ないと、そもそもの準備を怠っている印象を受けます。

通帳の記載が極端に少ない

前述した通り面談の際に預金通帳を見せます。タンス預金のように銀行に預けないで貯めていると、そのお金を一気に振り込んだ際に、通帳に不自然な入金があったとみられることがあります。
そのため、自己資金の証明ができない可能性があるので注意しましょう。

開業業種の経験が無い

開業したい業種の経験がないと、大きな金額の融資は難しい傾向にあります。

審査を有利に進めるため、開業前にするべき融資対策4つ

では、必要なポイントを押さえたところで、起業する前に行っておきたい4つの融資対策をご紹介します。
しっかりと準備していきましょう。

1. 自己資金、通帳の管理

毎月の給料は、口座で貯めていくようにしましょう。

  • 自己資金の証明ができない可能性があるタンス預金は絶対にしない
  • 公共料金は引き落としにする
  • 消費者金融などから借りない

といった点を意識しておきましょう。

2. 顧客となりそうな人の確保

金融機関は商品、サービスの内容よりも「どれだけ売れるのか」に関心があります。
顧客・顧客候補のリストがあれば、事業計画書の添付資料として提出しましょう。

3. 販促方法を考える

起業家の融資面談に同席すると「どうやって集客しますか?」と聞かれることがあります。
やっぱり関心があるようですし、当然ですが開業後事業を続けていくためにも重要ですね。

4. ポジティブシンキングを身につける

創業融資は「人に貸す融資」と言われ、その人の性格、人柄が融資の結果に影響することがあります。
ベテランの職員になると、第六感のようなものが働くそうで「この人は大丈夫だろうか?」と思った人に融資をしたらやっぱりだめだったということが多い、と話していました。

面談の時は、「自分は絶対にできるんだ!」と思えるようにしましょう。
弱気になりそうな心をグッとこらえて、自信を持った態度で臨みましょう。

融資の面談が不安な方へ

融資の面談は誰でも不安です。「あれ聞かれるかも、これも聞かれるかも、ダメだったらどうしよう」
審査する人は敵みたいな感じに見えてしまうかもしれません。

しかし実は、審査する人は、あなたに融資をしたいという思いで質問している、と考えるとどうでしょうか。

そもそも金融機関は融資をして利息を得ることで運営しています。
事業も好調で、きちんと返済してくれる会社は、金融機関からすると超優良顧客となるわけです。そういう会社にはこちらが何もしなくても、金融機関から「借りませんか?」と言ってきます。

「目の前にいる担当者は私の事業に融資をするために質問しているんだ。」と考えてみると、担当者の方が創業を支援してくれる仲間に思えてくるかもしれませんね。

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【体験レポート】「中小企業経営力強化資金」で融資を申し込んでみた

(監修:かきざき行政書士事務所 柿崎 満佳(かきざき みつよし)
(執筆:創業手帳編集部)

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