seamint. 朝比奈ひかり|Z世代に刺さるSNSマーケティングとは

創業手帳woman
※このインタビュー内容は2023年06月に行われた取材時点のものです。

”ありのまま”が強み。若年層を知り尽くしたマーケティング力


「今どきの若者は。」と5000年前の古代エジプトの遺跡に書かれていたそうですが、昔から若者の行動は上の世代から理解されにくいもの。

そんなZ世代を代表するインフルエンサーで、マーケティング支援や教育活動をしているのが株式会社seamint.代表の朝比奈ひかりさんです。

SNSは世代を問わず起業家の武器ですが、SNSに合ったフォーマットと相手に合ったやり方で発信しないと成果は出ません。朝比奈ひかりさんに今の若者の起業の体験と、すぐ使えるZ世代にも刺さるSNSマーケティングのコツについて教えて頂きました。

朝比奈ひかり(あさひなひかり)
株式会社seamint. CEO
1998年7月24日生まれ。24歳。
Z世代を中心とした企画・マーケティングに特化した株式会社seamint.の代表取締役。
19歳の時に女子向けイベントを開催したところ2500万円売り上げ、その成功体験をもとに#10代マーケターとして活動開始。個人事業主として30社働いたのちに、現在の株式会社seamint.の前身となる株式会社ネオレアを2019年に創業。現在は会社4期目の経営と、慶應義塾大学 大学院に通い「Z世代」についての研究もしている。

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計250万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

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個人事業主を経て起業!「営業をしない営業」が話題に

大久保:起業までの経緯について教えてください。

朝比奈:「いつか起業するぞ!」という気持ちはなく、気づいたら起業をしていました。

というのも、高校生時代からフリーランスとして活動をしていたんです。
最初は個人事業主で、そこから仕事の案件も増えてチームを作り、売上も好調だったので法人化しました。

まさか私が経営者になるとは…という感じではありましたね。
でも、0→1はずっと好きだったので、起業家精神は登記する前からずっとあったのかもしれないです。

大久保:起業で大変だったことはありますか?

朝比奈:やはり…組織作りですね。今も大変だな〜!と思っていますが、創業当時は一番の悩みでした。

当時、私も含めて全員女子大生のチームだったので「嫌われたくない」という思いが強くて。

注意をしたり、自分の気持ちを素直に伝えるのをなかなかできませんでした。「伝える怖さ」というんですかね。

それはもう4期目なのでクリアしていますが、今は「どういう組織にしていきたいか」「行動指針をどう浸透させていくか」について悩んでいます。

私にとって起業で大変なのは組織作りかな、と思っています。

大久保:起業で成功したポイントや、やってよかった事があれば教えてください。

朝比奈:これは「営業をしない営業」だと思います!

「営業をしない営業」とは、弊社からテレアポやメールなどのいわゆる一般的な営業は一切せず、SNSやプレスリリースをハックして、クライアント様を獲得していました。

そこから口コミで広がり、色んな大手企業様とご一緒にお仕事ができています。

SNS運用で大切な「ターゲット分析」と「等身大の目線」


大久保:SNSはどのプラットフォームが良いですか?また、どういう組み合わせが良いのでしょうか?

朝比奈:極端な話、全部やる余裕があれば全部する!に越したことはないのかなとも思ったり。
というのも、どのSNSにも特徴や良さがあると思っています。

若い子に向けてはTikTok!大人向けならTwitter!と安易なものでもなくて、きちんとSNSを行うことでどうユーザーに刺していきたいかを考えてじっくり決めるべきだと思います。

大久保:SNSで最初に取り組むことは何ですか?

朝比奈:私は、キャラクター作りです!アカウントにどんなキャラクターを持たせるか!
企業の公式アカウントでもです。

アカウントを運用するってことは、何かしら得たいことがあるはず。
それを得るためにはどう運用すべきか?をじっくり考えます。

その上で大事なのは、やっぱりSNSにいて刺したい層に刺せるようなキャラクター作りなのかなと思っています。

大久保:SNSで「こういう運用をすると成功する」といった秘訣はありますか?

朝比奈:一概には言えないですが、「等身大の目線」はとても大事だと思います。

やっぱり、若者のフォロワーを伸ばしたいのにおじさんが運用していても伸びないんですよ…!

だからこそ、若者向けやZ世代向けのSNSの運用は、たくさん弊社でお手伝いをしています。

「等身大の目線」があることで、今SNSで何がバズっているか、世の中では何がトレンドなのかを自然に知ることができる。

この力ってとても大きいんじゃないかなと思っています。

無限の可能性を秘めるSNS。今後はAIインフルエンサーの活躍も?

大久保:SNSの可能性や素晴らしさについて教えてください。

朝比奈:個人のSNSに観点をおいて、私が素晴らしい!と思っていることは2つあります。

1つ目は、自分の世界観をSNSを通して表現ができること。

2つ目は、リアルじゃ繋がれない人を見つけたり、繋がれたりすること。

誰でも表現をできる時代になったし、それにイイネをすることができる。
SNSから沢山のスターが生まれているのが、その証拠だと思います。

この先も色んなSNSで、色んなスターが排出されるのがとても楽しみです!

大久保:最近の生成系AIについて意見を聞かせてください。活用はできると思いますか?

朝比奈:あれ本当にすごいですよね…。
これから色んなSNSに、AIインフルエンサーが輩出されるんだろうなあと思っています。

「人間らしい」共感や感情をいかにキャラクターとして設計し、ブランディングだけではなく、ユーザーに飽きられないように運用していくかがコツだと思います。

トレンドにはなると思いますが、どう定着していくかが楽しみです。
AIインフルエンサーにPR案件を投稿してもらう事象も起きていくと思います!

世代間の違いを熟知し、教育現場でも手腕を振るう


大久保:Z世代と上の世代で行動の特徴があれば教えてください。

朝比奈:私が、これは他の世代と比べてZ世代の行動の特徴だな、と思うのは「well-being」を軸に生きている人が多いことですかね。

私自身も起業家ですが、先輩起業家は「上場」や「M&A」を明確に目指している人が多いなと思っていて。

最近の周りのZ世代起業家は、大きなゴールを目指しているより、いかにwell-beingに働きながら事業をできるか。

自分も従業員も楽しく満足しながら働けているかも重要視しているなと思います。

かつ、SDGsやサステナブルも授業で学んできた世代なので、社会起業家も増えていますね。

大久保:教育活動もしているとお聞きしました。どんなことをされていますか?

朝比奈:教育活動については、2つしています。
1つ目が、渋谷女子インターナショナルスクールという2023年春に開校された学校のビジネスコースの先生をしています。

高校1年生に向けて、ビジネスをテーマに起業家の生き方やマーケティングなど、幅広くビジネスについてお伝えをしています。

2つ目は、出張講師です。
中学や高校、大学に行ってアントレプレナーシップについての講演をしています。

中高時代の母校や大学の母校、その他は「MAKERS高校出張授業」のプロジェクトで全国の学校に出張授業を行っています。

「等身大の自分」で向き合う仕事だから、得られる感動がある

大久保:他に起業家に伝えたいメッセージがあれば宜しくお願いいたします。

朝比奈:難しいですね…。起業家って、孤独を感じる場面が他の職業より多いんじゃないかな?と思っています。

私自身もそう感じる場面って結構あって。
上司はいない、同期もいない、という環境の人が多いと思うので。

だけれど、起業家にしか感じられない感動や、かけがえのない大切な瞬間がその分沢山あると思います!

しんどい時もありますが、起業家として輝くために、みなさんで一緒に頑張っていければと思います!

大久保:今後の夢や展望を教えてください。

朝比奈:私の夢は「常に等身大の女性に向けた仕事をすること」です。

私は、女子高生の時は女子高生向けの仕事、女子大生の時は女子大生向けの仕事をしてきました。

その時に、「自分と同じ、等身大の女性に向けたお仕事をすること」の楽しさを実感しました。

この先も、等身大の女性に向けた仕事をできるように、しっかり私の等身大の「Z世代」のリアルなインサイトを掴みながら、企画やマーケティングを通して色んなお仕事をしていきたいと思っています!

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(取材協力: 株式会社seamint. CEO 朝比奈ひかり
(編集: 創業手帳編集部)



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