飛び込み営業担当者必見!忙しいと断られたときのケース別対処法
顧客からいつも「忙しい」を理由にお断りされる飛び込み営業マンに贈る処方箋
飛び込み営業やテレアポなどをしていると、顧客の「断りの理由」や「すぐにできない理由」として、「今、忙しいから・・・」と言われたことはないだろうか?
通常であれば「じゃぁ、忙しくないときにあらためて」と思ってしまう。
だが少し考えてみて欲しい。あなたや周りの人が「忙しくない時」などあるだろうか? おそらく、忙しくない時などほとんどない人が大半だろう。
今回は、いつも「忙しい」を理由に、顧客から商談をお断りされてしまう営業担当者のための処方箋を考えていこう。
この記事の目次
顧客が「忙しい」と営業を断わる理由
顧客に「忙しい」と言われて断られるときもあれば、他の理由で断られるときもある。また、そういうことは言われずにすんなり商談ができる場合もある。
これらの違いはなんだろうか?
顧客が、あなたの商品やサービスに対して、全く興味がない、聞く必要性がないと判断している場合であれば、「忙しい」ではなく「要らない」「興味ない」といった断り方になるだろう。「忙しい」ということは、「興味はある」かもしれないし「要る」かもしれないと思っているはずである。
当然、「忙しい」の基準は人の感覚によって異なるので、毎日残業なしで帰っている人が「忙しい」と感じることもあるだろうし、23時まで毎日働いても「忙しい」と感じない人もいるだろう。しかし、感覚より影響が大きいのは、人の置かれている環境によるものである。
顧客に「忙しい」と営業をお断りされるかどうかは、顧客の置かれている環境「営業のもってくる話の優先順位の違い」によって生じてくるものだ。どれだけ他の業務が忙しかろうと「あなたのもってくる話を検討しないと明日会社が倒産する」という内容の話であればどれだけ他の業務が詰まっていようと全てを後回しにしてあなたの話を検討するのである。
「忙しい」と断られたら営業担当者がすべきアクション
「必要性が0ではないが、他のことの優先順位が高い」場合には、「忙しい」と営業を断られることになると述べてきた。これを営業担当者の目線から言うと「自分の提案の重要性をお客様に感じさせることができていない」ということなのである。
よって、「忙しい」と断られた際にすべきアクションは「忙しくない時にまた来よう」ではなく、下記2つである。
2.その業務より自分の営業提案を優先すべき理由を伝える
上記2つの作業によって担当者の優先順位を変えることができれば、すぐに商談することができる。
行うべきは「忙しくない時間を見計らう」ではなく、「自分の提案をより価値が高いものにする」ことなのである。
当然、自分の提案より担当者の現状の業務の方が優先されてしまうこともあるだろうが、それは現状の全ての業務が自分の提案より優先されるほど担当者にとって自分の提案の価値が低いことを意味する。
ソフトウェア導入の営業で「忙しい」とお断りされたケース
顧客担当者が営業部長に、ソフトウェア導入の提案をしたところ、「大きなプレゼン案件があるから、その企画を練らなければいけないので足下は忙しい」と直近の提案を断られそうになった。
そこで、プレゼン案件の中身を聞いてみたところ、提案しているソフトウェアの導入を活用すれば、より良いプレゼン企画をつくることができると分かった。そこで、「一緒に企画を考えましょう」と営業部長に提案した。
打ち合わせの時間をとってもらい、企画を考えると同時にソフトウェアの導入を提案するとともに、企画立案のアドバイスを行った。
その結果、残念ながらプレゼンは通らなかったが、ソフトウェアは導入される運びとなった。
1.顧客の担当者が優先している業務は何か調べる
→ 大きなプレゼン案件の企画
2.その業務より自分の営業提案を優先すべき理由を伝える
→ ソフトウェアの活用で企画がよりスムーズになる
人材採用広告の営業で「忙しい」とお断りされたケース
人材採用広告を提案したところ、「顧客担当者(社長)が忙しすぎて人材採用どころではない」と断られそうになった。
そこで、「社長が日常業務に追われていたら会社は伸びない。社長は社長の仕事、すなわち経営に専念すべきです。足下は大変でも採用に時間を使い、社長の仕事を肩代わりする人を採用しましょう。」と提案した。
その結果、社長に代わって業務を行う担当者を募集するために、人材採用広告を検討することになり、商談を進めることとなった。
1.顧客の担当者が優先している業務は何か調べる
→ 担当者が社長で、日常業務に追われている
2.その業務より自分の営業提案を優先すべき理由を伝える
→ 社長が経営に専念できるように、採用を優先すべき
まとめ
事例も含めて紹介してきたように、営業担当者の提案が、顧客が優先している物事よりも価値が高いものになれば、「忙しい」を理由に商談をお断りされる機会も減るはずだ。
提案の価値を高くするには、必ずしも商品や企画を変えることはない。商品の使い方や提案の仕方によっても、顧客にとっての価値は大きく変わるからだ。その変化はあなたのたった一言から生まれる「気付き」によって起こるかもしれない。そのちょっとした変化を起こせるかどうかが営業の実績を左右する。
顧客担当者の「忙しいから」を鵜呑みにせず、工夫して営業の機会を上手くつくっていこう。
(監修: 本気ファクトリー代表 畠山和也)
(編集:創業手帳編集部)