人事評価制度に基づく客観的評価ーきちんと活用できていますか?

会社を持続的に成長させていくための人事評価制度をうまく活用する方法を解説

(2020/06/11更新)

会社を効率的に運営し継続させていくためには、社員の成長と適正な配置が大切です。そのためには、社員や部署の成果に対して、客観的に評価することが求められます。
客観的評価を明確にするために活用されている人事評価制度ですが、目的によってその活用法は様々です。人事評価制度を上手に活用して持続的に会社を成長させていけるよう、目的に合わせた活用法などを具体的に解説していきます。

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上司が部下を評価する人事評価制度の活用法

感情移入することなく、できるだけ客観的に評価する必要がある人事評価。一言に評価といっても様々な側面があり、業界や職種によって比重の置き方は変わってきます。
ここでは、社員個人に重点を置く場合と、個人ではなく部署に重点を置く場合の活用法について詳しく見ていきます。

社員個人の成長に重点を置いた活用法

会社の成長には個人と部署の成長がかみ合うことが大切です。資格取得や語学習得など社員個人のスキルが成長しても、それが部署の業績向上に繋がらなければ会社の成長には結びつきません。そこで、社員個人の成長を部署の業績向上に結び付けるために、目標管理シートを工夫して活用します。

目標設定の方法

まず、会社の経営方針をもとに部署ごとの目標を複数設定します。次にこの部署目標を基に社員個人の目標を設定します。この時、初めに部署目標の中からどの部署目標に対して個人として貢献するか選択します。そして、そのためにどの様に取り組んでいくのかを個人の目標として設定します。この際、具体的な数字など定量的な目標を設定します。ただし、総務部や経理部などのように作業の質を評価すべきものは定性的な目標を立てます。

目標設定の際は、現在の実力で目標達成可能なもの、今よりより努力をすれば達成可能なものの2種類を設定するといいでしょう。複数設けることで、どれかは達成することができ、より難しい目標が達成できなかった場合でもよい評価をすることができます。
また、目先の評価だけではなく、5年後、10年後に会社の中でどの様な貢献をしていきたいか、社会人としてどの様なキャリアプランを描いていきたいかなどを大まかに設定することで、社員のキャリアプランと会社の経営方針をすり合わせることができます。

社員個人で目標が設定できたら上司と面談し、設定した目標が部署目標とリンクしているか、達成可能か、具体的な達成方法などを確認します。この時、長期的なキャリアプランも確認しておくことで、配置転換の必要性などを予想することができ、キャリアプランと現職のミスマッチによる退職などを防ぐことができます。

評価方法

評価は社員個人の自己評価、直属の上司、部長、担当役員という順番で行います。なお、管理職の場合はより上位の役職者が評価します。
まず、自己評価では、目標設定時に選択した部署目標と設定した個人目標とのそれぞれについてどのくらい達成できたか、あるいはできなかったかを自己評価します。大体5から6段階評価にて行うことが一般的です(※)。あまり多すぎると評価が細かくなりすぎ、むしろわかりにくくなることもあります。
達成できた場合はどのくらい目標を達成できたか、又はどのくらい達成できなかったかを、評価段階の中間を基準として決定します。この後、一次評価者と面談をし、なぜこのような自己評価に至ったかを説明します。
この自己評価をもとに上位の評価者が評価していきます。ここではほかの社員の目標達成度と比較して評価をしていきます。その後、その結果をもとに来期の昇格昇給や賞与額、場合によっては配置転換を決定します。
(※)よくできた順に1から5の5段階、S、AからEなどの6段階など。3やCを基準とします。

評価のフィードバック

評価が決定したら社員本人へ評価者から結果をフィードバックします。ここでは社員個人の評価だけではなく、会社内での部署の評価も伝えます。この際、なぜこの結果に至ったのか、来期はどの様な取り組みをするとよいかなどを話し合います。結果に不満のある社員の場合は一方的に評価を伝えるだけではなく、どこに不満があるのかをヒアリングすることも大切です。理由によっては再評価することも検討します。

部署の成長に重点を置いた活用法

個人の業績よりも、部署への貢献度に注視した活用法もあります。コンピテンシー評価を用いる方法です。コンピテンシー評価とは、部署への貢献度の高い社員の行動を基に評価項目を定める方法のため、個人の目標をより部署の貢献に結び付けることができます。

目標設定の方法

この評価方法では、初めにコンピテンシー評価のための評価項目の基準となる社員を選定します。そして、業績向上へ繋がっているコミュニケーションの取り方や自己研鑽の方法などを分析し、評価項目とします。
例えば、一般社員のコミュニケーションの項目であれば仕事の進め方などを周囲へわかりやすく説明しているか、マネジメント層の戦略的思考であれば、数年後数十年後を見据えた戦略が立てられているかというようなことです。
このように具体的な行動を示すことで、社員個人の目標を設定する際に部署への貢献を具体的にイメージしやすくなります。
個人目標はこれらの評価項目をより自身の日頃の業務に落とし込む形で設定します。

評価方法

評価方法はあらかじめ決められた例に沿ってどのくらい行動できたかという基準で行います。評価は行動レベルに応じて5、6段階ほど定めておくと評価しやすいでしょう。その他、評価する順番などは先に説明した社員個人の成長に重点を置いた活用法と同じです。

評価結果のフィードバック

評価が決定したら社員へフィードバックします。この結果を待遇決定などの参考にすることや、面談時に注意すべきことは先に説明した社員個人の成長に重点を置いた活用法と同じです。
しかし、コンピテンシー評価特有の注意点として、評価基準となる社員の選定が難しいこと、評価項目設定時に評価者の視点や主観が影響するということがあります。そのため、フィードバック時に基準とした行動が正しかったかを検証し、来期以降の評価基準設定時に修正します。

様々な視点から評価する活用法

これまでの2つの評価方法はいずれも上司が部下を評価するものでした。この方法とは違い様々な視点から評価をする方法もあります。360度評価というものです。この評価方法は上司から部下だけではなく、部下から上司、同僚同士など、様々な立場から評価します。

評価方法

評価される社員に対し、日頃の行動で良かったこと、改善してほしいところなどを匿名で評価していきます。部下から上司であれば支持が具体的である、同僚どうしであればコミュニケーション能力が高く業務の教え方が分かりやすいなどです。

評価

この評価方法は、様々な視点から評価ができる一方で、評価者の個人的な感情により悪く評価されてしまうこともあります。そのため、上に挙げたほかの評価方法を補うために使用する方法が一般的です。

フィードバック

評価方法のフィードバックは直属の上司から行います。普段、上司からは見えない行動も評価されているため評価された社員にとっては自身の意外な長所や能力を発見するきっかけとなる一方、常に監視をされているような圧迫感を与えてしまうことになりかねないため、改善すべき点については伝え方に配慮が必要です。

評価基準のとらえ方/絶対評価or相対評価

評価をする際に、例えば5段階評価のうちどの段階に何人の社員を該当させるかという決定の仕方については、絶対評価と相対評価という二つの方法があります。
絶対評価とは、個人の業績があらかじめ定められた基準をクリアしているかどうかという判断基準で行います。
相対評価とは、全体の2割を最高評価とするなどあらかじめ定数を決めておく方法です。
どちらの方法を選択するのかは会社ごとに様々なため、中途採用者へはあらかじめどちらを採用しているかを伝えておくことが重要です。会社によっては面接時に伝えておくことで、雇用のミスマッチを防いでいるところもあります。

まとめ

人事評価制度には様々な活用法があります。会社の成長段階や、文化によって活用の仕方も様々です。
目的に応じた目標設定の仕方や評価の仕方などを明確にすることは、目標達成やモチベーションの維持に繋がります。
自社の目的に合った方法で人事評価制度を活用していきましょう。

創業手帳冊子版では、創業後に必要となってくる様々な問題への対応策を専門家のアドバイスと共に発信しています。ぜひ併せてご活用ください。

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